シドニー・ポラックはキューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』に出演することで頭を破壊されてしまったのだろうか。<
これは単なる色情狂の映画のように見える。
「チラシには真実を追う男とすべてを隠そうとする女」というコピーがついていたが、謎も秘密もなにもないのにねえ……。
山小屋でのセックスシーンとクリスティン・スコット・トーマスの豹変ぶりにはあきれるしかないし、そうした女を描いてみせるシドニー・ポラックにもあきれるしかない。
シドニー・ポラックの頭の中には、きっとキューブリックの描いたセックスシーンがうずまいており、(あるいはセックスシーンの撮影現場の興奮?がうずまいており)、それを自分でもやってみたかったのかもしれないが、あまりにもひどい作品だ。