ラブ・アンド・ウォー

監督 リチャード・アッテンボロー 主演 サンドラ・ブロック
パンちゃん(★)(11月20日)
最初のタイトルバックに戦場の絵があらわれ、出演者の名前が浮かんだ瞬間、こりゃあ、だめだ、と思ってしまった。大味、な感じが前面に出てしまっている。
アッテンボローの映画はだいたい大味。(「戦場に架ける橋」じゃなくてなんだっけ、ロバート・レッドフォードやなんかがたくさんでた映画がありましたねえ。「遠い夜明け」もかなり大味。ケビン・ベーコンがいなかったら、どうなったんでしょうねえ。--アンソニー・ホプキンスが出た『マジック』は好きな映画ですが……。特に、下からライトがあたって、アンソニー・ホプキンスの顔が暗闇に浮かぶところなんか腹話術の人形そっくりで怖かったねえ。アンソニー・ホプキンスもまだやせていてかわいかった。)
なんといってもサンドラ・ブロックの恋愛感情の欠如が致命的。この人、なんでこんなに恋愛シーンがへたなんだろう。『スピード2』のキスシーンなど、ひどい、のひとこと。この男なんかとキスしたくない、と顔中に出ていた。表情が乏しいくせにキスしたくない、という感情だけもろに出てしまうんだから、まあ、すごい女優ですねえ。
「恋愛感情」とたぶん関係があるんだろうけれど、サンドラ・ブロックほど、色気のない女優も珍しい。私の感覚が変なのかもしれないが、彼女を色気があると思ったことは一度もない。『あなたが眠っているあいだに』も色気とは関係ない感じだ。(あれは、脚本がおもしろかっただけだ。)
色気がないから「看護婦」が似合わない。「看護婦」と色気というと、なんだかスケベ男の感覚のようだが、「看護婦」に色気は必要だと思う。「色気」というのは、一種の生命の輝きで、それが患者を励ます。生命の輝きにふれて、あ、生きなければ、という意志が生まれてくる。サンドラ・ブロックには、そうした意志を励ます力がない。表情がない。
私はジュリエット・ビノシュという女優は好きではないが、『イングリッシュ・ペイシェント』などを見ると、確かに、サンドラ・ブロックよりは「看護婦」らしい。彼女の生命の輝きは、いささか暗い輝きだが、それでもたしかに輝きである。サンドラ・ブロックのデクノボウとは違う。
脚本もひどいものだと思う。いつまでたっても終わらないんじゃないかと思って見ていたら、ほんとうにいつまでたっても終わらないのだ。終わってしまって映画館に明かりがついても、まだまだ終わらないという変な不全感が残るとてつもなく、いやーな映画だった。
見るなよ。絶対、見るなよ。
古田 つゆみ(★★★★)(11月26日)
tsuyurin@da.mbn.or.jp
http://plaza17.mbn.or.jp/~tsuyurin/
映画というものをほとんど見たことがないので、見慣れている人には見えるであろう欠点がよく分からない。
ただ、描き方が大げさで感情の表現の仕方などアメリカ人的だな。と思っただけです。(あたりまえか)なかなか良い映画だと思います。


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