隣人は静かに笑う

監督 マーク・ベリントン 主演 ジェフ・ブリッジス、ティム・ロビンス、ジョーン・キューザック

パンちゃん(★★)(5月3日)
ジェフ・ブリッジスとティム・ロビンス+ジョーん・キューザックでは、どうしてもティム+ジョーンが怖い。
ポスターを見たときから感じたことがそのままストーリーになったという感じ。
どこかで、この二人組は本当はいい人なんだ、と思わせるシーンがないとねえ……。
思わず、舟をこぎそうになりました。
あ、最後の学生たちのインタビューは怖かった。
「証言」というものはどのようにも利用できる、意味づけできる、という意味で。
そうした要素を、もっとストーリーのなかに組み込めば、本当に怖い映画になったのだろうけれど、本編でできなかったことを最後にちらりと見せて本当に言いたかったことを代弁するというのは、映画としてずるい。
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ジェフブリッジスの声、話し方が実は私は非常に好きです。
それだけに、この程度の映画には出て欲しくなかった。
ティム・ロビンスも、あのミルクのみ人形みたいな顔と高い身長の組み合わせが好きなので、やはりこの程度の映画では魅力がでない。
ジョーン・キューザックは、見るだけでなぜか怖い、怖い、怖いですねえ。
この人には映画には出て欲しくない。
ダグラス・タガミ(4月18日)
「隣人は静かに笑う」です。映画館のシートに 私を固まらせたあの「セブン」を凌ぐとの宣伝でした。
しかし、どうでしょう。少なくとも何の衝撃も受け なかったです。まったく、ヘコめませんでした。 ネタバレするので多くは書きません。
私が思うには、今更、組織的に行う犯罪でなにが起ころうとも 驚くに値しないです。あの程度の現実は多分あると感じている からです。あれなら、某カルト教団の現実の方がよっぽど 怖いです。文句つけたい場面もチラホラありますし。
「セブン」で起用されてから引っ張りだこのカイル・クーパーが オープニングタイトルを作っていましたが、セブンほど、 効果を発揮していません。
少なくとも、セブン以上のヘコミを期待してはいけません。
星はせいぜい★★と半分でしょう。
忘れてなければまた書きます。
この和題、もう少しどうにかならんかねぇ。という感じです。
ドット(4月17日)
n-tomoo@mtj.biglobe.ne.jp
星4つ
おもしろかった。それも単なるサスペンスに終わってない。アメリカの病理をえぐった作品。前置きが少し長かったが途中からピッチよく話が進行していく。70年代の映画で結構流行したunhappy endingのパターン。ピーターフォンダ主演の「悪魔の追跡」って映画あったでしょ、ストーリーは異なるけど全体の印象が似ている。競争社会っていうのは過激な人々の存在も認めなきゃいけないのかもしれない。倫理的には肯定できないが、背景は肯定せざる終えない。総会屋と株式会社のような関係、ヤクザと呼ばれる人が常に輩出される社会背景、それがもっと極値をとればテロリズムに結びつくのだろう。日本という国は協調性が第一だから住み難いと感じる人も多い。しかし、国内だけの協調を保つ時代は終わり、「グローバルスタンダード(アメリカンスタンダード?)」が要求される時代になった。勝つか負けるかの世界は様々な弱者を生むだろうしその中の一部が過激な方向に進んだとしても不思議ではない。FBIを爆破するなんて、これまでのアメリカ映画では考えられない。「ゴジラ」でも、アメリカ軍は、アメリカの権威は勝ったのに。「ジ・エージェント」、トムクルーズの映画でも金より人とのつながりを大事にするテーマが描かれていた。自由の国としての本質に疑問を持つ人々が増えてきているのかもしれない。オリバーストーンの「JFK」は確かにショッキングだったが、アメリカの権威そのものの否定ではないんだよね。しかし、「プライベートライアン」にせよ、なんとなくそれまでのアメリカ的でない哲学の芽が生まれてきている感じがする。こじつけかもしれないが、この映画をみてなおのことその印象をもった。人類は新しい哲学を必要としている。
「シンレッドライン」での怒りがようやくおさまってきたこの頃です。


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