リトル・ヴォイス


監督 マーク・ハーマン 出演 ジェイン・ホロックス、ユアン・マクレガー、ブレンダ・ブレシン、マイケル・ケイン
パンちゃん(★★★★)(1999年12月9日)
ジュディー・ガーランド、ビリー・ホリデイ、マリリン・モンローの声を聞き分けられますか?
もしはっきりと聞き分けられるならこの映画はとても面白いと思う。
私は残念ながらジュディー・ガーランドは「オーバー・ザ・レインボー」しかわからず、それが彼女の声であると意識したこともないので、物真似の驚異に触れる感じはしなかった。
しかし、そのメインストーリーを越えた部分がとても面白かった。
ブレンダ・ブレシンの演じる中年女のどうしようもない感じも説得力があるし、ユアン・マクレガーの新沼謙次(こんな漢字だっけ)風の素朴な味も温かくてとてもいい。
ジェイン・ホロックスが物真似ではなく自分自身の声を取り戻す瞬間も思わず涙がこぼれる。
しかしまあ、イギリスは不思議な味わいの映画を作るものだと、感心せずにはいられない。
アメリカ映画、ハリウッド映画には表現できない人間温かみがイギリス映画にはある、とあらためて思った。