ロリータ

監督 エイドリアン・ライン 主演 ジェレミー・アイアンズ、ドミニク・スウェイン、メラニー・グリフィス

さつき(2000年8月29日)
★★★★★
私は、小説もキューブリック版も知らないし予告も少ししか知らなかった。レンタルビデオでなんとなく借りただけなのでほとんど予備知識なしで見た結果この採点です。
最初は退屈な感じがして所々早送りしながら最後まで通したけど、また観たくなって翌日に今度はじっくり5回見ました。
ストーリー・音楽・配役・風景が見事にマッチしとても美しかったことと、一見スローテンポで退屈に見えるが、じっくり観てるとだらだらしてなく早いテンポで展開させていたのもよかった。
ハーバードの行動に同情し、こうすればハッピーエンドだったのに、とか、いろいろ別展開を想像した。演じるアイアンのファンになってしまった。
ともかく、理屈はないけど、なんて言って良いのか分からないけど、心にぐっときて感動した。観た後も余韻が長時間残りぼーっとしてしまいました。
TOMO(★★)(5月26日)
naga@pat.hi-ho.ne.jp
http://www.pat.hi-ho.ne.jp/naga/
エンリオ・モリコーネの音楽が良かった。
タイトルロールのところでは目を閉じて聞き入ってしまいました。
しかし、その音楽の美しさが裏目に出てしまったのが、男がロリータをはじめて見るシーン。
あんまり叙情的過ぎて、「それはあんまりや」と笑えてきてしまいました。
あとはもう、その笑いに引きずられてしまいました。
サトル(5月21日)
cak27820@pop16.odn.ne.jp
初めて投稿します。よろしくお願いいたします。
私の採点は★★★★です。よかった。
ロリータとハンバートの出会いのシーン、脈絡もなく全身びしょぬれのロリータが、にやっ、というか、へらっ、というカンジで笑う、その口元の品の無さ。
そしてそれを見て「美しい…」と思っちゃうハンバートの感覚のズレっぷり。これにつきます。
つまり下品でおバカさんでタフ(母親が死のうがオヤジにヤられようがへこたれない、それどころかちゃっかり金はせびるわオヤジの目は盗むわ…)なロリータの痛快さと、少年時代の恋を40過ぎても忘れられず、無関係な女の子に勝手な妄想を抱くハンバートの哀れさ(もっと正確には“かわいそうなカンジ”)と報われない自己完結愛の切なさのコントラストが、いいのです。
それからラストのクレア・キルティの死に様(笑)ですが、あれはあれでいいのです。あいつもコドモ集めてエロ映画撮ろうとするぐらいですから、ハンバートと同じくモウソウ界の住人。そんな“かわいそう”なヒトの最期には、あの滑稽さ、とっぴさはむしろふさわしいのです。
ハンバートがとうとう殺人犯にまで身を落とすこともそうですが、かわいそうなおバカさんにはバカな最期を、ってことですね。
ダグラス・タガミ(5月3日)
Douglas@excite.co.jp
星★。
あれじゃ、エンコウのコギャルに狂っているオヤジとあまり変わらない。全然、伝わらない。
あまりに期待して見に行ったので、結構落ち込みました。
ドミニクは、かわいいし、あの教授の男役のひとも良かったんだけど、面白くなかった。
あの、殺される前のピアノシーンは、笑う事を忘れて、唖然ととしてしまった。
兎に角、久々の金返せもんでした。
パンちゃん(★)(5月2日)
ナボコフの華麗な文体のかけらすら存在しない。
もしナボコフの小説を読んでいなければ、あるいは文体というものに興味がなければ、……と考えても見たが、やはり★は増えない。
ジェレミー・アイアンズはあいかわらず「危ない恋」を演じるのがうまいけれど、花がない。
ロリータという作品は少女の花も当然だが、男に花がなくてはいけない。
12歳の少女に恋をすると、男はこんなに華やぐといった感じが出なくては、その恋の魅力が伝わって来ない。
12歳の少女に恋することで、この身が破滅してもいい、と思わせる一瞬の花の美しさに欠けているため、その恋の切実さが伝わって来ない。


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