ロスト・ワールド


監督 スティーブン・スピルバーグ 主演 ジェフ・ドールドブラム、ジュリアナ・モーレ

パンちゃん(★★★)
続編というものは大変難しいものだと、改めて感じた。
『ジュラシック・パーク』で多くの観客はすでにTレックスを見ている。他の恐竜も見ている。そうした観客をどうやって引っ張って行くか。スピルバーグは、恐竜に「人間性」を付け加えた。「母性」を付け加え、子供を守ろうとする「母親」としての恐竜をつくり出した。
これは失敗だと思う。恐竜は行動の基準がわからない。だから怖いのだ。「悪役」だけではなく、いたいけな子供、善良な子供さえもみさかいなしに襲う。だから怖い。
そこへ「母性」などというものを出してしまうと、行動の基準がわかってしまう。どうすれば恐竜を動かせるかわかってしまう。これは非常につまらない。
最後の市街地でのTレックスト主人公たちのかけひきは、随分興味をそがれる。「母性」本能などというものを出してきたために、次がどんな展開になるかわかってしまうからだ。結末がわかってしまうからだ。
たぶん、アメリカで製作されることになった『ゴジラ』を意識して、市街地に恐竜を登場させ、暴れさせたのだろうが、この最後のシーンが非常につまらなかった。ジャングルなら恐竜がどこから出てくるかわからないが、市街地には恐竜を隠す闇というものがない。コンクリートと恐竜はあまりにも性質が違いすぎて、浮き立ってしまう。浮き立った分だけ、それが偽物にすぎない、という印象になってしまうからだ。
この最後の最後のクライマックスで、途中までそれなりの役割をになってきたジェフ・ゴールドブルムの娘を演じていた少女が消えてしまうのも、非常に不可解だ。(このことからみても、最後の市街地のシーンは、『ゴジラ』を意識して作っただけのものだということがわかる。)
途中、トレーラーのガラスが割れるかどうかというシーンではらはらさせたり、幸運のリュック、あるいはTレックスの子供を治療したときの血がシャツについていて、その匂いを追ってTレックスがやってくるなど、きめの細かい伏線もあるだけに、最後は、ほんとうにどうしようもない感じがする。
★4個でもいいのだけれど、スピルバーグの作品なので、あえて3個にした。
KDKKD
mailto:yosihara@mxr.meshnet.or.jp
http://www2q.meshnet.or.jp/~yosihara/index.html
ラストワールド
スピルさーーN。これでラストワールドにして欲しい感じでした。脚本がない、に等しい。恐竜に危害を加えない船乗りたちが、失われた島近くで確か、不明になったのに、女性古生物学者には親近感を抱く恐竜。ジェフゴールドプラム演じます主役ら4人がいくらピンチでも生き延びる。最後あたりの捕獲、移動、再びコスタリカへ。なんぞは観客の方が「どうなってるんだ」ととまどうハチャメチャさ。とにかくスピルバーグ監督も人間だったということが確認されたのが収穫。
みなさん。よい夏休みを。
ななんぼ(★★★)
fwic2695@mb.infoweb.ne.jp
前作「ジェラシック・パーク」の衝撃が大きかったので期待し過ぎてしまいました。
ハッキリ言って、後半からの安直な展開には不満が残ります。「一番危険な場所」と言われた無線の連絡場所が一番安全に思えたのは私だけ?だってスグに辿り着けてスグ連絡がとれちゃうなんて。
あと、T-REXをアメリカに上陸させたのは失敗。制作されるという「3」では「アメリカ大陸で暴れ回る恐竜がメインになりけど、次回作は僕が監督しないから、このシーンは是非今回に使いたかったんだ」とスピルバーグは言ったそうですが、その無理な起用が裏目に出た気がします。大都会の摩天楼とではT-REXの大きさがあまりにも違い過ぎて全然怖くなかった。ジャングルにいるからこそ怖い存在なのに・・・。
不満が多いけど、カウボイのハンターのおじさんが良い味出していたので、まぁ3つ。
田中昭成(Akishige Tanaka)
こんにちは。ホームページを拝見しました。
「ロスト・ワールド」の評価ですが、私はまったく別の見方をしました。詳しくは自分のホームページに書いてあります(下記)。
一口にいえば、この映画はアメリカの子供達の置かれた立場をうまく反映しているということです。スピルバーグは本当に子供に見せるための映画を作ったと思いました。日本の子供や大人には面白くないかも知れないと思います。
それでは、また参ります。
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ペルー大使公邸人質事件に関するアンケート調査実施中!
kdkdd
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ロストワールド擁護論
    「オスカーを狙う時には狙う。オスカーより、万民が楽しめる映画は別に創る」スピルバーグ監督はそう言っているのです。彼はこの映画で批判を承知で次の3点を訴えているのです。
 @地球への愛。自然環境破壊への強烈な警鐘。環境の保持へ彼の切々たるメッセージがこの映画の根底にある。緑と青き海原に囲まれた楽園の島と無味乾燥の大都会・ニューヨークを対比させて、地球にとってどちらが幸福なのか、訴えている。         「自然に帰れ」J・ルソー
 A勧善懲悪。恐竜への愛情がある主役たちは死なない。深い草原の中で恐竜を虐待した男どもは次々襲われる。が、虐待しなかった女性や子供は足が遅いのに、捕まらない。死なない。理屈じゃないのです。大岡忠相や水戸黄門様の世界なのです。        「愛あるところ神あり」ストー夫人
   B母性愛。無差別に殺人をする恐竜だから怖いのであって母性愛を持った恐竜なんて怖くない、と諸兄は言われる。だが、映画の全編を通じて「女性の愛」なのです。恐竜を愛でる女性古生物学者。母親への愛を求め続ける黒人の娘。ちびっ子恐竜を探し続けるジャンポ母恐竜。現代の女性失いつつある母性愛を彼は取り戻して欲しいと願っているのです。       女は弱し、されど母は強し(ユーゴー)
とかげ王(★★)(8月17日)
lizard@osk2.threewebnet.or.jp
http://www2.osk.threewebnet.or.jp/~lizard/
映画全般の感想はやめて、敢えてみなさんが書かなかったことについて一言。
今回の続編で唯一成功したと言える演出は、あの小さな恐竜の存在だと思うのです。
前作でT-REXを出してしまって、今度はどんな恐竜を出してくるのかと思っていたら、なんと逆転の発想。一気にミクロの方に向かったわけですね。予告編で出さなかったのも納得。
T-REXが人間を引き千切るシーンも恐怖だけども、私が一番恐怖したのは、あの小さい恐竜が唇を引っ張るシーンです。思わず「いてててて」と声に出してしまったほどです。
私は食い千切られたり引き裂かれたりしたことがないので、こういう「ほのぼのとした」痛みの方がかえって恐ろしい。いっそのこと一思いに食い殺される方がよっぽど楽でしょうね。
もっともこの手の恐怖は「ウィラード」「ベン」という恐怖映画の傑作で既に経験済みですけどね。
      
PANCHAN world