監督フィリップ・ノイス 主演ヴァル・キルマー、エリザベス・シュー
パンちゃん(★★)
脚本がいいかげんすぎる。エリザベス・シューの演じる科学者は心臓が悪いはずなのに平気で走り回る。厳寒の川に身を隠し、凍えて死にそうなはずのヴァル・キルマーも、警察が近づいてきた瞬間になぜか立ち上がって走り出す。「障害」というのもストーリーに制約を与え、本当ははらはらどきどきさせるものなのに、ちっともスリルが盛り上がらない。mina
予告編で書いた通りヴァル・キルマーの顔には特徴がありすぎて、変装がぜんぜん変装になっていない。minaさんが書いているように、映画のなかでいつも見破られている。
とてつもなく変な失敗作、いったい誰が脚本を書いたんだ---と思ったら、ふいに思いつくことがあった。
これはヒーローを夢見る女性脚本家が書いたに違いない。
科学者でしかも詩が好きなロマンチストで、体も弱く、なおかつ困難に直面するヒーローを助けながら活躍し、その過程で恋愛も実らせる……。
うーん、山下晴代の描く小説の世界だ。
監督も女性がやればよかったのかもしれない。そうすれば★4個になったかもしれない。
ほんとに12の顔をもつ男じゃなくて、1つの顔しか持ってない男だった。劇中でことごとくばれている。できるのは人混みに紛れることだけ。そんなの変装しなくてもできるよ。まあ一つだけ、笑えるのがあったけど。話はまあまあ面白かったです。 (この感想は、予告編「セイント」採点への答えのようです。予告編採点の方もお読みください)