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主演 ブラッド・レンフロ、ケビン・ベーコン

パンちゃん(★★★)
ブラッド・レンフロという役者は、アメリカでは、どこか影のある人間に見えるのだろうか。『依頼人』も『スリーパーズ』も、どこか貧しく、悲しげな人間を演じていた。
この映画は、そうしたブラッド・レンフロのために作られた映画である。恵まれてはいない家庭、そのなかで精一杯背伸びをして生きる少年。少年から大人へなっていく過程で体験する挫折、その挫折が少年を大人にする。挫折、苦しみが、少年の心を豊かにし、その心の豊かさが大人の証明でもあるのだが……。
うーん、時代にそぐわい。映画もそのことを理解しているのだろう。時代を60年代に設定している。60年代の17歳は、確かにそうだったのかもしれない。違うかもしれない。しかし、現代の17歳は、ブラッド・レンフロが演じた17歳とは明らかに違っているだろう。
主人公の苦悩は、現代では、まるで13歳の苦悩のように見えてしまう。それが残念だ。



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