時雨の記


みさき(12月2日)
misaki@ceres.dti.ne.jp
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★これは久石譲の音楽に報いて
吉永小百合が、あちこちの番組に出て入れ込みようを披露していたわりには……。
説明が多すぎる。林隆三のナレーションがなぜ必要か! ぶちこわしである。ナレー ションで説明してもらわなくても、充分わかる単純な話なのに、もったいない。ナ レーションが入れたいのなら、フジテレビの正月用の2時間ドラマにしたほうがよ かったんじゃないのか? テレビ的なつくりだった。
時代設定を昭和63年から平成元年におき、高度成長期からバブル期を生きてきた中 年世代の最期の恋愛にしたかったのだろうが、失敗している。ニュース映像がわずら わしい。平成10年の今年でなぜいけない。細かいことを言わせてもらえば、小百合 さんのはいてるスカートの丈が去年あたりからのはやりの平成風のロングなんです。 10年前はあんなにスカート長くない。若い女の子が去年あたりからはいているロン ドンブーツも映ってたし、もう少し女優の服装の時代考証も考えてほしい。専務室の パソコンだって今年のものだったし……
映画の日で1000円なので、そこそこ来ていたおばさんたちはくすくす笑っていた んだぜ。どんな場面でかというと、ここぞの場面で渡哲也が発作に倒れるとなぜか、 笑っちゃうのである。てれくさくって恥ずかしいって感じなんだ。なんだかなあ、日 本酒のコマーシャルの二人がまじめに演技してると、おかしいのだ。
それよりなにより、女心ってもっと複雑じゃない? 長い間、未亡人として、つつま しく生きてきて、突然、大企業の重役から(それも石原軍団の色男)「ずっと、あな たが好きだった」なんていわれたら、もっともっと戸惑いや苦しみがあるんじゃない か? おたわむれを……とか、からかわれてないか? とか、今更めかけにはなれな い! とか、そういう内面を小百合は演じてない。
いつのまにか、「あなた」なんて呼んじゃって、「どうかなすったんですか?」じゃ なくって「どうしたの?」なんていっちゃってなんだかなあ、不自然。
ほんと、この内容の割にいつもの短調にせず、長調で、明るい生きる希望にみちた テーマ曲を持ってきた久石譲に★


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