将軍の娘−エリザベス・キャンベル−


監督 サイモン・ウエスト 出演 ジョン・トラボルタ、マデリーン・ストウ、ジェームズ・クロムウェル、ティモシー・ハットン、ジェームズ・ウッズ

パンちゃん(★)(1999年11月12日)
この映画、まず宣伝がまずい。「レイプよりも恐るべき事件」といううたい文句だけれど、今の時代「レイプよりも恐るべき事件」といえば、あれしかない。クリントンとモニカでも問題になった、あれ、です。特に、アメリカでは、あれ、こそが今日の最大の犯罪ですからねえ。
というわけで、蓋を開けてみれば、やっぱりその通りの映画であり、まあそれだけでも見て損をした、と思ってしまう。
その上……。
映画のリズムが非常に「とろい」。出だしの銃器の横流し捜査はいったい何のためにあったのだ? 単に観客の視線をそらせるためだけではないか。こんな無駄な描写をしていったい何になるのだ。
それにねえ、一番いけないのは、「エリザベス・キャンベル」の思いが、最後の方になって「せりふ」で唐突に説明されるだけで、途中ではいっさい描写されない。
これは映画ではない。単なる辻褄合わせの安っぽい新人賞応募ミステリーの類。
説明を後から後から、都合のいいようにつけるだけ。
話は見え見えなのに、ストーリーの展開がとろくて、終わったあともまだ終わっていないのじゃないかと思ってしまった。
しーくん(★★★★)(1999年11月7日)
kanpoh1@dus.sun-ip.or.jp
この作品は、ある方から招待券をいただいたので見に行きました。おそらくお金を払っては見なかったと思います。でも見て良かった。レイプ疑惑を題材にした映画なので“良かった”という表現はどうかと思いますが、前評判ほど悪くはないと思います。私は約2時間の上映時間、スクリーンに集中したし、時が経つのを忘れました。ジョン・トラボルタのあの甘い声が、捜査官としての役に合うかどうか少し心配でしたが、結構さまになっていたと思います。退役間近の将軍の娘が、全裸死体で発見される。その調査のため、陸軍犯罪捜査部のブレナー(トラボルタ)と、レイプ専門女性捜査官サラが任命され、いわゆる“犯人捜し”の展開となります。で、この事件に隠された“ある事実”が次第に解き明かされていくわけですが、私はこの事実に相当気持ちが沈んでしまいました。スリリングさに欠けるとか、展開が(犯人が)解かってしまうと言う感想を違うページで読みましたが、そう言うことを主題にした作品なのかな?
私は、人間のモラルとは何か、そして現在では薄くなりつつある家族の信頼や絆とは何かを考えさせてくれる作品だと思いました。とは言え、冒頭には、よく意味のわからない見せ場もあり(実はこのシーンが1番ハラハラする)、その点はやっぱり『コン・エアー』の監督だな、とは思いましたが(笑)。BGMが気に入ったので、サントラを購入しようかちょっと迷っています。