17歳のカルテ
ケンイチ(2002年1月2日)
ウィノ・ライダーの困った顔が見たくてDVDで見ました。時間がある人は見てもいいんじゃないでしょうか。見た後で、面白くないと怒らないようにしてください。30前のウィノ・ライダーが17歳の役なんですから最後まで10代、分別臭い10代です、それだけで十分異常なキャスティングでしょう。★★
琴乃(2001年11月25日)
この映画でのアンジェリーナ・ジョリーと、ボーン・コレクターでのアンジェリー・ジョリーでは外見も人格も別人に見えますね。
正常と異常の境界はどこかっていうお話です。
主人公が治ったとかそういうことは問題ではない。
はじめから病気ではなかったのだということをラストのシーンで言っているじゃないですか。
最後のナレーションで。
Colles(2001年1月18日)
☆☆☆☆
主人公がどのように病的なのか、どのような葛藤に苦しんでいるのか、どのように「なおっていったのか」それに関する描写がなく、わからない。
それは、主人公の視点でつづられているからなど思う。
当の本人にとってはそんなものなんじゃないだろうか。
主人公がどんなふうに「なおった」のかわからない、のは、不満だが、しかし、それを記述する糸口を、つかもうとさえしていないのだから、それをこの映画にもとめようという気にはならない。
主人公は、外にいったって嘘ばかりちらばっているが、それでも、私は、外にいく、といって、でていく。
この言葉や行動のうらづけは表現されないが、しかし、そういうセリフをいわせただけでも、いい。
脱走をくりかえしても、けして、カゴからぬけだすことのできない、リサ、の姿、ただ時間をついやしていく彼女の姿は、一般的なもので、病院の中にいるか、外にいるかの違いはあるのだとしても、それは、ごくありふれたもので、しかし、あまり記述されることのないものだ。
普通の映画館でロングランされているくらいなのだから、それほど、めずらしい種類の映画というわけではないのだが、しかし、地方では、この種類の映画あまりみられないでしょう。
それは、あたり前で、しかもよくわからないことなんて、ドラマチックにならないから、感動のの名作にもならないから、スリルとサスペンスも感じさせないからかもしれないが、そうして私自身も、あまりみることのないこういう種類の映画を、よかったと思っても、それは、めずらしいからだけで、また、自分の嗜好によるだけで、よい映画でしたと人に伝える勇気ももたないけれど、こういうテーマで、脚本や音楽や演出で、あるレベルに達した映画を作ってくれて、よかったと思うし、嬉しいのです。
竜崎麗香(2000年11月27日)
★★★☆
やっと見に行けました。それだけに期待度が高かった映画。見終わった直後の、
現在の評価は★3つ半。決して悪くはなかったんですが、映画の印象を左右す
る肝心の終盤で、突然感情移入できなくなったことが評価が伸び悩んだ原因か
な?それでも、映画全体の出来としては秀作だと思います。また、評価はいま
いちでも印象は強烈で、私のお気に入りに加わりました(笑)。これからしばらく
頭の中がこの作品で一杯になることでしょう。もっと深く映画のそれぞれのシーン
を反復するうちに、評価も高まるかもしれません(ちなみに、『トリコロール』3部
作がそうでした)。
「誰もが暗闇に迷い込む可能性がある」「異常なのではなく、心の揺れが大きい
だけ」という、メッセージは十分伝わってきましたし、自分を直視せずに生きてい
る人が多い中で、いったん立ち止まって自分が抱える闇の中で苦しんでいる彼
女たちに、ある意味、生きることに対する真摯な姿勢を見ました。ま、いわゆる
「社会性」って観点から見れば、都合の悪いこと、答えのでないことを見ないよう
にして要領よく人生を楽しんでる人の方が、「社会性がある」って言われるんで
しょう。個人的には、「社会性がない」「生きることが楽しめない」ことのどこが悪
い、逆にこんな腐った社会に適応してうまく生きてる奴の方が問題なんじゃない
の?って思いますが。
ポリーのために、ギターを弾いて「ダウンタウン」を歌うシーンが感動の最高潮で、
そこまでは涙が止まらないほどでした。
ところが、デイジーが自殺するくだりから、スザンナの心理にはかろうじてついて
いけましたが、リサの心理が理解できず、あっけにとられてるうちにエンドロー
ル・・・泣いてる人が多い中、取り残された気分で早々と映画館を出てしまいまし
た。
実話なので、すっきりハッピーエンドで終わらないのが当然なんでしょうし、取り上
げているテーマがテーマなだけに、逆に安直な結論を持ってこられても問題だと
は思うんですが、退院前夜からスザンナが退院し、タクシーに乗るまでのリサとス
ザンナのやり取り(クライマックスのシーン)は、感情移入できずに傍観者になって
しまった感じです。まだまだ私の人生経験や哲学的思考が浅いってことでしょうか
ね。
パンちゃん(★)(2000年11月14日)
うーん、変な映画だなあ。
少女の不安定な心理を描いているのだけれど、どうもよくわからない。
バネッサ・レッドグレーブだけが印象的だったなあ。
ウィノナ・ライダーがアンビバレンツについて語る。その語ったことを、「正しい」というときの不思議な寛容さ。
たったひとり大人がいる、という感じがした。
あとは、何だかよくわからないなあ。
こういうのは苦手。
とみい(2000年9月24日)
★★★☆
精神病院を舞台にした、少女たちの友情ドラマ。
出てくる女の子たちは、どれもまともに見えた。現実のほうがよっぽど治療しなきゃ
ならないやつ、いっぱいいるぞ。
期待どおりの作品。というのは、期待を下回ることはなかったが、上回るものでもな
かったということです。
ただし、アンジェリーナ・ジョリーはとんでもないタマだ。
メリル・ストリーブの跡を継げると思います(演技派、という意味で)。
もっとも、ウィノナ・ライダーは18歳には見えないですよね。