シャフト


とみい(2000年12月1日)

オープニングの現代風なアレンジは賛否両論あろうが、 どちらかというと私の好み。
かっこいいぜ、サミュエル・L・ジャクソン。
でもねえ、残念ながら、シナリオが圧倒的に弱い。
倒すべき対象がちんけなもんで、 そこまでこだわって、やっつけにゃならん 敵に見えないということと、 シャフトがさっさと警察組織を飛び出さないですむことに、 ものすごい違和感がある。
アウトローのように見えても、実はほとんど周りがシャフトの味方してるんですよ ね。
テンポが悪くないだけに、けっこうもったいない映画。
★★☆。
NEK(2000年11 月26日)
★★★☆
カッコイイ―!シビレル―!!て感じで颯爽と登場し、己の掟に忠実なハードボイルドマンを演じるサミュエル・ジャクソン。(個人的には)格好良いアイザッ ク・ヘイズによるシャフトのテーマ。そしてむかつく白人お坊ちゃんにチンピラ軍団。
確かに絵としてスッゴクカッコ良いです。それだけでこの点数上げます。ただねぇ、30分もすると何か悲しいんですよ。シャフトのアウトローぶりが。だって シャフトみたいな性格した奴が今まで刑事でいた事が信じられないですもの。最初から探偵の様なイリーガルな職業につかせた方が良かったんじゃないんです か?、とか思ってこの違和感は何だろうと考えていたら、映画が終わってしまってから漸く気づいた。
時代ですよ。シャフトと言うキャラクターは既存の価値観が崩れ、現実の社会が実は正義の為に有るのでもなく、ただ白人の金持ちを優遇し、それまでの社会構 造を維持する為だけにある事、そしてその裏にある真実を隠匿する(こんな事書いていると自分が赤軍派になってるみたいデスナ)社会に対するアンチテーゼと してのヒーローなんですよ、多分。故に警察などと言う、社会維持を担う犬などシャフトにとって鼻で笑う様なもんなんですよ。悪人ぶっ殺すのも同様。社会の 恨みのはけ口として、何より己の街を汚した害虫として、容赦無く射殺するのはシャフトにとっては当然の粛清なんでしょう(だって映画ジャン、コレ…真剣に なるなよ)。
でももうすぐ新世紀ですよ。そんな時代に突然刑事として蘇って来っても、それは平成ゴジラと一緒で時代遅れなだけですよ。元となった『黒いジャガー』の時 代と変わってしまった事がこの作品の魅力を大きく削いでしまっている。
他にもミステリーとしてキャラクターの行動が変な部分があるとかあるんですが、それは他の人が言っているので私は言いません。まぁ作品としてそれ程の傷 じゃないしね。
とは言え、無駄に犯罪のレベル(+火薬の量)ばかりが大きくて犯人がチンケだったりする映画が多い昨今、この映画は貴重ですよ。キチンと1つの作品世界で 物語は解決されている。オチも賛否両論あろうがやるせない怒りの結果として充分に納得できる範囲ですしね。
それに上映時間も1時間45分と短いのも加えて、個人的には適度なハードボイルドの佳作とみなしたい。出来れば2作、3作とやって欲しいけどねこう言う愛 すべき小品は。
裕也(2000年11月17 日)
映画としてはい茲・侏茲討い襪隼廚Α」
ちょっとした役(被害者の母親とか、目撃者の兄とか)にまで、きちんと人間を感じることが出来るのは凄い。
ただエンターテイメントとしておもしろいかといわれると・・・
まずオープニングがまずいと思う。シャフトのテーマが現代風にアレンジされているのがね・・小室のリミックスみたいに、いつまでたっても盛り上がらない し。オールドな魅力を味わいたかったのに肩透かし。
シャフトはヒーローじゃなくてアウトローだね。僕は踊る大捜査線世代だから、警察署内の規律と位置関係に苦しみながら地道な努力を重ねる青島刑事をかっこ いいと思っても、捜査にいきずまるとすぐ警察止めちゃうシャフトはかっこいいと思わない。仲間が撃たれて必死になって弾痕を探す青島に共感できても、悪い やつなんか簡単に殺しちゃってオッケーとばかりに銃を撃ちまくるシャフトに共感できない。あんた自分の追ってる犯人以外はどうなったっていいの?
汚職警官を麻薬王と落ち合わせてからのサスペンスはよく考えられているがけ藹个・淆任杷・枠掌此」
人種差別問題を大々的に扱っているが胸にくるものがないし・・
エンターテイメントよりもリアリティーを追った作品。☆☆