City of Angels

監督 ブラッド・シルバーリング 主演 ニコラス・ケイジ、メグ・ライアン

じゅんこ(★はなし)(9月22日)
junko003@eis.or.jp
メグ・ライアンとニコラス・ケイジが、どっかから借りてきたようなクールな言葉をクールなポーズで独り言のようにしゃべっているだけの意味のない記号のようなミュージックビデオ。「ココロを感じる映画」の触れ込みなのに、他人の言葉を聞こうだなんて気持ちはひとつもない。だいたい、もし私がヒロインで、夜中に病院の廊下にたたずんでいる怪しげな男(しかも胸毛濃い)に「誰かに面会ですか?」と訪ねて、その男が「君に会いにきた」と答えたら、迷わず警察を呼ぶざます。「あの熱いまなざし…」とかわざわざバスタブの中で思い起こしたりせず、布団に潜って「あの嫌らしい目つき…」とかうなされちゃうかも…
そんなわけでいくら『MJB』の予告のブラピがビューティフルだからって私はもう二度と見たくない…。この愚作がさっさと終わり『トゥルーマン・ショウ』に番組が変わることを願って、コキおろしに来ました。
それでは、みなさまご機嫌よう…。あ、そだ、ところで男の人って初めてエッチするとき痛いの?
nahoko(★☆)(9月18日)
nahokoo@ibm.net
日記で書いていただいたけど、それ読まないで、感想だけ読む人がいるかもしれないでしょ。と、思い、メグ・ライアン大好きな私はしゃしゃり出ます。
多分、共演者と寝る主義なのは、メラニー・グリフィスでしょう。きっと。
でも、この映画に関しての感想は、、、、、
とにかく、ニコラス・ケイジ。。。に尽きてしまいます。ケイジが、慈悲に満ちた目・・・に見えません。
あんなに強い目で見つめられているなんて・・私にはどうしても、彼はストーカーにしか見えません。
こんなにメグが好きで、大抵の映画は好きなのに、どうしても、どうしても、素敵なラブ・ストーリーに思えません。涙。
そして、あまりにもあんまりな(誰もが予想したでしょう?)ラストと、魂が抜けたような笑顔(に見えた)のケイジでのラストシーン。。
念のために、ケイジが嫌いとかでは、決してありません。『フェイス/オフ』なんかカッコよかった。極悪も、いい人も。
だけど、この映画はいけません。。どうしても、共感できない映画でした。星はすべてメグに捧げます。。。
でも、もう一度見ます。『MJB』の予告が観たいから・・・
パンちゃんからのお詫び
メグのファンのみなさん、メグと共演したことのある男優のファンのみなさん、勘違いしてごめんね。
下の感想を直そうかと思ったけれど、全部書き直さないといけなくなるので、そのままにしています。
どうしても天使が恋をしている映画には見えない……。
みさき(★★★★)(9月17日)
misaki@ceres.dti.ne.jp
http://www.ceres.dti.ne.jp/~misaki
いやあ、もう泣いちゃいましたよ。
ここ数年、映画館で泣いたのは久しぶり。
いいじゃないですか、こういう大甘のめろめろでも。
二人が恋におちる必然性もありましたってば、最初からマギーはそんなに恋人を好きじゃないんだなって、よくわかったし……。
なりゆきで同僚とつきあってるだけだった。そこへ天使があらわれて恋におちる。
いいじゃあ、ないですか。
あたしも、ニコちゃんとなら恋におちてみたいっす。
ただし、あの胸毛はお断り……。
いいなあ、いいなあ、空から見たロスの街も、夕暮れと朝の浜辺に黒いコートがうじゃうじゃいるのも。
この先、洋梨を見るたびに思い出すと思うな。
ほんとに、よかったよ。
隣じゃまだタイタニックやってる。タイ……には全然感動しなかったあたしが泣いて帰ってきたなんてなあ。
いったいあたしゃ、どういう映画が好きなんじゃろう。
石橋 尚平(★★★☆)(9月15日)
shohei@m4.people.or.jp
この映画も擁護しなきゃ、いけないか。でも、Haruhikoさんもパンちゃんも分かっていたはずでしょ。こんなもんだって。この映画は、人間が天使(ヴェンダース)に憧れて撮っている映画だと思えばいいと思います。人間が撮った映画だから、ヴェンダースのようにはいかない。天使を人間に堕落させるように、芸術映画的なメロドラマを、正真正銘のメロドラマに堕落させているんですね。それで悪い? 最初からそんなこと分かっているわけでしょ。私は好きです。こういう謙虚な憧憬が。「ベルリン」は、アンドレイ、フランソワ、安二郎という元天使に捧げた天使の映画だったわけだけど、この「キャスパー」の監督はプロデューサーに捧げていたりする。そこからもう違っているわけ。でも持てる力をめいいっぱい出していると思いますよ。ヘミングウェイの「巡回祭礼」を引用しているとことか、西洋ナシを使ったりとか、天使同士のメモ帳つかっての報告とか…可愛いところがいっぱいある。私はその辺に感動する…。N・ケイジはB・ガンツ以上の存在感があったと私は思います。で、ヴェンダースの奥さんって、とにかく顔が嫌いなんです。だから私はメグ・ライアンの方がマシなんだけど…。それに、天使が落下するシーンも気持ちいいな。カメラいい。「ベルリン」のカメラもいいけど。「ベルリン」って、なんであんなに当たったわけ? 当時をときめくヴェンダースの総合映画だったからでしょ。ヴェンダースの芸術映画だ、スノッブだってことで、メロドラマに目をつむったわけでしょ。時代に合っていたから皆観に行ったわけでしょ。コロンボが元天使だったり、天使が人間になると天空から鎧が降ってくるなんて、いい加減な設定をみんな真面目な顔して観てたわけでしょ。だけど、あれは気障で気障で格好いい映画だった。インテリも納得できるしね。最近、すっかり疎遠になっているけど、私はヴェンダースの中で「ベルリン」は大好きな映画なんです(あと「アリス」も好き)。嫌いなものとか、ひどい駄作(「夢の果てまでも」)もけっこうあるんだけど…。ただ、ヴェンダースってメロドラマそのものには本当に情けなくなるくらいウブだから、映画のプロフェッショナルに殉じて、自分の持っているものを総合的に一気に吐き出した後は枯れちゃって最近パッとしないんですね。「ベルリン」以降、天使から人間に堕落しちゃったんですね。この映画観てヴェンダースは泣いたらしいけど、かなり癒されたんじゃないかな。私はそう信じたいな。
パンちゃん(★)(9月13日)
メグ・ライアンについてくだらないウワサを聞いたことがある。彼女は共演者と必ず寝る(セックスする)主義だ、というウワサだ。
この映画は、そのウワサをそのままなぞっただけの映画だ。メグ・ライアンがニコラス・ケージと出会い、とりあえずセックスしただけ、という映画。
二人の間に愛(恋)が生まれる必然性はどこにあるのか。見ていて全然わからない。
洋梨の味について、「君のことばで語ってほしい、君のことばでききたい」というような、愛の本質に触れるような部分を描きながら、いいかげんなストリー、ご都合主義の展開で、そうした本質そのものを「嘘」にしてしまったとんでもない駄作。
生きる勇気も愛する希望も何もない、なぜこんな映画をつくったかわけのわからない映画だ。メグ・ライアンはニコラス・ケイジとセックスがしたくて、この映画に出たのか。ニコラス・ケイジはこの映画にでればメグ・ライアンとセックスできると思い、出演したのか。--そうした悪口でも言わない限り気が納まらないような駄作。
haruhiko(7月22日)
ishii@binah.cc.brandeis.edu
Saving Private Ryanの感想の中でじゅんこさんが危惧していたCity of Angelsですが、やはり駄目ですね。れいなさんもコメントしていましたけど。僕が見たのはれいなさんのコメントが出る少し前で、あれを読んでいたら見ていなかったと思う。こんなにひどい映画を見たのはしばらくなかったです。
一応、Wim Wendersのベルリン・天使の詩を、ロスアンジェルスを舞台にしてリメークした作品です。僕は、ベルリン・天使の詩もけっして傑作だとは思わなかったけど、それでも独特の雰囲気はそれなりに好きでした。それに比べるとCity of Angelsはあまりにもひどい作品に思えました。Wim Wenders自身はCity of Angelsを高く評価していると聞きましたが、とても意外です。
過大な期待をしていたとは思いません。ハリウッドの作品なのでWim Wendersのオリジナルよりも通俗的な話になるのは予想ができました。オリジナルに比べて天使と人間の間の恋愛がメインになっているのも聞いていました。でも、いくつか読んだ批評ではこの映画の評価は高かったし、オリジナルの新鮮さはないにしろ、ハリウッドらしく娯楽性を増してとっつきやすくした作品というのは妥当な予想だったと思います。
結果的に言うと、恋愛映画として全然面白くない上に、もったいぶった「芸術映画」風の化粧をつけようとしているのが、鼻につきました。この映画の脚本家、監督に特に切実に表現したい物はあったようには見えません。あったのは、Wim Wendersのイメージを借りることでありきたりでない恋愛映画を作るというビジネス的な企画だけで。ベルリン・天使の詩にももったいぶった所がありますが、Wim Wendersはちゃんと語るべきことを持っていたと思います。
Nicolas Cageが演じる天使とMeg Ryanが演じる女医の間の恋愛は白々しい。他にちゃんとした恋人がある女性が、身元不詳、自称天使の変な男と恋に落ちるにはもう少し説得力を見せてほしいと思います。最後も後味が悪かった。これなら平凡なハッピーエンディングにしたほうがよほどいい。
ベルリン・天使の詩はスノッブな所もあるけど、主人公のBruno Ganzと、それに対する元天使役のPeter Folkがどこか飄々としていて、ユーモラスな雰囲気もあった。Bruno Ganzは無邪気な感じがして、彼が人間の生活に好奇心を持つのは自然に思えました。それに対してCity of AngelsのNicolas Cageはすごく深刻そうで、演技が過剰な気がしました。Dennis Franzの元天使も違和感がありました。
それから、例えファンタジーであってもそれなりのリアリティがないと、しまりがないほら話になってしまう。(まだ人間になっていない)天使が、簡単に人間に姿を見せていいの?一文なしの男が当座の生活費をどうするかについて、ベルリン・天使の詩ではユーモラスな解決があったけど、City of Angelsでは何にもなし。それ以上に、普通ならこの映画のラストではNicolas Cageはすごく面倒な事態にいるはずなんだけれど、何で大丈夫なの?
長々とすみません。いい映画を見ると言葉もなかなか出てこないけど、くだらない映画には文句がつけやすい。