6デイズ/7ナイツ


監督 アイバン・ライトマン 主演 ハリソン・フォード、アン・ヘッシュ

パンちゃん(★)(1月10日)
ハリソン・フォードの足がアン・ヘッシュの足より細い。これは、この映画の最大のミスである。おいぼれて足の筋肉がそげ落ちた男が若い女を助けて無人島を脱出するなんていう話はありっこない。
いや、ありっこない話を面白く、はらはらどきどき見せるのが映画というものだが、それにはやはり観客を納得させる何かが必要なのだ。
ハリソン・フォードの細い足ではなく、たとえばシルベスタ・スタローン、あるいはシュワルツネッガーの足なら、納得できたかもしれない。スタローンにしろシュワルツネッガーにしろ、彼らの肉体は特権的である。その特権的な肉体ゆえに乱暴なストーリーが許されているのである。そして、彼らの肉体が特権的であるからこそ、ジャングルもまた特権的な力にあふれ、緑に輝くのだ。
ハリソン・フォードの細い足、単に細い足ではなく、女優よりも貧弱な足では、何をやってもダメなのだ。無人島の緑も、都会の温室の緑にしか見えない。熱いはずの日差しも、春のおだやかな光にしか見えない。せめてズボンくらい履かせてごまかしたらどうなんだ、と言いたくなる。
地位も思想も感性も違う男と女が無人島に流されて、そこから恋が生まれるというものに『流されて』という名作があるが、この『6デイズ』は、そうした恋を描くにおいてもひどくご都合主義である。官能の喜びが人間を変えるというような、恋の魅力のかけらも表現されていない。
これもそれも、すべてハリソン・フォードの魅力が足りない、肉体的魅力に欠けるからである。
何度も書くが、彼の足は筋肉が落ち、なえている。大地を踏みしめる力に欠けている。その足で支えられた上半身も不安定である。がっしりしているように見えるかもしれないが、それは単に脂肪にまみれて太っているにすぎない。それは、目にくっきりと出ている。野性味がない。(『流されて』のジャン・カルロ・ジャンニーニの、黒く精悍な目と比べてみよう)
ハリソン・フォードの目は腐った魚のように濁っており、そこに一瞬輝きがあらわれるにしろ、それは狡賢い印象の光でしかない。
ハリソン・フォードには監督の言うことを何でも聞くという素直さがあるのかもしれないが、それは自己主張がないということであり、また、脚本を読む力がないということでもある。
こんな映画に出るなんて、本当に脳が足りないと思ってしまう。
そん(1月5日)
年末年始休暇中には結局映画は1本しか観ませんでした。
「6デイズ・7ナイツ」です。
話自体はどってことないです。
H・フォードはやっぱりああいう「オトコギ系」の役がいい。
アン・ヘッチも少年ぽくて私は好きです。
しかし、近頃は彼女やらグゥイネス・パルトロウやら 一昔前なら絶対ヒロインにはなれないタイプの女優 (悪くいえば貧相というか華がないというか・・・) がスクリーンで活躍しますねえ。
パンフで、アン・ヘッチは“まるでメグ・ライアンとピーターパンを 合わせたよう!”と描写されていました。
うむ、確かにそうかも。でも、ちょっとほめすぎ。
しーくん(★★★)(11月18日)
kanpoh1@dus.sun-ip.or.jp
99年度お正月映画を、いち早く試写会で観てきました。
映画のポスターや、キャッチコピーから”見せ場たっぷり!ハラハラドキドキのノンストップ映画”を期待して行くと、肩透かしをくらいますよ。(^ ^)確かに見せ場は数々用意されているけれど、いずれの場面もドキドキするところまではいかない。それより、この映画は遭難した2人のセンスの良い(?)会話を楽しみましょう!この手の映画にしては、セリフ多いです。もう字幕字幕字幕だらけです。(^ ^)従って上映時間1時間41分は妥当なところ。あ、そうそう1個所だけ声を出して笑った場面があった。こんな事は映画では久しぶり!一緒に観た妻からは「しーくんは、あーゆー場面好きやねぇー」と言われてしまった。トホホ・・・
観ている間は結構楽しめると思います。