ダイアルM

監督 ?? 主演 マイケル・ダグラス、グウィネス・パルトロウ、ヴィゴ・モーテンセン

灘かもめ(11月9日)
seagull@d1.dion.ne.jp
グウィネス・パルトロウは美人じゃないかなあ?
私の眼にはとてもキレイになったなーというかんじに映りました。
(グウィネスをきれいと初めて思ったのは、「大いなる遺産」でした)
マイケル・ダグラスの向こうを張れるかな?と不安でしたが、結構イケてたと思います。ヴィゴ・モーテンセンも、好きな役者なので、「おぉ〜、ジゴロもやれるのね」と 感心してしまった(リスト風の髪型もいい!)。
マイケル・ダグラスも、そつなくこなしてた、と思う。
・・・・・けど、つまんなかった。
ぜんぜん、ドキドキしなかった。オドロキもトキメキもないサスペンスって、なんて つまらないんだろう・・・。
それは何故かと考えるに、ストーリーの先が見えるから、ではなく、役者同志のぶつかり合いが感じられなかったからではないのかな?
3人の登場人物は、それぞれ、夫、妻、愛人という人間関係でつながっている。
でも本当は、「愛人に嫉妬する夫(ついでに破産寸前)」「夫を捨てたい妻」「騙してるけど結構本気の愛人」なのだ。三人とも、ウソの自分とホントの自分をかかえている。
なのに、「自分のなかの葛藤」が感じられない。葛藤のない人間同志がぶつかっても、 ちっともスリリングじゃない。
マイケル・ダグラスが、妻を殺したい、と思う過程が表現できてない。彼の演技そのものより、演出の問題かも。殺人の動機づけを、設定やセリフに頼りすぎ。
グウィネスが数ヶ国語を話せる、という設定も、結局設定どまり。
ポワロさんの立場は一体・・(ポワロさん、「エグゼクティブ・デシジョン」でも中近東の人物演ってましたね、デヴィット・スーシェって、イギリス人なのに)。
あ、それから、電話のトリックよりも、カギのトリックに関心がいってしまって、 タイトルの意味がぼやけてしまってるなぁとも思いました。
電話での完全犯罪なら、電話で突き崩して欲しかった。
お星さまは★☆。
(★は、まぬけそうな刑事のボヤキに免じて、☆は、ヴィゴの美しい直筆の絵に免じて。)
お金、(半分)返して。
パンちゃん(★)(10月26日)
ヒチコックの『ダイヤルMを廻せ!』は、もうすっかり忘れてしまったけれど……。
この手の映画には、古典的な美人が必要だと思う。
美人が、何を信じていいかわからず苦悩する、そのとき表情にあらわれる美しさ。
グレース・ケリーの、あの美しさが苦悩で歪むと、なぜかいっそう美しく見える……。
でもねえ、グウィネス・パルトロウじゃねえ。
こういう映画には「古典的美人」が必要なんです。彼女は現代風の「美人」なのかもしれないが、どうもはらはらしない。
美しい顔が苦悩に歪み、それがなんともいえず輝き、ストーリーなんか忘れ、彼女が被害者であることを忘れ、すっごい美人、うーん、あんなふうにいじめてみたい、なんてことは、グウィネス・パルトロウじゃ、思えない。だから感情移入できない。つまらない。
これではダメ。
ヴィゴ・モーテンセンも、観客の男が嫉妬するような男ではない。
配役が間違ってますね。
マイケル・ダグラスも、なぜだか冷酷な印象が薄い。プッツンしそうな感じはあるんだけれど、プッツンて人間的な感情だね。冷酷とは違う。
まあ、携帯電話、リダイヤルの使い方がちょっとだけ新しかったかなあ。
sao(8月26日)
g5229145@eco.dokkyo.ac.jp
「ダイアルMを廻せ」のリメイク版ということですが、私はまだその大元を観たことがありません。これからチェックしなくては。一番の感想は、効果音に心臓がやられたということです。本当に飛び出るかと思った。
マイケル・ダグラスは性格が悪くて強気な金持ち役がはまっている。葉巻を吸う姿が似合う似合う。いつのまにか顔にしわがいくつも深く刻まれるようになったのね。でもこの役は彼しかいないと思わせれくれるほどの熱演でよかった。
グウィネスはかなり男の人にぶっ飛ばされていました。オイオイっていうくらい、転がってました。うーん、やっぱり演技うまいなぁ。特に、襲われたあとの脅えた表情が思いきり乱れていていい。
「世の中、だます奴とだまされる奴しかいない」というのは、『不夜城』での金城武の名言(!?だと私は思っている)ですが、本当にこれはその世界。最後に笑うのはだれか。駆け引きやセリフ使いが面白かった。
ところで、ちょっとした疑問。国連大使に勤めているグウィネスは語学に堪能という設定で、刑事と英語ではない言語を使って話すシーンがあるんですけど、あれは一体どこの国の言葉なのでしょうか。なんか、意味深に使用されているので、もっと事件解決のために絡んでくるのかと思いきや…的が外れました。