たそがれ清兵衛


監督 山田洋次 出演 真田広之、宮沢りえ

太田市民(2003年4月27日)

なにを言いたかった映画なのか。★★★、妻が死んだら初恋の人が後妻に来てくれる夢をみろって か。登場人物って誇張されるよね。あんな人達はいないよね。腕が立つとか能力が無いといい女からは惚れられぬって事。取柄の無い人間には落ち込む映画だ。 夢が叶ってその後3年間幸せだった、と、良いじゃないか、3年間も幸せなら。その3年間を思ってSanta fe を再見。
mamako(2002年3月3日)
洋画しかみたことなくて、時代劇も嫌いだった私。
真田広之や宮沢りえにも興味なくてみる積もり無かったのに偶然見てしまった。でも、これが思いもよらず素晴らしかった。
俳優では特に真田さんがよかった。今までのスキャンダルが吹っ飛ぶほど。
りえさんは綺麗でイイ味出してたけどちょっと薄くて(演技も身体も)濃厚な真田さんの演技に対し物足りなかった。新人とかもっと他に女優はいなかったのか なあ。日本人にはよくても外国では受けないタイプ。
彼らにはもっとオリエンタルな美貌が神秘的でよいのだ。
別に趣向をあわせること無いけど日本人は自分たちのオリジナルな好さをもっと認識したり、自信持ったりした方がいいと思う。
NOB(2002年12月27日)
初めて、書かせていただきます。だれも、書いていないので、書きたくなりました。この映画を観 て、一番印象に残ったのは、田中泯という役者でした。彼が、画面に初めて登場したときから、人間ではないような暗さというか、体温のなさというか、異様な 存在感が漂いました。余吾善右衛門という愛するものを全て失った存在があってこそ初めて、清兵衛の愛の清清しさも浮かび上がってきたんだと思います。そう いう意味で、とっても重要な役であり、ここに田中泯という役者を配役できた山田洋次監督の手腕を感じました。彼が、出演していなかったら、随分と味わいの 薄い映画になったと思います。それに反して、岸恵子の場面と井上陽水の歌は、必要を感じませんでした。
SAmurai(★★★★)(2002年12月26日)
帰り道「ほんわか」とした気持ちになりました。
印象的だったのは、宮沢りえの演技。歳相応の役柄を、肩肘はらずに自然に演じている姿は、とても魅力的に映りました。そして小林稔侍もまたほほえましい。 いい味を出してました。両者ともに、今までそれほど好きな役者ではなかったのですが、今回の作品では、一押しの役者として「紹介したい」と思わせてくれま した。
日々の暮らしに疲れた時、是非この映画を見てみてください。
「ピンッ」と張り詰めた気持ちを、少し緩めてくれると思います。
「たそがれ」は、そんな映画に仕上がっていました。
son(2002年12月10日)
密かにブームを呼んでいる映画だと言うことで、確かに映画館はほぼ満席でした。『たそがれ』の言 葉通り、真田広之と宮沢りえの恋も最後の決闘シーンも、美しいたそがれの光と影の中で進んでいくのが観ていて気持ちよかったです。
個人的には、宮沢りえの存在が嬉しかった。同年代で、少女雑誌(セブンティーン)の表紙を飾っていた本当に輝いていた時代の彼女を知っているので(本当に きれいだった)この10年近くあまりにも女優という職業以外の『意味』が付きすぎてしまっていたのを残念に思っていました。これからまだまだ飛躍してほし いと願っています。
Tango(2002年12月1日)
★★★★
テーマは「家族愛」。山田洋二らしいといえばらしい。
主人公の清兵衛に仕える中間(寅さんなら蛾次郎の役どころか)までが家族の一員として愛情を持って描かれている。
役者ひとりひとりの演技に過不足がなくカットひとつひとつに無駄がない。
さらに役者の台詞がキチンと観客に届いていることも好感。
ただひとつ難を言えば主人公に上意討ちを命じる家老が「いかにも」憎々しげなところか。
うし(2002年11月26日)
★★★★
私、53歳の男性で、3人の子持ちですが、「阿弥陀堂だより」やこの映画などには癒されますね。ほんとに観客(読者)の的を絞った映画(本)だと思いま す。真田広之って、千葉真一のアクションクラブ出身にしてはいい役者になってきてるんですね。時代劇では真田、現代劇では役所の二人が大活躍です。ところ で、この映画は山田監督。なるほど山田さんらしい映画だなっとおもえますが、こうしてみるとつくづく、寅さんシリーズは幅のある映画だったなと感じ入りま す。悲劇ばかりじゃ観ていられないし、喜劇ばかりじゃ物足りない。この映画に物足りなさを感じるとしたら、山田さんお得意の喜劇的場面が盛り込めなかった ことじゃないでしょうか。
パンちゃん(★★★★)(2002年11月12日)
山田洋次は好きじゃないし、宮沢りえは好きじゃないし、時代劇というのも苦手だしなあ・・・。
で、なんとなく見たんだけれど。
おもしろかった。方言を話す武士というのがとても印象的だった。
時代劇では、農家の人間は方言(というか、なにやら泥臭い人工語)を話すけれど、武士は標準語を話していなかっただろうか。
舞台は東北。いわゆるずーずー弁。映画がどれくらいそれを再現しているのかわからないが、とてもリアルに感じられる。
このことばのリアルな感じは、武士の生活になるともっとリアル。
内職に虫かごを作っているというのも「傘はり」が武士の内職の定番と思っていただけにびっくり。
主人公の衣装のくたびれて汚れているところ、匂ってくるような感じも、時代劇といえば豪華な衣装という印象がある私にはおもしろかったし、ご飯を食べると きの最後の様子、お湯を茶碗に注いでたくあんで茶碗の内部を洗うようにこすって、そのあとその茶碗をケース(なんていうのだろう)にしまいこむところなど 新鮮だった。うーん、昔は、茶碗は洗わなかったのか・・・。
決闘前に刀を砥石で研いでいるところも驚きだった。
そうだよなあ、使っていない刀は研がないと錆びるよなあ。油(?)をつけて手入れするシーンがよく時代劇では登場するけれど、やはり人を切るとなったら刃 物は研ぐだろうなあ。
最後の決闘シーンもおもしろかったなあ。家の中で長い刀は最後は邪魔になるというのもおもしろいし、主人公が短刀つかいの名手というのもきちんと最後の伏 線に生かされるところなど、脚本もいいなあ。
主人公の真田と宮沢の恋も、その時代ふうでもあり、また現代風でもあり、おもしろいなあ。