ディアボロス--悪魔の扉--

監督 テイラー・ハックフォード 主演 アル・パチーノ、キアヌ・リーブス

POOKY(5月21日)
pooky@din.or.jp
自分の感想を送信したとき、ちょっと言葉が足りなかったかなーと思ったら、やっぱりそうでしたね。すみません。
「冒頭の数分でアル・パチーノの悪魔は単なるキャラクターにすぎず、この映画が比喩的な意味で悪魔だと主張するのは何なのか、分かってしまうんですね」これは私がかいた文章ですが、この意味はこの映画の最大のテーマは「悪魔」についてではなく、悪徳弁護士が象徴するような「人間」の問題についてであることが分かったということです。
この作品のテーマが何であるかについては議論の余地があるかもしれませんが、「虚栄心」という言葉がこの作品のテーマをよく表していたと思いました。
私は「ローズマリーの赤ちゃん」みたいな悪魔の存在そのものをテーマにした作品を望んでいたんです。
reinaさんの聖書に関する講義はとてもためになりました。
「悪魔が人間を試すことを神が許可することはあります」の部分です。
私が引用したゲーテの「ファウスト」でも、悪魔が人間を試すことを神が許可していると考えられそうですね。
(実際には「賭け」という言葉を使っていますが)
で、それと「ディアボロス」を無理矢理重ねあわせてみて、「ファウスト」の中での神と悪魔の両方の役割を、象徴的な意味でアルが演じたと言いたかったのです。
ストーリーの中で、アルが悪魔ではないと言いたかったのではありません。この点に関しては言葉が足りませんでした。
それに、私の誤解もありましたね。
一応合格したけど、また引っかかっちゃったという感じでしょうか。
もちろん、ストーリーの中でアルは本物の悪魔だと思います。
reina(5月19日)
reina@osula.com
採点簿にpookyさんの批評に対する反論してもいいですか?許してね。あと、まだ見てない人にはラストがばれるので、その旨ご了承ください。この映画、前にも書いたようにいろいろな解釈ができる映画だと思うのです。映画として気に入ったわけではないのですが、クリスチャンの私としては、映画の中で、神や悪魔の存在を語ってくれてる物は少ないので、そこが気に入りました。で、、「冒頭の数分でアル・パチーノの悪魔は単なるキャラクターにすぎず、この映画が比喩的な意味で悪魔だと主張するのは何なのか、分かってしまうんですね」とありますが、アルは本当は悪魔じゃないということですか?これは人によって考えが違うと思います。私は本物の悪魔だと思いますが、アルの体に乗り移っているだけかもしれません。また、神が悪魔を使って人間を試したと書いてありますが、これは聖書の教えに反します。悪魔が人間を試すことを神が許可することはあります(旧訳聖書ヨブ史参照)が、神は人間をそのように試されることはありません。それがキリスト教、ユダヤ教の教えであり、これらの教えが底辺にあるアメリカでは、アルは本当は神であったということはないと思いますけど。
あと、ケアヌ(彼の名前の正しい発音はケアヌなので。。。)はテストに合格したのでしょうか?最後のシーンで新聞記者がケアヌの事をレポートしたいというと最初は渋りながらもOKしますね。その後記者は悪魔に変わり"Vanity"と言います。vanityは人間を滅ぼします。ケアヌは又、悪魔の罠に引っかかってしまったのですね〜。最初は物欲、次は名声と悪魔は色々な手を使って人間を落としこもうとしてるんですね。私の友達はほとんど皆クリスチャンなので、この映画を見てもアルが本当は神に使われていたと見る人はいなかったので、とってもリフレッシングでした。
POOKY(5月18日)
pooky@din.or.jp
http://www.din.or.jp/~pooky/
映画を観る前に、アル・パチーノが悪魔を演じキアヌ・リーブスがその世界に引き込まれていく、ということがわかっているわけですが、冒頭の数分でアル・パチーノの悪魔は単なるキャラクターにすぎず、この映画が比喩的な意味で悪魔だと主張するのは何なのか、分かってしまうんですね。もともと説教じみた映画が嫌いなので、いきなりがっかりしてしまいました。
それでもストーリーに魅力があれば良かったんだけど、それはパンチャンと同意見というわけで、結局ほとんどの時間をキアヌとアルの鑑賞に費やしてしまい、この監督はアル・パチーノに悪魔を演じさせたかっただけじゃないの?とさえ思ってしまいました。
そう思うくらい、アル・パチーノは画面に出てくるだけで、悪魔としての存在感があります。だけど、最後の方のアルのオーバー・アクションな演技は、ああいうのはジャック・ニコルソンにやらせると地でやってるんじゃないの?っていう凄みと楽しさが感じられるんだけど、アル・パチーノがやるとうまくやろうとしてるようにしか感じられなくって、おもしろくないです。
演技のことはいいとしても、やっぱり悪魔に演説させたりしないで、同じ内容をストーリーや映像で語ってほしかったと思います。
特に、ラストは冗長なだけで何のおもしろみも感じられませんでした。
ところで、悪魔が言う「俺は人間のファンだ」で、なんとなくメフィストフェレスが思い起こされたので、この映画をゲーテの「ファウスト」と重ねあわせて解釈してみると、アル・パチーノは実は神で、悪魔の名を騙って(「ファウスト」では神は悪魔を利用する)キアヌをさんざんテストし、キアヌはそれに見事に合格した・・・ということになりますね。でも☆1こ。
パンちゃん(★)
うーん、宗教感覚が欠如しているためだろうか。なんとも、退屈な映画でした。はっきりいって、採点のしようがない。
キアヌの母が南部で宗教に凝っているところなんか、私などから見るとむしろ「悪魔的」というか「狂信的」な感じで、それが実際に「悪魔」と対面した時どうなるのか興味がありましたが、あっけないほどおざなりでした。
キアヌの野望と妻の孤独、孤独と狂気というのも、「悪魔」が介在する必要のないほど紋切り型でしたねえ。だいたい、大金(出世)と「悪魔」のとりあわせ自体が紋切り型です。そのために、裁判が非常にうすっぺらになり、キアヌの苦悩が明確に伝わって来ない。法廷の数学教師の指の動きなど、リアルなシーンがあるのに、一瞬でおわってしまって持続性がない。持続性のないものは、結局、真実を描くことができない。
さらに最後のエピソードに、私は、あぜんとしてしまった。アメリカは何だかんだといって「宗教」の国なのだ、と思ってしまった。最後のシーン数分間がなければ★二つなのですが、それがないと、たぶんアメリカでは公開されないのだろうなあ。
アル・パチーノの演技も嫌いだなあ。(このことについては日記にも書いています。そちらを読んでください。)
きりこ(4月18日)
yt0408@alpha-net.or.jp
「ディアボロス」の原題と邦題の差が話題になっていますね。
私はこの映画、まだ見ていないのですが、”ディアボロス”という言葉についてひとこと。
英語では悪魔は”devil”ではが、イタリア語では”diavolo”っていうんです。
だから、きっと”ディアボロス”って”悪魔”という意味なのではないでしょうか?
…でも、ところで、なんで”S”がつくのかなあ。
(同じ語源をもつ違う国の言葉かな?それともEnglish風の複数形に?)
まあ「和製英語」でないことは確かですね。
reina(4月16日)
reina@osula.com
でぃあぼろす?
こんな不思議な邦題になっていたんですね。。。確かにこの映画は11月頃見たようです。アメリカ便りの方の11月分に書いてありました。アメリカのタイトルは"The Devil's Advocate"です。私はクリスチャンなので聖書がたくさん出てきたかあまり気にならなかったんですけど、何か特別に聖書関係のご質問があったら聞いてください。私はラストシーンが好きです。何が起きたかはばらしませんけどね。とにかくずいぶん前に見たのであまり覚えてないんですけど、奥深い映画だったと思います。たとえば、アルパチーノは本当に悪魔なのか?それとも、欲に目が眩んで悪魔に乗り移られてしまっただけで元は人間なのか?とか。映画はクリスチャンの友達と見に行ったので、終わった後ディスカッション大会になってしまったんですが、本当に彼が悪魔なら、肉体を持つことができるのか?肉体がなかったら人間とセックスしたりできるわけ?う〜む。悪魔のアルが神はAbsentee landlordとか言ってませんでしたっけ?天を指差して、何か言ってたんですけど(忘れちゃった)、それが、だだこねてる子供のようで、いくら文句を言っても、しょせん彼は悪魔でしかなく、神には対抗できないんだ!みたいでよかったです。Keanuもがんばって演技してたし、Keanu対悪魔でKeanuが最終的にとった行動(何をしたかは言えません。。。)が良かったので、星4っつあげたいけど、麗奈さんは厳しいので3つ半かな?
MIKI(★★★★)(4月15日)
miki@ncinter.net
http://www.ncinter.net/~miki/
アメリカで去年の11月くらいに観た映画ですが、今でも鮮明に思い浮かべることができます。特に後半は迫力がありました。私は特にアルパチーノのファンではないので、彼のがみがみしたどなり声にちょっとうんざりの部分もあったけど、ファンには嬉しい響のようですね。
りりしくカムバックしたキアヌはハンサムです。この映画、滑稽になりがちな悪魔の設定をうまく演出し、行き着くところまで行ったあとの結末が・・・。どんでん返しで爽快でした。
ぱんちゃん、私のURLアドレスが変わりました。お時間があるときに、変更していただけますか。
どうぞよろしくお願い致します。
たまき(★★★★)(4月11日)
ekm63941@biglobe.ne.jp
アル・パチーノが大好きな私が、『ヒート』『天国の約束』以来、待って待って待ってやっと彼が本領発揮している映画に出会えて、なんとも嬉しい1本でした。
物語の根底に流れているテーマは、アメリカの裁判社会、宗教(神様VS悪魔)そして聖書です。散々アメリカの法廷ものを見ていても、「米国での裁判の進め方はやっぱりわからないなあ」といことに今回改めて気づきました。あと悪魔役のパチーノが随所で聖書の言葉を引用するのですが、それがまたどこまで嫌味を言っているのかよくわからなかった。(誰かに教えてもらわないと)
さて、大好きなアル・パチーノ様についてはもう本当に素晴らしく悪魔様でした。あの役をノーメイクで臨んだらしいのですが、聞いてびっくりです。彫りの深いお顔のせいでできる目の下の影と、いつものギョロ目&大声が効果満点!特に後半場面ではとても大きな声で話すので私のお腹にズシズシ響いてきました。彼は舞台人でもあるので、やっぱり腹式呼吸ができてるのねえ、なんて思ってしまった。フラメンコを踊っていたところなんてキュートですねえ。
最後に、宗教画の苦手な人には恐い映画ではないでしょうか。私は宗教画も現代アートによくある物が溶けるような絵も苦手なので、下手なサイコホラーより恐かったです。子供の頃にうなされた訳のわからない恐い夢を思い出しました。


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