小さな目撃者



パンちゃん(★★)(2001年3月22日)

アムステルダムには思い出がある。
電車の中か電停でカメラ入りのバッグ(愛人のもの)をなくした。
警察に届けたが、軽くあしらわれた。「そんなものは出て来ないよ」と言っている感じだった……。
うーん、その思い出がどうしても重なりますねえ。
警察の対応が、とてもリアルに感じられる。そう、この通り、と思ってしまう。
でも、それだけだった。
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サスペンスなのか、コメディーなのか、よくわからない。
何やら『ホーム・アローンatアムステルダム』という感じだなあ。
ケビン・クラインに似た犯人のドジさかげんや、ロックスターの味など、どうもサスペンスになりきれない。
障害者の出てくるサスペンスでは『暗くなるまで待って』が秀逸だが、それが秀逸なのは「障害者」の、「障害者」による世界というものが、一つの可能性(能 力)として発揮されていたからだと思う。オードリー・ヘップバーンは目が見えない。暗闇を生きている。犯人を暗闇に誘い込むことで対等になる、という工夫 があった。
この映画では、少女が話せない、ということが何の能力にもなっていない。ただ、不安をあおっているだけ。そして、その不安が深刻にならないように、随所に コメディーの要素を入れている。
どうもおもしろくない。
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まあ、みどころは、アムステルダムの町並みというか、あるいは、アムステルダムでのカーチェイスでしょうか。
こういう、見たことのないものを見ると、ちょっとだけ映画を見てよかったなあ、という気持ちになる。
ちゃんと市内電車(路面電車)がカーチェイスの鍵を握るところが、いいなあ、と思う。