チョ コレート


監督 マーク・フォスター 出演 ハル・ベリー、ビリー・ボブ・ソーントン

とみい(2003年8月25日)

これ、去年みてたら、1位。
まずはっきりさせておきたいのは、これってストーリー展開が大映とかがつくってたジェットコースタードラマ(例、もう誰も愛さない)とか、後期のタイミン グよく思いもかけない不幸が次々と襲ってくる「北の国から」みたいなもんで、冷静に考えるとむちゃくちゃであること。
でも、映画ってつくりもんだから、それでいいんです。
息子に自分の生き方を否定されたビリー・ボブ・ソーントンがやみくもに車を 走らせるときの風景が「トム・ソーヤの冒険」で見たような世界。その側を列になって歩く黒人労働者。ここのシーンって味があるなあ。
セックスシーンについてはパンちゃんと同じく、「覗いているやつ誰やろか」と疑問に思ったのですが、「鳥篭の中に縛られている二人」ということをあらわし たかったらしいです。
最後のハル・ベリーの表情から私が感じたのは「諦観」。
違う解釈をする人もいるだろうが、この表情はたぶん、監督が彼女に求めたものを超えていたと思った。
セックスシーンについては、ビリー・ボブ・ソーントンは元妻に対してもっとすごいことやっとるんやろうな、と感じて、期待ほどではなかったな(最近これ ばっか)。
ハル・ベリーの熱演に敬意を表して★★★★☆。
パンちゃん(★+★)(2002年10月14日)
うーん、暗くて嫌だなあ。
前半のドキュメンタリータッチも嫌だなあ。
映画なんだから、嘘でいいのに。
もっとハッピー恋愛が見たい。悲しみや絶望、そしてそれでもなおかつそれをこえて生きていく人間を描くなら、もっと他のストーリーの方がいいんじゃないだ ろうか。
唯一、セックスシーンはおもしろかった。
最初、男は女に背後から迫る。娼婦を相手にするときの習慣がそのまま出ている。相手の顔を見ない、感情の動きを見ない。ただ自分の欲望のままのセックス。
それが体位を変え、正面から向き合い、互いの動きを見つめながらセックスをする。
二度目の(?――男の家での)セックスは最初から顔を見詰め合っている。声をかけもする。
この変化の中に人間としてのいたわりがとてもよくあらわれている。
人間の変化をこんなに美しく、自然に描けるのなら、もう少し日常的な状況の中でストーリーを展開すればいいのに、と思ってしまう。
*
疑問がひとつ。
最初のセックスシーンで、映像が途中から「のぞき」の視点で描かれている。 窓越しに誰かがのぞいて見ているような映像になる。
しかし、それが後半とつながらない。
のぞいていた人間がストーリーに絡んでくるかと思ったが何も起こらない。
これは奇妙。
そして、このシーンの後の映像は、前半のドキュメンタリータッチとも違うなあ。
まるであとから取り直したような感じがする。
佐藤 基(★★★★)(2002 年10月5日)
タイトルとは裏腹にものすごくビターでヘビー。でも後味はスッキリしていて、もう一度食べて(観 て)みたい出来。(原題はMonster's Ball なんでも死刑執行人が処刑の前夜に行うパーティーの事らしい。でも邦題も結構ハマっていた)男女がお互いの秘密を胸の秘め、これから新しい人生を歩みだそ うという、ラストが印象に残る。特に、レイチェルがハンクの秘密を知ってしまい、混乱するものの、見つめる眼差しが観客の興味を掻き立てる。少なくとも敵 意ではないものの、どこか、ぼんやりとしていて、「許してあげようかな、私を大切にしてくれるのなら」とでも言いたげである。確かにハンクが、レイチェル に近づいたのは罪の意識からだったのだろうが、お互い自分の息子を失った共通点もあったのだろう。ハンクが彼女の名前でガソリンスタンドを開店する矢先、 お互い夜空を眺めながら、チョコレートアイスを食べ「俺達きっとうまくいくさ」のセリフが泣かせる。この時、お互いのわだかまりが、なくなったかのように 感じたからだ。今年のMUST SEEの1本です。にしても、ハル・ベリーのような美人だったら、あんな田舎町なんかに住まず、都会でモデルでもやればいいのにな?
Colles(2002年8 月18日)
☆☆☆☆
バーバーの主演、ビリーゥ椒屮ソーントンが、主演しています。
同じような、というのは少し乱暴ですが、同じような役どころですね。バーバーが楽しい人なら、この映画も楽しいのではないでしょうか。
あとは、みてのお楽しみ。