東京日和

監督 竹中直人 出演 竹中直人、中山美穂

Colles(★★★★)(5月8日)
colles@sam.hi-ho.ne.jp
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/colles/
このお話は、ストーリを伝えるものではなくて、たとえばシーン、シーンが一枚一枚写真で、写真の連作みたいなもののように感じます。
主人公の写真家にしてみれば、なんだかしらないけれどもうまくいかなった結婚生活があって、そして、どうにもならないままにそれは、おわってしまった。
そうした現在において、思いだしたくもないのに、いちいち思いだしてしまう、昔のことがらが、思いでだから、きれいなのか、本当にきれいだったのか、わからない・。
なにが正しくって、なにが悪かったかの・・。
私は、けっこうよかったと思います。
★が5つにならなかったのは、役者としての竹中直人があんましよくなかったからです。
桐田真輔(★★★)(11月4日)
kiri667@tky.3web.ne.jp
http://www.threeweb.ad.jp/~kiri667/
荒木氏の世界をベースにしながら別の「女性とはなに?」テーマの物語を作ろうとしたところに、どうも無理を感じてしまいました。この夫婦、夫は、写真家らしくないし、妻はキャリアウーマンとは思えない。写真の世界をかりて、きれいにまとめたという感じ。豪華配役は楽しめました。
パンちゃん(★)(11月14日)
最初の方の中山美穂が洗濯物を干すシーンは美しかった。写真に撮られるうれしさと恥じらいが輝いていて、ああ、荒木はこういう瞬間を写真に定着させたかったのか、と思った。
しかし、あとがひどい。ひどすぎる。ただ長いだけで、私は、この映画は本当に終わるのかと心配になってしまった。
何がひどいといって、竹中と中山の二人がなぜ一緒に生活しているのかわからない。(シーツを干すシーンではわかった気持ちになった。)
相手のいったいどこが気にいって一緒に生活しているのだ。おい、はっきり言ってみろ、ど、怒鳴りたくなるくらいだ。
それになあ、最初の方の神経質な「陽子」像を見ていたら、これは「千恵子抄」なのかな、という気持ちになる。
すると次に「飛蚊症」の様子が描かれ、耳鼻科の医者が、何かもっと危ない病気かもしれないような口ぶりで語ったときは「脳腫瘍」か何かかと思ってしまった。
うーん、病む女を懸命に支える男の話かな、と思っていると、「交通事故」。あ、「交通事故」で死んじゃうのか。と思っていると、まだまだ生きている。何だこれは、と思っていると、突然「子宮筋腫(だったっけ?)」で死んだと知らされる。
おーい、「子宮筋腫」の症状なんかどこに出てきたんだよ。
いったい全体「陽子」という人間がどういう人間なのかさっぱりわからん。
3日間、家出していて、どこにいたんでしょうねえ。
マンションの子供を「誘拐」まがいに連れ回して、その後マンションの人との関係はどうなったんでしょうねえ。どんな理由をつけて許されたんでしょうねえ。
まあ、ここまで脈絡もなく、いいかげんに撮ってしまうというのはどういう感性をしているんでしょうか。竹中直人という人は。
さらに、さらに、さらに、である。
二人が柳川へ行くシーン。柳川のシーン。行ったのは、確か7月6、7、8日のはず。そのころは梅雨で雨が降っているか、雨が降らなきゃ降らないで、むしむしする。それなのに、二人の格好。一方はワンピースにカーディガン。他方はダスターコートかレインコートか知らないが、コート姿。いったい誰がそんな格好で夏の九州を旅行するのだ。
私なんか蒸し暑さに弱いから、二人の格好を見ているだけで、気持ち悪くなって吐き気がしてしまったじゃないか。特にこの映画を見た11月14日は気温が高く、映画館では上着を脱いでカッター一枚で見ていたのだが、秋の終わりの私よりも厚着をして夏の九州をあるくなんて、おまえら赤道直下の国から旅行に来たのか、と怒りたくなった。
他の出演者も出演者ですねえ、こんなシーン必要なんですか?と誰か言わなかったのだろうか。
たとえば中島みゆきがママに扮したバーのシーン。あれは何のためにあったの? 単に中島みゆきの若作りの気持ち悪さをアピールするため?
国木田独歩を読んでいる男と「陽子」のめぐり合いは何のためにあったの? 国木田独歩という作家が存在することを知っていると告げるため?
山口美也子が無断で写真を撮っている、と絡むシーンは何のため? さらには芝居を見るために列を作っていると、ファンが荒木を発見しサインをねだるのは何のため? 荒木が有名人だと知らせるため? 荒木へのおべっか?
また、松たかこの演技もひどい。「いい写真ですね」はいいが、本当にそう思っているとは思えない。こいつはこんなにへたくそなのに、なぜ人気があるのだ。まったくわからん。こんなへたくそをつかう竹中直人の気持ちもわからん。
松たかこに媚をうっておけば、どっかから「引き」があるとでも思っているのか。何という屋号だったか忘れたが、「松たかこ」一家の力というのはそんなにすごいのか。どうしても媚をうらないことには芸能界を渡り歩くことができないような、ものすごいものなのか
伊藤潔人(★プラス半分)(11月16日)
kiyoto@big.or.jp
http://www4.big.or.jp/~kiyoto/
この映画って、お祭りですよね。
それなりに売れて、好きな映画も撮らしてもらえるようになったし、お金も結構使えるし、いろんな人が出る映画を一本撮っちゃおう、的な。
大まけにまけて、星1個半。
しかし、岩松了の脚本はひどいです。
熊野 新(★★★)(11月17日)
s.kuma@sisya.tohoku.ntt.co.jp
まず採点、ん〜、★★★
私はミポリンのファンなのでとりあえず星三つは無条件です。でもこれって反則?
内容は「陽子さん」の設定(状況かな?)がわからなかったので最後まで???で見てました。タイトル通りホンワカホンワカだったのでいいんじゃないですか?内容を追求するまでの映画ではないと思いますので・・・。
みさき たまゑ(★)(11月23日)
misaki@ceres.dti.ne.jp
東京日和採点表書き直しです
まず最初に陽子さんをああいうふうにちょっと、心を病んでいる人、夫を通してしか現実世界とかかわれない人として描いたのは、竹中の創作なのだが、そのことの必然性はどうなんだろう。
「それでも二人は深く愛し合っていたのだ」ということはわたしには伝わったから、まあいいのかもしれないが、陽子さんの人格を誤解する人も多いようで、心配してしまう。
それに荒木さんがエロ写真を撮る人だということも完全に抜けていた。
あんなにも女の裸を撮りながらモデルと何にもないわけがないし、それを陽子さんはどう思っていたか、そっちの方を存命中にファンは心配したものだった。「それでも二人は深く愛し合っているのだ」ということが、他の女のハダカの写真からも伝わってくるところが、荒木さんの天才たるゆえんなんだけどね。



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