ウェルカム・トゥ・サラエボ


監督 マイケル・ウィンターボトム 主演 スティーブン・ディレーン、ウディ・ハレルソン

養老 龍雄(9月15日)
yourou@hi-ho.ne.jp
http://www.hi-ho.ne.jp/yourou/
きりさんの文の中にあるとおり、僕もマイケル・ウィンターボトムは紛れもない天才であると思っている。これほど我々の内面の核心を震わせる映画を次々と作れる人はそうはいない。「ウェルカム・トゥ・サラエボ」は最初からその才能の一端を垣間見せる衝撃的な出だしだ。ヴァン・モリソンの明るいBGMと共に映し出されるタイトル。暗い作品を予想している観客をまず拍子抜けさせる。だがすぐ後、町の通りにはしゃいで飛び出してきた老女が突如射殺される。逃げ惑い家々に入り込む人々。一気にスクリーンに吸い込まれた。このシーンに始まり、最後まで高いテンションを保ちつつ、それでも変に教訓地味た感じは少しもない。まず真実を伝えようという姿勢があり、さらに人間の救いようのない脆さと残酷さも十二分に描かかれている。文句なしで★★★★★!!
きり(9月14日)
noriko@sec.cpg.sony.co.jp
まるで真実であるかのように思わせつつ、映画だと言うことを忘れさせない。
そんな映画だなぁと思った。パンフレットの、子役をやった子(エミラ)のコメントで、マイケル・ウィンターボトムは天才だと思う。というのが載っていたが、私もそう思う。そしてこれもまた!音楽が良かった。(私にとって、音楽が重要なポイントらしい)
★★★★+★3/4(思わず目を背けてしまったシーンが沢山あったから)
石橋 尚平(7月30日)
shohei@m4.people.or.jp
 ウィンターボトム=英国のオリバー・ストーン説があって、確かに公開された4本の映画の主題がばらばらながら、それぞれにセンセーショナルな狙いというか、あざとさがあるので、そう言われても仕方ないかなと思ったのですけど、この人の作品は映画館で観ればそうでないことがはっきりとわかります。私はまだこれとバタフライ・キス(★×5!)しか観てませんけど。この人の映画は感動させるよりまず感心させる映画です。なんかプロなんだな…。割り切りがあるんですね。映像はストーンと違って余分なものを描かないし、品がある。バタフライ・キスも寓話くさくて、ちょっと狙ったところもあるんだけど、実際に観てみると、実に品のある巧さでサラッと描いている。話も映像もくどくてあざといだけのストーン(でも最近コイツけっこう根性あると見直している…)と違って、映画を知っているなって感じがする。最初に映画があって、わざと題材にあざといものを選んでいるという気もします(結局、そこがあざといのかもしれませんけど)。時代の批判意識を煽るストーン、それにプロとして本気で戯れるウィンターボトム(マジに対峙してしまうカソビッツも私は好き)。例えば両親が死んだことを女の子に告げるシーンも、当たり前のことなんだけど、ちゃんと省略している。この当たり前のことがストーンにはできません。アメリカに住んでいた時、ひょんなことから祖国を逃れているクロアチア人のおばさんに、1回40ドルで部屋を掃除してもらっていたんですけど(おばさん、穏やかだけどやはりセルビア人を非難してた…)、日本に帰る時、不用品を譲りにおばさんのアパートに行ったことがあります。そこで見た娘さんが本当にいい目をしてたなぁ… ★★★☆
ayu(7月8日)
fukita@remus.dti.ne.jp http://www.ace.co.jp/net/fukita/
衝撃的な作品でした。見終わった後、言葉が出ませんでした。
いつもなら「さぁ、次はなにがおこるんだろう?わくわく」そんな思い出映画をみている私。しかし、この映画に限って「なにもおこらずにこのまま終わってほしい」そういう思いでいっぱいした。こんな思いで映画を見たのははじめてです。
「バタフライ・キス」私、大絶賛!生涯のベスト作品!「日陰ふたり」結構好きな作品。「GO NOW」うーん・・・。と、どんどん好みではなくなっていくマイケルウインターボトム監督作品。実はこの作品をみるにあたり、もしかして・・・と不安に思っておりました。
ところがどっこい!私的にはとんでもなく凄い作品でした。
私自信の中でさがりかけていたマイケルウインターボトムの株が、急激にUPしました。(ちょっと偉そうな私(笑))
この映画、とにかく見ていて疲れました。ヘトヘトになりました。
きっと生涯忘れられない作品になりそうです。
マイケルウインターボトム作品は見逃せない!