U-571


監督 ジョナサン・モストウ 出演 マシュー・マコノヒー、ハーベイ・カイテル、ビル・バクストン、ジョン・ボン・ジョヴィ

ミア(2001年4月13日)
★★★★
俳優陣の演技は見る価値あり。
ハーヴェイ・カイテル、ビル・パクストン。
この2人の存在感に関しては言うまでもなく。
マシュー・マコノヒーも頑張った。
ティム・ロス似の俳優(名前思い出せないや)も頑張った。
ジョン・ボン・ジョビも頑張った。
若い兵士役たちも、ドイツ軍の艦長も頑張った。
ただ残念なことに、互いの関係が希薄に描かれすぎた。
せっかくの演技も半減、キャラが孤立してしまった。
Uボートに逃げ込んだ後、タイラーの口から艦長やエメット(親友には見えなかった)のことが語られていたら。
タイラーが艦長として成長をとげていく上で、この2人の死に対してどう心の決着をつけるかは最初のステップのはず。
その部分に関して描写がなかったために、その後のタイラーの判断は単なる生き残りたい願望になってしまった気がする。
そこがあれば、タイラーの成長ももっと深みがあったのだが。
残念ながら、マコノヒーの演技でもカバーしきれず。
もったいないところ。
深追いせず、単なる戦争アクションものとして観れば、楽しめる映画ではないだろうか。
ケンイチ(2000年10月19日)
映画のに日1000円で見てきました。いやはや、逃げ場のない環境で、ドンドン悪い状況に陥っていく登場人物達。いやでねー。こんな目にだけは会いたくないです。U-571はエンターテーメントとして、映画館でのカタルシスが得られます。辻褄が合わないことがあったり、納得できないプロットもあるけど、これは娯楽作ですから許しましょう。
ひたすら状況が悪くなっていく不幸を画面と音でこれでもかこれでもかと煽ってくれます。結果としての逆転のカタルシス。ブラックなアトラクションとして良くできてます。
フライベートライアンといい、この映画といいアメリカ人のアイデンティティーが垣間見れます。仲間は少しでも傷ついたら大変で悲惨だけど、敵国人も人間であると言う事は無視して良いようです。戦争映画にはプロパガンダが潜んでいるのだから当たり前ですか。
私の父親は戦争体験者です。最近の戦争映画の主人公達が陥るシリアスな状況は、父親がなぜあのような人格になったのか理解の助けになるのは望外の収穫ですが。
それにしても、この頃既にアメリカには透明なビニールシートがあったんですね。映画の評価とは違いますが、こんな国に日本が勝てるわけなったですね。
★★★★
NEK(2000年10月14日)
★★★
この映画、マシュ―とカイテル以外のU‐571の乗組員が全然区別がつかないとか(ボンジョビって何処に出てたの?)、マシュ―の作戦が完全に行き当たりばったり(あんな風に綺麗に一直線に並んで浮かんで、しかも駆逐艦は攻撃を全く予想していない、なんて御都合的な事あるの…?)なのにカイテルが心酔しちゃうとか奇妙な点が一杯あるけど、最大の不満は「結局何が、何で原因なのか」が良くわからないという事なんじゃないでしょうか。
例えばマシュ―演じる副長はどうも「経験不足」らしいだけんど具体的にどう経験不足なのか、なにがきっかけでどう成長したのか、もそれぞれ1回ずつし描かれてなかった様な気が…。
まぁそんな事はどうだっていい、成長したかどうかなんてアチキを含め大半の観客にはどうだって良い事なんだから。
けど何であんなムチャクチャな作戦をしなきゃならんのだという点に関しては出だしのテロップだけだったよなー。一体「エニグマ」とはどこがどう具体的に凄いのか、どうしてそれを盗まなきゃならないのかが唯の「軍事機密」としか描かれていないので、ハッキリ言ってこれに必死になって従事しているマシュ―達がただのピエロに見えてくる。
それにエニグマは実際には1940年にイギリス軍が奪取し、解読した筈だ(解読メンバーの1人にアラン・チューリングがいたんだっけ?)
それを知っている筈なのに「英霊に捧ぐ」なんてやりゃ―、イギリスは怒るよな。だって脚色じゃなくてこれは捏造じゃん
Colles(2000年10月10日)
☆☆
TV-CMで「敵からも味方からも追われる」というようなことを、言ってたので、そういうサスペンスを期待していたのに、実際にはそういったことがなく、つまらなかった。
脚本は、U-571をのっとるまでが、一苦労。
そのためにバッテリとエンジンをこわしてしまうのもがっかり。
U-571がドイツの潜水艦や駆逐艦と戦うシーンは、互いにどうやって敵の位置を調べているのか描写がなく、あてずっぽうに攻撃しているようにしか見えなかった。
もうすこし、どういう意志決定をしているのか、丁寧に描いてほしかった。
(2000年9月28日)
http://www.d1.dion.ne.jp/~goronyan
ご承知だと思いますが、題名の U−571というのは第二次世界大戦時のドイツの最新鋭潜水艦の名称です。
この映画を観たのは、二泊三日・北海道東の旅から帰ってきた次の日の試写会で、クタクタだった。
物語の5分の2くらいまで 半分夢心地・うつらうつら状態で観ていた。
ここから ネタばれです。
そう・・・・あの連合軍艦が爆破されるまでは・・・・・
それから 物語は急展開してがぜん面白くなった。
「Uボート」は未見なので 潜水艦ものを観るのは多分はじめて。 その映像・迫力満点 音・ゆれ・一秒を争う緊張感・ハラハラドキドキ・・それだけで十分楽しめる。 そういう意味で、最近の『Mi−2』や『パーフェクトストーム』より 面白かった。
潜水艦 VS 駆逐艦の戦闘?の面白さ、 それにマシュー・マコノヒーの成長物語?が組み込んであるのだけれど、なぜか 彼が今一つ魅力がなかった。
役柄としては、ハーベイ・カイテルや 一人修理に回っていた男の子(他の映画にもちょくちょく出ているのだけれど名前を把握していない)やマコノヒーにさからう若い男の子達が いい味を出していた。
映画は娯楽としては 確かに面白かった。
けれどラストのUボートを離れゴムボートで脱出するシーンで それまでの興奮がいっぺんに醒めてしまった。
・・・そうだった・・・
”すぐれた独の暗号機を奪い、独の暗号通信を解読できるようにする”というのが 彼らに出された使命=重大な任務 だったのだ・・・
ゴムボートにはしっかりと 暗号機が積まれていた。
いったい誰の為に なんの為に 何人もの命が落とされたのだろう・・・?
駆逐艦が撃沈された事で 遅かれ早かれ、独はすぐ暗号を変えるに違いない。 いったい何日分の通信解読の為に暗号機を奪取する必要があったのだろう?
いや それ以前に なんの為の 誰のためのミッションだったのだろう・・・?
映画の中で ”彼に助けてもらうんだ” というセリフが出てきて 結構感動してしまうけれどあんな若い青年が、ひとつのモノとして簡単に扱われ ボロくずのように命を落として行く・・
そんな「戦争」の「映画」だということを 思い起こさなければいけない。
エンディングロール直前、”この映画を・・・・に捧げる” というテロップが流れる。
そんな鎮魂歌ですむことではない。ということを 肝に銘じなければ、この映画も戦争賛美の映画になってしまうだろう。
★★☆
帰って来たふむふむ(2000年9月21日)
戦争映画は、どうしてこうひきつけるのだろう。
生死がエンターティメント化されている、という批判はあるだろうけど、避けては通れない、それが具象化された形で押し出されるからだろうか。
重要な主役陣の死が、ていねいに描かれる中で、無数の敵役が十把一からげに海底に沈んでいく。
どちらも家族と思い出をかかえながら。
そんなことを感じさせるものが、この種の映画にはあるのかもしれない。ストーリー、エピソードともに出色。(主役のエピソードの絡ませ方は「ホワイトアウト」に見習わせたいくらいだ)。
見てお得の一本。★★★★
しーくん(★★★★)(2000年9月13日)
『60セカンズ』とどちらを観るか迷ったが、製作者の名前を見てこちらに決めた(笑)。しかし、こちらがブラッカイマーが製作したんじゃないの?と思うくらい、いわゆる“やかましくて派手な映画”だった・・・ハハハッ。とりあえず2時間を全然退屈しないだけでも、星4つの価値はあると思います。それと、これから見に行く方は絶対に音響の良い劇場で観てください。私が観た劇場は音響設備が最高の所だったので、大爆発と共に壁がビリビリ音をたて、椅子に振動が伝わってきて、正に潜水艦の中にいるような状態でした。特に爆雷の投下シーンは(2シーン有ります)、乗組員と同じように身構えたほどでした。観終わってからメイキングのビデオを見たのですが、余計なセリフは全て削ぎ落として、いわゆるノンストップ映画にしたかったみたいです。確かにそのねらい通りの作品に仕上がった事は間違いありません。但し、満足度が今1歩だったのも事実です。何が原因でしょう?1つは、服部さんのHPにも書いてある通りに、音楽がでしゃばり過ぎている。特に戦闘シーンでの音楽は耳障りだった。音楽がその場を盛り上げると決めすぎてはいないだろうか?もう1つは、こういった映画の宿命なのかもしれないが、登場人物の印象の薄さだ。主演のマコノヒーは、自分の性格(?)の為になかなか艦長に昇進できない。そのマコノヒー演じるタイラーが“にわか艦長”になり、人間的な成長を描くのがこの作品のもう1つのポイントだろうが、この辺がうまく描ききれていないような気がする。私は、マコノヒーよりもカイテルやU−571の艦長の方が印象に残った。それと、爆雷から逃れる為に、危険水深以上にもぐるシーンがあるが、あそこはもうちょっと演出を工夫すれば、ハラハラドキドキのシーンになったのに、わざわざカイテルが深度を報告してくれて、おまけに「たいしたもんだよ」なんてセリフをはくから、次がどんなシーンになるか解ってしまう。どうして、このシーンのセリフは削ぎ落とさなかったのだろう?あそこは、画像だけのほうが緊張感が増したはずだ(当然BGMは無し)。まあ、色々と注文もあったが、久々にアクション大作を観たなっていうのが素直な感想。カメラアングルが海面スレスレから、まるで観客も乗員になったように海底に潜っていくシーンがあったが、ここが私の1番のお気に入りでした。最初に書きましたが、この作品はビデオだと迫力が半分どころか、10分の1ぐらいになってしまうと思うので、是非劇場でご覧になることをお奨めします。それにしても最後の駆逐艦の大爆破は、なんであんなにトホホになったの?(予算オーバー?)
パンちゃん(★★★)(2000年9月10日)
この映画が一風変わっているのは、単なる戦争映画というよりも、マシュー・マコルヒーが演じる大尉の成長物語という面があるためだろう。
そこがおもしろいといえばいえるし、成長物語があまりにも形式通りといえばいえるし。
ただ、潜水艦の内部の濃密な空気、というのは『Uボート』には遠く及びませんねえ。『Uボート』は何だかスクリーンを見ていても、息をひそめないといけないんじゃないかと思うくらい、つらーい映画で、そのつらさが快感でしたねえ。
それにしても……。
あの人たち、全員、潜水艦の乗組員でしょ?
外国の潜水艦に乗り込むと、その操作を、いちいち文字を読まないとできないんだろうか?
書いてある文字が「ドイツ語だ」と大慌てするところが、どうにも納得がゆかてい。
いくら情報が乏しい時代、相手の潜水艦の構造が正確にわからないにしろ、そんなもの、潜水艦の乗組員だったら、見当がつくんじゃないだろうか。
ほら、潜望鏡なんか、なんのためらいもなく(これが潜望鏡か、というような会話などせずに)、操作していたでしょ?
それに、どんなことばを使うのか知らないけれど、だいたい英語とドイツ語は似ているし、もし、そこに何か書いてあるのなら、それを読めば見当もつくはずだ。テクノロジーのことばというのは世界共通だ。多少違っていても非常に似ていることが多いはずだ。
これって、ただ単にアメリカ人の観客をバカにしているだけのことなのかもしれないけれど、こんな「嘘」を並べて緊迫感をあおるやり方は嫌いだなあ。
私は噴き出しそうになってしまったよ。