ユナイテッド・トラッシュ


いぐち(10月23日)
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10月17日(土)・20:40・扇町ミュージアムスクエア(大阪)・15人くらい    マイナー映画紹介の時間がやって参りました。ここまでくるとアングラとかカルトとか言いたくなるけど、アングラと呼ぶには暗さがなく、カルトと呼ぶほどの求心力もありません。監督のクリストフ・シュリンゲンジーフについては、去年あたりに「ドイツチェーンソー大量虐殺」「テロ2000年集中治療室」という映画が日本に来ていて、かなり表現がエグイらしいと言うことで是非とも観たかったんだけど逃してしまい、これが初顔合わせになります。ドイツの監督といえば最近では、「死の王」のユルグ・ゲットブライトという屍体好きの人がちょっとした話題ですが、クリストフさんもその筋ではなかなか評判の人らしいです。ドイツの怪しげなゲログロ映画で主演がウド・キアーというのがまたいかにもな感じで好感が持てます。ウド・キアーといえば日本では歯ブラシのCMで奥菜恵と共演してその2枚目ぶりを見せていますが、映画ではラース・フォン・トリアー監督の「キングダム」が有名です。Tでは物語のかぎを握る過去の人物として登場し、ラストで転生して妊婦の股間から産声を上げながら出てくるという役を、Uではそのまま過去から生き続ける悪霊と異常な速さで異常な大きさに成長する子供の二役を演じていました。今回の映画ではアフリカの小国に国連から派遣された司令官で、同性愛者というのはともかくその他もろもろの部分で変態という役です。アメリカ人の妻がいるけどSEXする様子はなく、でもなぜか妊娠して、なぜか黒人の子供が産まれます。駐屯している村にはバチカンから破門されたアンチ・キリストの牧師がいて、その子供を布教活動のシンボルにすべく接近します。その国の独裁者は大陸間弾道弾をつくってホワイトハウスに打ち込もうと企んでいます。ミサイルの開発担当の科学者ももちろんイカレてて、ミサイルの推進力(燃料)は人間です。ミサイルには独裁者自らが乗り込み打ち上げられます。何か色々と風刺するものがあるのですが、ぶっ飛びすぎてて読み切れません。(そこをきっちり分析するのが映画批評というものなのでしょうけど。)タイトル通りのトラッシュムービーのようでもありますが、妙に演出がしっかりしていて退屈しないし、突き抜けた明るさのようなものがあります。前2作のホラー映画がますます観たくなりました。ということで★★。でも人には決して薦めません。