A.I.


クロトー(2001年11月25日)
 ‥‥すみません、今日初めてここを発見しまして、あまりに面白かったので、ちょっと古い話をアップさせていただきます。(無視して下さい)これからもちょくちょく覗いてみます。
 時は2029年。地球の温暖化により極地の氷が溶け、水位の上昇により、地球の殆どの大都市は海面下に水没、高地に逃れた人類は深刻な食糧難に直面‥‥ と云う所はスピルバーグ版と同じ(演出は違うのよ)なので省略。
 一人息子マーティンが治療不能の難病で冷凍されたヘンリーとモニカ夫妻が、「愛」をインプットされたロボット、デイヴィッドを貰い受ける(ここも同じ)。
 さて、このお父さんヘンリー、実は作家志望という隠れた夢があり、それなりに注目されてはいるわけね。その年も彼の作品が国際芥川賞の候補になるのだけど、国際的大作家、そして国際芥川賞選考委員でもある、某古井由吉子というおばはんと一緒に酒を飲む事になる(ホントはヘンリーは禁酒してるのだけど、これは又とない機会だから特別)。
 その酒の席で、某古井由吉子はヘンリーに、「私の言う事を聞かないと国際芥川賞は一生獲れないよ」と言いながら、ヘンリーのズボンのチャックをジーッと下ろし、その中に手を侵入させる。
 さながら彼の文体、いや、彼女の文体を思わせる、ネチッコイ旧仮名遣い風の指先の動きに内臓まで鳥肌立つヘンリーであったが、同席していた某国際新潮社の編集者も、止めようともせずに見て見ぬ振りをしている。
 一瞬全てを忘れ、手に振れる物全てをなぎはらって外に飛び出たヘンリーであったが、冷静に考えれば、彼の作家としての将来は、その瞬間に全て絶たれたのであった。
 絶望に打ちひしがれたヘンリーは国際ゴールデン街で一人朝までヘベレケに飲み、自分の存在の痕跡を全て消し去るために自宅に戻る。その右手には巨大なオノが。
 彼は自宅のドアをオノでぶち壊し、「モニカ〜、今帰ったよ〜。」
 逃げるディヴィッドとモニカ。しかし、ここはアルコールで思考回路の鈍ったヘンリーよりは、最新知能回路の組み込まれたディヴィッドの勝ち。狂気に取り憑かれたヘンリーはそのまま地獄行き。残されたモニカとディヴィッドは、いつまでも二人で生きて行くことを誓い合う。
 所がその時、マーティンが奇蹟的に回復し、家に戻ってくるのだ。
 モニカの愛を勝ち取るため、ディヴィッドとマーティンの間に激しいライバル意識が生まれる。一触即発の状態に耐え切れなくなったディヴィッドとマーティンは、銃による決闘で決着を着けることにする。
 マーティンの撃った弾はディヴィッドにかすりもせず遠く外れ、ディヴィッドの銃声と共にマーティンは地に倒れる。
 ‥‥少々計算能力に難点のあるディヴィッド、この時初めて自分が『ロボット三原則』を破った事に気付き、マーティンを抱きながら泣き崩れるモニカを後に、後先も考えずに逃亡の旅に出る。
 さて、この決闘、ディヴィッドを追い出すためにマーティンとモニカが仕組んだ芝居、ディヴィッドの撃った銃は空砲だったという事にも、計算能力に難点のあるディヴィッドが気付くはずもなかったのだが。
 逃走の途中に、やはり殺人事件に絡んで逃走中の、ロボットジゴロのジョーといっしょになったディヴィッドだが、いささかながらロボット暮しにも嫌気がさし、ちゃんとした人間になって、もう一度モニカの愛を得たい、との夢は肥大するばかり。
 そんなディヴィッドに同情したジョーは、彼をルージュシティに連れて行く。
 ここでジョーとはぐれてしまったディヴィッド、人間たちの秘密乱交パーティーに紛れ込んでしまい、人間の隠された本性をまのあたりにし、空前絶後の混乱を覚える。さて、あるオヤジ(私ではない)に、人間と間違えられて密室に連れ込まれたデヴィッド、ロボットであることがバレてしまう。(だって、そういうふうにつくられていなかったからネ。)
 皆の前で糾弾され、危うく解体されようとしたディヴィッドを救ったのは、やはり人間のふりをして潜入していた娼婦ロボットの自己犠牲であった。
 やっとルージュシティから抜けだし、ジョーとも再会したディヴィッドは、いったいロボットと人間、どちらの愛情がより深いのか、疑問に悩むのであった。
 この経緯をジョーに話すと、ジョーは「じゃ、帰ってファックしよう」と、いきなりディヴィッドの下半身を改造、ディヴィッドはジョーのお稚児さんとなったのであります。以後、デヴィッドの主食はこんにゃくになるのだが、これは本筋とは無関係。
 ルージュシティで得たヒントを素に、水没したマンハッタンに辿り着いたディヴィッドとジョーを待っていたのは、ディヴィッドの生みの親、ホビー博士の狂気に蝕まれた姿であった。デイヴィッドの姿を見て錯乱したホビー博士は、「ロボットに人間の体液が汚染される」と喚きながら、全世界の部下に、ロボット抹殺令を発布して自殺する。
 ここにロボット対人類の長い長い戦いが始まるのだが、これ以後のロボットは、人類と見た目の区別をつけるために、全て猿型となるのだが、これは又別の話。
 ‥‥なぜかまた陸地に舞い戻ったディヴィッドとジョー、反人類の過激派ロボット集団につかまり、「愛」を「憎しみ」に変えるための徹底した洗脳を受ける。
 その後、ロボットの兵学校に送られて、スパルタ的訓練を受けるディヴィッドとジョーだが、訓練について行けなかったジョーは教官を破壊して自爆、デイヴィッドは、この世でたった一人の友を失うのであった。
 戦地に送られゲリラ戦を展開するディヴィッドたちの前に、凄腕の姿の見えないスナイパーが立ち塞がる。この極地戦でそのスナイパーを倒さなければ、ディヴィッドたちの未来はない。
 人間への憎しみに洗脳されたディヴィッド、勇敢に敵と正面から戦い、そのスナイパーを倒す。しかし、そのスナイパーはなんと、モニカその人であった。
 その瞬間、ディヴィッドの回路を汚染していた「洗脳プログラム」はその効力を失い、ディヴィッドの心はモニカへの追憶の念と愛情で満たされ、汚濁にあふれたこの世界から逃れるために、ディヴィッドは、今は亡きモニカを求めて、ただ一人軍隊のヘリコプターで空高く飛び立つ。
 どこまでもどこまでも高く飛び立ったヘリは、いつしか大きな光の波に飲み込まれ、その光を通り過ぎた時、ディヴィッドは、自分が古風なホテルの部屋のような場所に居る事に気がつく。
 時間の感覚のないまま、いつしかディヴィッドの機能は停止する。
 その時、ディヴィッドは、宇宙空間の只中にまさしく人間の胎児として再生する。
 ディヴィッドは人間の子としてこの世界に誕生する。
 しかも、モニカの子として。
 しかも、マーティンとして。
 ‥‥‥おしまい。
*****************************
 えっと、ディヴィッドがルージュ・シティの「湯家」で働く「宮崎駿」版、それから、氷河に包まれたマンハッタンで、いつまでも青の妖精の氷の彫刻を作り続ける「ティム・バートン」版などの別ヴァージョンもありますが。
パンちゃん(2001年6月30日)
かわいらしいオスメント少年ロボットは、成長抑制ホルモンの注射によって幼い姿のまま両親にかわいがられていたのですが、ある日、本物の子供がオスメント少年がかわいがられていることに嫉妬し、成長抑制ホルモンを隠してしまいます。
オスメント少年は思春期になり、邪悪な欲望も覚え、かわいらしさが徐々に消えていく。
両親は、オスメント少年がこのまま生きつづければ、自分の子供に悪影響をあたえるのではないか、家庭を破壊してしまうのではないか、と恐れ、捨ててしまう。
捨てられたオスメント少年はさらに成長し、ジュード・ロウになって、ジゴロ・ロボットになる。
彼はセックス技術を磨きに磨く。
彼は復讐の欲望に取り付かれている。
自分を捨てた母、あんなに愛していた母を、今度は自分がセックスでとりこにし、家庭争議の種をまきちらし、父親とも子供ともばらばらになってしまったら、最後に、その母を捨てるのだ。
実は、俺はおまえに捨てられたオスメント少年の成長したジゴロロボットだ、おまえに復讐するためにセックス技術を磨いたのだ、ざまをみろ、という捨て台詞をはいて、ジゴロ養成学校の人間実験用に売り飛ばすのだ。
というわけで、これは、ロボットをないがしろにしてはいけないという怖い怖い近未来の物語です。




あなたの「リメイク」アイディアを教えて下さい。
下欄のアンケートでお願いします。

あなたのお名前をどうぞ(省略不可)

あなたのE-mailアドレスをどうぞ(省略不可)

あなたのURLをどうぞ(省略可)

映画のタイトルをどうぞ(省略不可)

メッセージをどうぞ(省略不可)

内容を確認して、よろしければ送信をクリックしてください。



メールでも受け付けています。「タイトル」を書いて送ってください。 E-mail:panchan@mars.dtinet.or.jp


リメイクコーナー 目次
フロントページ