新撰組


NEK(2001年6月24日)

★★+★
 もとアニメーターだった市川崑監督が、久々にアニメを撮ったと言う事で、上映環境最低な映画館に足を運んだんですな。タイトルからして新撰組がテーマだそうです。大失敗作だったらしい『火の鳥』のリベンジを狙って手塚治虫の『新撰組』でもやるんでしょうか?それとも何年か前に少年ジャンプでやってた『るろうに剣真』でもやるんでしょうか?期待と不安(どっちかと言えば後者)が混じりながら映画が始まります。
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 こ、これは!手塚治虫じゃありません!ましてや剣真なんざ出てきません。これ黒鉄ヒロシじゃないですか!
 ついでに言えばこれ絵が動きません。発砲スチロールの板切れに黒鉄先生の絵がはっつけて、それを割り箸かなんかにつけて動かしているだけです。これアニメって言うより人形劇なんじゃないんですか?それともこれは「全てのキャラクターは記号である」とか言う手塚先生へのオマージュなんでしょうか? *
 まぁどちらかと言えば原作をマンマなぞっているだけの展開ですし、最後もなんか尻切れトンボ臭い終わり方しちゃいます(土方の最後を描かなかったのはNHK『その時歴史が動いた』に対する伏線ですか?)。
 画面構成も最初オッ!と思うんですが如何せん30分もすると飽きてくる。ここらへんは市川監督の年齢から来る衰えなんでしょうか?それとも某TVアニメのエンディングでこんなヤツを見せられたから飽きちゃったんでしょうか。
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 ナーンテ不満もあるんですが開始10分も過ぎると不満よか、面白さの方が優勢になります。
 原作は新撰組を題材にした漫画のなかでも、かなり入念なリサーチと黒鉄ヒロシ独特のユーモア感覚溢れる展開と、絵柄で、個人的には水木しげるの『近藤勇』と並んでかなりの佳作の部類に入っている漫画でした。
 その原作の良さに助けられている部分もあるのですが、何といっても素晴らしいのが豪華声優陣。記号に過ぎないキャラクターに命を与える事に成功しています。

 石橋蓮司や岸田今日子、石坂浩ニ、江守徹が上手いのは判っていました。石橋蓮司がやってたラジオドラマ『封神演義』の太公望なんか最高でしたし、岸田今日子が人形アニメでやった眠り姫は大変色っぽかったです。石坂浩ニは勿論ウルトラQ、江守徹は銀河鉄道999でダース・ベイダーもどきで未だにオタクの心をくぎ付けにしています。
 でも中村敦夫の粗にして野なれど卑に有らぬ近藤勇。中井貴一のチョット嫌味な土方歳三なんかは思わぬ拾い物。実に雰囲気だしておりキャラに命を吹き込む事に成功しています。
 前述した様にマンマ原作の世界でアレンジなんか皆無です。映画でこれ見る価値があるのかって言われると疑問が残りますが、ビデオレンタルかNHKあたりで近日中に見れるので彼らの名演技を堪能したい人は見ても損はないんじゃないんでしょうか?私自身チケットショップ使って600円で見れましたし。


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