ファイト・クラブ


パンちゃん(1999年10月31日)(追加書き込み)
ブラッド・ピットがエドワート・ノートンに向かって「俺を殴れ」と言う。それに対して、エドワート・ノートンが「What?(何て言った?)」ではなくて「Why?(なぜ?)」と問う方の予告編を見た。かなり内容がわかるようになっている。
どうやら「暴力」を通して「人間性」を回復することを試みる映画らしい。その過程で、ある逸脱も起きる。そのことによって「人間」というものが、よりあからさまになってくる。
これは見方によっては、バタイユが描こうとした世界に似ているかもしれない。
ただブラッド・ピットを主役にすることによって、「暴力」のなかに甘さが出てくるのではないか。「甘さ」ではなく、「温かさ」が出てくるようなら、かなり哲学的な興奮を味わえる傑作になる可能性がある。「温かさ」ではなく「甘さ」が出てくるようなら凡作だろう。
エドワート・ノートンが絡むことで、一種の「苦み」が出てくるような感じだが、その「苦み」が「甘味」を中和することに期待したい。
*
この作品で、ブラッド・ピットは『セブン』に帰るのではなく、『リバー・ランズ・スルー・イット』にまで立ち戻るようだ。
ロバート・レッドフォードの眼力を、急に見せつけられたような思いがする予告編だった。
パンちゃん(1999年10月24日)(★★+★)
『ジョー・ブラックをよろしく』から一転して、ブラッド・ピットは今度は男向けに「色」を売っている感じ。
暴力と秘密と結託。
本当の「美貌」は血がよく似合う。血とか傷とかが、美貌を傷つけることで、その美の壮絶さを逆に浮かび上がらせる。ブラッド・ピットの場合、血は似合わない。この映画で血を流すかどうかわからないが、たぶん流さないだろう。そのかわりに汗を流すと思う。汗が埃を肌にからみつかせ、どんどん汚れていく。で、その奥から何があらわれてくるかというと、「美貌」ではなく、肉体の温かさだ。「温かさ」などというものはどこかうさん臭い感じがつきまとうが、そのうさん臭さをブラッド・ピットは魅力の一つに加えたいのだろう。そうしたものを押し出そうとした映画だろうと想像できる予告編である。(ただ、ブラッド・ピット自体はうさん臭さだけで売れるほどの奥行きがないように思う。女向けに売っている「色」の部分が邪魔をしているのだろう。)
うさん臭さを押し出そうとしているのはブラッド・ピットの肉体だけではなく、途中に出てくる巨大な球体とか、最後に突然アップになる「ファイトクラブ」の文字が浮き彫りになった石鹸とかも非常にうさん臭い。(まさか本編でも「カタカナ」ってことはないだろうなあ。)奇をてらっている。
しかしなあ、いったいブラッド・ピットは女向けに「色」を売るのか、男向けに「色」を売るのか、どうも路線を決めかねているようだ。
一色に染まるのを避けて様々な役に挑戦しているというよりは、自分で自分がわからないような役選びのような気がする。はやくどっちにするか決めないと、どっちつかずになって、その他大勢に埋もれかねないぞ。
★一個の追加はエドワート・ノートンに。気弱さとへこたれなさを同居させた笑顔の奥で、この俳優は何を考えているのだろうか。
この映画がビデオ・ショップに並ぶころには、「ブラッド・ピット+エドワート・ノートン」ではなく「エドワート・ノートン+ブラッド・ピット」になっているかもしれない。
*
そう言えば、『ラウンダーズ』は、予告編をかなり昔に見た記憶が……。
でも、本編はどこへ??
jean(1999年10月8日)
jean@pop21.odn.ne.jp
主演がブラッド・ピット、エドワード・ノートン、監督はたしか、「セブン」のデビッド・フィンチャー。
でも何なんだろ、ファイトクラブって。予告編を見る限りでは、何の説明もないし、何の映画かさっぱり分からない。
でも、そこが面白い。突然画面に大写しになる「ファイト・クラブ」ってカタカナが彫ってある石鹸(だったと思う)も、訳が分かんなくていい。
エドワード・ノートンがまた、どんなキレた演技を見せてくれるのかも、期待できそうです。「ラウンダーズ」も見たかったんだけど、予告編だけ流しておいて、さっぱり上映してくれません。待ってるのにー。
(星は3つ。あんまり説明しないのが面白いです)

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