エジプト航空国内線の話し

エジプト国内の観光に欠かせないのが、エジプト航空の国内線です。物価の安いエジプトにあって、カイロ〜ルクソールやアブシンベル間の国内線の運賃は300から400ドルと、日本並かそれ以上の値段がします。利用するのはほとんど全員が遺跡を見に行く観光客(というか遺跡のまわりに空港がある)ということで、まさにエジプト航空のドル箱路線といわれているほどです。この写真は朝4:30くらいの国内線の搭乗口です。遺跡に向かう観光客でごった返しています。手前に座っているのは日本人のようですね。観光大国エジプトならではの光景だと思いました。

   エジプト航空の内装はなかなかです。エジプトについて本を読んだことがある人は、あーなるほどと思うかも知れません。まず、左のシートベルトのバックルはハヤブサの頭を持った天空の神、「ホルス神」です。航空会社だけにうなずけますよね。
 右の写真はもう少し凝っています。一つ一つの模様を見ていただいて、真ん中の虫のようなものは、フンコロガシです。古代エジプトでは、糞を丸くころがすフンコロガシは創造神として太陽神ラーと同一視されていました。そしてまわりの羽根は、エジプトではこれも神を表すモチーフとして有名で、王墓などでは良く見られるものです。そしてそのしたにある人型のようなものは、「生命の鍵」といって来世への扉を開く鍵として良く壁画に描かれています。

 この飛行機に乗る旅行者は、壁紙やバックルを見て、古代エジプトロマンに浸れる(のは、わたしだけかも)という、なかなかしゃれた演出でした。


 アブシンベルからアスワンの搭乗券。フライトナンバー、行く先、席番号ともに空欄です。全席自由なんて、バスみたい。まあ、観光客しか乗っていないし、観光バスならぬ観光飛行機という感覚なんでしょう。


このコラムはおしまい。どうぞ、この窓は消しちゃってください。