遠いコンサート・ホールの彼方へ!
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大野和士指揮 東京フィルハーモニー


2000年1月21日 オーチャード・ホール 19時開演

曲目

後藤 英:レゾナンスII

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 op.40

リーム:影と流れ
−後奏と前奏
(東京フィルハーモニー・北ドイツ放送交響楽団 共同委嘱作品・世界初演)

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

演奏

ピアノ:ホアキン・アチュカロ(ラフマニノフ)
指揮:大野和士
管弦楽:東京フィルハーモニー



オーチャードは相変わらず惨い響きであった


後藤 英:レゾンナスII
IRCAM系の作品であることが如実わかる時点で興味を失った。この手の作品はそれこそお高い白い紙ケースに入ったCDやサーリアホだの野平だののCDで聞き飽きているので、何かしらの「工夫」とそこを付き抜けた何かがなければ、正直いらない。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番
パス。寝ていました。ただアンコールのアチュカロのアルベニス(イベリア)はよござんした。

リーム:影と流れ
当日の解説は、北ドイツ放送交響楽団における解説「あらかじめ分かっていることなど何もない」を翻訳・転載していたのですが、同解説を書いたヘルボルト氏はやたらウッドブロックの複雑なリズムを強調した書き方だったので、「これはウッドブロックの複雑なリズムパターンの乱打に大太鼓が絡んで、そこにリームのねとっとしたオーケストラがズレながら響き渡る作品だな」と大期待して聴きはじめました。ところが、期待の98%くらいを占めていたウッドブロックが殆ど響き渡らず、忘れた頃に「カカカコン」となる程度で、とてもそこから「付点音符・三連符・五連符」の複雑なリズムを感じ取ることはできませんでした。ただ、オーケストラ(除くウッドブロック)は、ヴィオラ協奏曲を想起させるかのような重いベルクかブラームスを捻じ曲げたような響きに時々、亀裂が生じてくる音響でリーム節を楽しませてくれました。ただ、舞台裏で鳴らしていたトランペットは完全に音を外していたんですが...。

ヤナーチェク:シンフォニエッタ
バンダの音が汚いし、揃っていないし、外しているし、響かないし、オケもスカスカの音で切れもないし、とないない尽くしで聴いていてうんざりしてしまいました。コーダが盛りあがる曲なので盛んな拍手を受けていましたが、酷い演奏でした。