道楽者の成り行き
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4.ROTER OKTOBERに捧げる






 2003年11月1日

ベルリン 雨のち晴れ

昼過ぎまで寝ていた。マイネッケ通りのドイツ料理店でレバー・ソーセージとブラック・プディングをビールともども食べていると、シュプレヒコールが遠くから聞こえた。腹いっぱいで満足してクーダムからツォー駅まで歩くと、その周りの道路は何が起きたのだろうかと思うほど渋滞状態。

ツォー駅からSバーンに乗ってフリードリヒ通りのCD店に向かう。品揃えに変化なしなので何も買わずに外に出たところ、警察が道路を封鎖していた、すわ爆弾テロか!とロンドン在住者なので思ったところ、実は別物、クーダムの渋滞と同じ原因であった。

「赤い十月」。DKP(ドイツ共産党)、PDS(ドイツ社会主義労働者党)、IGM(IGメタル、ドイツ最大・最強の労働組合)他によるSPD(ドイツ社会民主党)の打ち出した年金・雇用改革案「アジェンダ2010」への抗議デモであった。フランス、ギリシャ、イタリアで吹き荒れる年金・雇用改革の嵐とそれに対抗する運動はここドイツでも相当な規模で起きている。スターバックスでコーヒーを飲みながら眺めていると、次から次へと人や車がやってくる。私はコミシェ・オーパーのチケット売り場に用があり、そこから100番バスにのってツォー駅に戻ろうと思っていたのだが、ウンター・デン・リンデンまで道路が封鎖されてバスが通れないので、地下鉄に乗るべくシュタート・ミッテ駅まで歩かざるを得なかった。なお、デモの方々は、ギャラリー・ラファイエットの北側手前の交差点を東に曲がり。コンツェルト・ハウスのある広場に向かっていった。多分、いずれポツダム広場か旧DDR本部のある広場に向かうのであろう。右翼やネオ・ナチの襲撃はなかったようである。中道が没落し、左は分裂し、そこを右に突かれたヴァイマール共和国の二の舞にならなければ良いのだが。



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