風馬疾走録

 ここは新着分。会社別で多くなってきたとこは格納します。。

 心技体それぞれに点数が入り(5点配分)、総合最高点は20点。それ以外に「つまらないもの認定」「ダメ認定」などがあります。評価額は廃止しました。点数つけてるから重複だよな。イラストの点数は甘めにつけてあります。点数は主に自分の満足度を表します。20〜17はおすすめ。16〜11はおすすめはしないけど趣味が合えば。10以下は……まあなんというかお好みで。

 心:その小説は心を打つか
 技:技術的には優れているか
 体:世界観に説得力はあるか
 絵:イラストは内容に合っているか

 点配分変更しようかなあ。キャラ・世界・絵とかで。

風馬疾走録・書庫
ナポレオン文庫
講談社X文庫ホワイトハート
富士見ファンタジア文庫
角川スニーカー文庫
電撃文庫
角川ルビー文庫
その他文庫


サムライ・レンズマン  20点
流血女神伝 砂の覇王5  18点
キノの旅 5  16点
夢界異邦人(シリーズ3巻まで)  15点
イリヤの空、UFOの夏その2  18点
特命転攻生―人別帳は燃えているか  15点
まぶらほ〜ノー・ガール・ノー・クライ〜  17点
フルメタル・パニック! どうにもならない五里霧中?  19点
イリヤの空、UFOの夏その1  16点
累卵の朱 〜万象史記〜  17点
ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト  19点
わたしは虚夢を月に聴く  18点
聖なるヴァレリー 神さまにバックドロップ!  12点
キノの旅 4  16点
アンジュ・ガルディアン 〜復讐のパリ  17点
チェンジリング 碧の聖所  18点
コンビネーション  20点
Hyper Hybrid Organization 01-01 運命の日  18点
ふわふわの泉  15点
フルメタル・パニック! 終わるデイ・バイ・デイ(下)  20点
EDGE2 〜エッジ3〜  19点
アウトニア王国奮戦記 でたまか 問答無用篇  *点
エウリディケの娘  20点
チェンジリング 赤の誓約  18点
ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド  19点
流血女神伝 砂の覇王4  19点
覇壊の宴2 大いなる墓標  14点
デュアル・ムーン −月光少年−   16点
タツモリ家の食卓3  18点
キノの旅 3  16点
覇壊の宴  15点
フルメタル・パニック! 終わるデイ・バイ・デイ(上)  *点
回転翼の天使 ジュエルボックス・ナビゲイター  17点
NAGA 蛇神の巫  17点
南国戦隊シュレイオー  *点
キノの旅 2  16点
竜が飛ばない日曜日  16点
イミューン  15点
司星者セイン  *点
どかどかどかん  16点
ピニェルの振り子  20点
タツモリ家の食卓2  17点
フィールド・オブ・スターライト 砂漠の花嫁  15点
ぼくらは虚空に夜を視る  20点
革命暮れて皿洗い  17点
隊長は倒れてる  16点
冥王と獣のダンス  16点
キノの旅  16点
ダブルブリッド3  16点
アース・リバース  15点
若葉色の訪問者  18点
星虫  16点
フルメタル・パニック! 同情できない四面楚歌?  17点
Beat Gunner(1,2)  14点
ネットワーク・フォックス・ハンティング  19点
EDGE2 〜エッジ2〜  18点
フリクリ   *点
デモン・スレイヤーズ!  18点
★サムライ・レンズマン  20点
 |徳間デュアル文庫|01/12/18|作:古橋秀之|挿絵:岩原裕二

【物語】日系アルタイル人のサムライ宇宙パトロールが謎のアルタイル柔術で悪の宇宙海賊をばったばったとなぎ倒す話。以上。

 いやもう他にどう書けと?
 あとは後日。

★流血女神伝 砂の覇王5  18点
 |集英社コバルト文庫|01/012/10|作:須賀しのぶ|挿絵:船戸明里

【物語】異世界の巨大帝国末期を舞台にした正当派少女冒険小説。スーパーおすすめ。

 いろいろネタバレ有りで、ポイントになる巻。
 過去キャラが結構出てきたのですが、物語がヒロインすら置き去りにして駆け足で進んでしまうのでちょっと食い足りない。実際読んでみるといろいろ描きこんであってそんなでもないんだけど。前巻までがゆっくり進んでいたせいか。
 カリエとギュイハムのエピソード周りに比べて、ラクリゼとバルアン様はさっさと進みすぎていまいちだったなあ。まあ主役じゃないからなあ。

 コバルトは恥ずかしいから買えないとか、売ってないとか言う人はネット書店で何かと混ぜて買ったらいかがでしょうか。今回も挿絵最高! ギュイハムの乳首&へそ付近マンセー!

★キノの旅 4  16点
 |電撃文庫|01/12/10|作:時雨沢恵一|挿絵:黒星紅白

【物語】電撃ゲーム小説大賞候補作4作目。ガリバー旅行記風短編集。

 相変わらずすばらしい挿絵と装丁です。文章はぎゅんぎゅん上手くなってるし、物語のテンションも落ちてないんだけど、そろそろ飽きてきたかなあ。出れば買うけど、イラスト担当者とか装丁者が代わったらやめてしまうかも、といったあやうい部分があり。
 こういうタイプの連作の場合、急激にテンション上げたり落としたりできないので、作者は結構つらいところではないかと。ほんと別の作品読んでみたい。一冊完結長編のやつ。


★夢界異邦人(シリーズ)  15点
 |電撃文庫|01/12/08|作:水落晴美|挿絵:椋本夏夜|

【物語】眠り姫の卵、竜宮の使い、硝子の蝶で現在3作め。人間の夢に入り込み、心の傷を癒す夢界異邦人シリーズ。

 鎌部買い。
 1巻と2巻は日本語が変なところが多くて、読んでてつまる。ぼんやりした世界の丁寧な書き込みと、レギュラー陣の雑な書き方の差が違和感ざりざり。ちょっとつらい。
 1巻で描かれてるチョコレートの街、2巻の竜宮の街並みなんかすごくいいイメージで描かれてるのに、そこに落ち込む原因とか、解決後の各キャラの身の振り方とかの書き込みがものすごい雑なんで、そういうのが気になる人にはおすすめできず。特に1巻は患者が帰ってきても、本人の力とぜんぜん関係なく、おちてしまう前に患者が望んでいた世界がいつのまにか戻ってるあたり、ダメダメ。街がよく描けてるだけに、落差が非常に激しい。街だけを緻密に、エピソードやキャラや台詞はありものを雑然と突っ込んだ感じか。
 同人ぽいってか、あんまり上手い人とはいえないのですが、丁寧に書いてる部分に関してはかなり好感持てるので今後に期待。なんせ3巻でがくっと丁寧になってるので、次回作を買ってから買い物リスト入りするか検討。挿絵は雰囲気に合ってていい感じだけど、鎌部装丁にしてはおとなしいというか、あたりまえっぽい。

 佐々木淳子のSF短編とか、夢っぽい話が好きな人向けかも。

★イリヤの空、UFOの夏その2  18点
 |電撃文庫|01/11/08|作:秋山瑞人|挿絵:駒都えーじ|

【物語】UFOで綾波。ボーイミーツガール+疑似冷戦系ロストフューチャーもの。その名前イリヤは太陽の意味 君が生まれたのは微笑むため♪ みたいな。イリヤ・ダーリンでエロ抜きえっち有り。

 作者の前世は女子高生だったんじゃないかと思うくらい女子高生っぽいのでものすごく加点。リアルどころかすでに生々しい。水気がある。
 逆に非日常部分は減点ぎみ。
 水洗寺と夕子んとこが自分的にはすごいよかったのですが、イリヤの思い出部分とかにリアルがなくて、ギャップがないというか、ショックが足りないというか。逃走シーンが生々しくいけてるだけに残念(髪が口に入っちゃうとか。なんで知ってるんだ)。相変わらずバランス悪いです。
 えーと、文中にイリヤの孤独をあらわす、たった一行なんだけどすばらしい名文があるんですが、確かにその一行はすごくいいんだけど、それでは「私の」胸の底まで届かない。落ちてこない。
 これは多分単純に好みの問題なんだけど、秋山は情景作家というか風景画家であって、映像作家としてフィルムをまわしてるわけじゃないんだなあ、とか。それは良し悪しじゃなくて、向き不向きで、情景画家としてはすばらしい才能の持ち主かつ存分に腕を振るっていると思う。

 キャラ配置やエピソードあたり、最終兵器彼女って言われるのは仕方ないでしょう。ラヴネタなら定番の配置だしねー。そしてEGさっさと書いてくれといわれるのも仕方ないだろうなあ。非日常部分をEGくらい書き込んでくれれば、もうちょっと声は低くなると思うのですが。

 駒都絵はもう少しキャラに慣れてくるといい感じになると思う。女子はかわいらしく、色味は綺麗。そしてまぶらほではえ〜じなのにイリヤではなぜえーじなのでしょうか。

★特命転攻生―人別帳は燃えているか  15点

 |ファミ通文庫|01/10/23|作:新城 カズマ 新藤 キミテル|挿絵:広江礼威|
【物語】蓬莱学園の初恋+魔獣+夜桜忍法帳。

 蓬莱学園ではまだ二級生徒問題が解決していないらしい。以上。
 ……えーと、これからはじまるメイルゲームのガイドブックとしてはきわめて適当な内容です。エルス来年のメイルゲームをやる人向けガイドブック。セルフパロディ盛りだくさんなので、楽しめる人と楽しめない人はきっぱり別れるでしょう。
 むしろ蓬莱を全然知らないで、古くさいつか、大仰な仕掛けのある話が好きな人なら純粋に楽しめるかも。なんかこう、すべての要素が二番煎じに思えてしまっていまいち楽しめなかった。
 文章とかは整理されていて新城本人のより薄い分、読みやすいです。展開は……うーん、二番煎じだ。いや、三番煎じ? うすー。

 イラスト、最初のページがいきなりぱんつだった。ファミ通文庫だなあ……。
 カラーや白黒の印刷は悪くないです。メイルゲームのビジュアル担当は幅広い才能の在庫が要求されますが、十分以上に満たしてます。
 エルスが用意するビジュアルは質が高いので、絵にこだわる人はおすすめかも。

★まぶらほ〜ノー・ガール・ノー・クライ〜  17点

 |富士見ファンタジア文庫|01/10/15|作:築地俊彦|挿絵:駒都え〜じ|
【物語】平凡でさえない主人公の特別な遺伝子を狙って、魔法三人娘が大活躍。

 連載のがおもろいです。
 つか、ストーリーを進めようとして、おばかでイカレポンチな設定の説明を省きすぎ。連載読んでない新規読者に不親切。
 もっとつかみのエピソードでがっちりハートをキャッチしてくれるのを期待してたので、あっけなかった。今後は開き直ってガスガスやってくれることを期待。なんかヌルい。
 でもこの作者の前作より、力が抜けてて読みやすい。さらに、現在ざくざく出てるこの手の「ヌキなしエロゲー風」小説としては、格段に設定もしっかりしてるしわかりやすくておもしろいです。泣きもあるし。ヒロインの夕菜さえ我慢できれば、女子でも読めます。我慢できないかもしれませんが。
 晴海がらみの描写はついかみしめながら読んでしまいましたが、それは内容とは関係ないしなあ。

 挿し絵は普通。つか、他の二人の絵をもっときっちり本文中に出して欲しかったなあ。もしくは口絵に全員集合シーンが欲しかった。


★フルメタル・パニック! どうにもならない五里霧中?  19点

 |富士見ファンタジア文庫|01/10/15|作:賀東招二|挿絵:四季童子|
【物語】フルメタル・パニック短編5巻。主人公は元アフガンゲリラ。

 帯にいきなり「いやあ、まいりました」と作者の泣き言がお笑いとして使用されている情けない1冊。悲しい。アニメ化記念であわせて出したんでしょうが、テロ>新しい戦争>アフガン大混乱のコンボには勝てませんでした。せめてスクランブルにしてあればなあ……。
 久々に正当派のお涙頂戴物があったり、相変わらずソースケは投資のしがいがカケラもないバカ男だったり、書き下ろしのテッサがべりきゅーだったり、**が実は××だったりと、帯も含めて今までの短編集中、一番レベルが高いです。そりゃ月刊連載じゃないからレベル下がったら読者も納得行きませんが。これだったらちょい不揃いな四面楚歌は16点くらいでもよかった。

 とにかくソースケが徹底して馬鹿です。最後まで馬鹿でいて欲しいものです。馬鹿万歳!

★イリヤの空、UFOの夏その1  16点
 |電撃文庫|01/10/04|作:秋山瑞人|挿絵:駒都えーじ

【物語】UFOで綾波。ボーイミーツガール+疑似冷戦系ロストフューチャーもの。

 過去に例をみないほど読みやすい&とっつきのいい話でした。が、EGと猫に17点を付けている以上、それ以上はつけられないのでした。部長のキャラは好きなんだけどなあ。他キャラも全般的に定番だし。悪くないんだけど、イリヤが総じて綾波すぎですね。
 というか、ボーイミーツガール+疑似冷戦系ロストフューチャーネタは、すでにエヴァを外しても、フルメタとか最終兵器彼女とかがあるので、時期的に新味に欠けてしまったかも。特に彼女は連載が佳境に入って、恋愛ネタになってるから。タイミング悪かったです。連載時に読んでればイメージ変わっただろうなとか。
 しかし細かいエピソードというか、すでに表現の域なんだけど、単語の配置やタイミングが他の作品と比べてかなりいいです。一行の中に物語がある。レイアウトが美しい、みたいな。映画っぽくなったというか。
 あちこちで感想あがってるけど、誰もが「EG終わらせてからやってくれ!」と悲鳴を上げていて、作者がちょっと気の毒かなと思いました。いやー私だってEG終わらせてからやって欲しいです。それくらいEGは待たれているのだ。つか、EG好きな人はEGしか好きじゃないという説も(笑)。
 でもイリヤのが一般受けするだろうから、今売り出すならイリヤ出す方がいいんだろうなー。長期で見たら。しかしこれでもしもアニメ化>忙しい>ますますEG遅れる、とかになったらイヤだ。

 挿し絵の手首球は巨大すぎ。口絵の目次はうまい! うますぎる! あれだけいろいろやっててまだネタがありますか……。 

★累卵の朱 〜万象史記〜  17点
 |白泉社My文庫|01/09/05|作:大澤良貴|挿絵:志水アキ

【物語】架空中国風軍略ファンタジー。

 戦闘とか話の仕掛けとかはよくできてるんですが、なんとなく文章のリズムが読みにくい。表現は綺麗。パーツはそろってるけど、がちがちに組みすぎて話に入りにくい部分があるかもなので、じっくりと読み込みたい人向き。ベニ松に近い。
 中華もので戦争物らしい戦争物としてはかなり意欲作であるのは間違いないので、先物買い好きな人にもおすすめ。まだとっかかりなので「悪くない」レベルですが。2が出たら買います。銀の帯とか表紙のデザイン、あとがきの文字組がちょっとナニなんで手に取りにくいでしょうが……。
 ただ、あんなに群臣を毎回殺害していたら有能な人材なんてあっちゅーまにいなくなると思うがどうか。

 挿し絵は雰囲気が合っているので、もっとアクションを入れて欲しいところ。

★ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト  19点
 |電撃文庫|01/09/05|作:上遠野浩平|挿絵:緒方剛志

【物語】ブギーポップは笑わない、の続編。

 上遠野浩平が何を書こうとしているのか、その方向性がちょっと見えたような気がするので、それのメモ。

・彼は単純に『笑わない』を延々とやっているのである。
・カードを互い違いに重ねて、ざっとまとめるような……わかりにくいなあ。えーと、Aの事柄を、あっちこっちの角度から何度も書いている。同じ所をぐるぐる回っている。aの立場から書いた後、別の場所でbの立場を書く。これが、あの独特の等価感=透化感を出している。時間や場所を変えても、微妙につながった、あるいは正反対のことを書いている。
・そのAは多分、**である。
・この**にナニが入ろうとも、上遠野浩平はおそらく頓着しないだろう。「そんなことはどうでもいい」からだ。
・『』の中を埋めてしまったら、この物語の魅力は半減以下なので。
・つまりこれは全然違うんだけど、ハインラインが同じお盆の上でざーっと広げてやっていたことを、もっと、なんかこう、色違いのクラシコトレーシングを名刺大に切って、ばらばらっと落としたら重なっちゃって一番下が薄ぼんやりとしか見えないみたいな、そんな感じだと思う。
・焦点を合わせると肝心な部分がボケる。が、肝心な部分などそもそも存在しないのだというやり方。?
・追いかけるが、追いかけない。
・リアルタイム性の高さ。作者がいま嗅いでいるにおいを、ばーっと目の前に散らされて、その残り香を真剣に追いかけているような、今にも消えそうな。
・同時に、何年か立って作者が世の中から忘れ去られたとしても、ミイラのように残った作品のフックに引っかかってしまう犠牲者を製造しそうな共時性、あれ、違うなあ。
・リアルタイムのあやうさと、ひからびた植物標本のような、不安定な永遠性。
・上遠野浩平を追いかけるという行為そのものの。なんだこりゃ。

 なんとか捕まえてみようとしました。伝わりますか?

★わたしは虚夢を月に聴く  18点
 |徳間デュアル文庫|01/08/16|作:上遠野浩平|挿絵:中沢一登

【物語】VS Imaginator IV

 上遠野浩平は再話がむちゃくちゃうまい。
 再話というよりも、むしろパロ同人っぽいかも。ライトノベルで延々再話する人といえば誰よりもまず五代ゆうなんだけど、あれは同一テーマを延々と語る方向にまでなっちゃってるからなー。
 うまいとか技術が高いとかじゃなくて『そういうの』をつかまえるカンがすごくいいわけで、それは長く書いて世界を知ってるからでしょう。書いてるうちにあっちこっちをちょちょっとつまんで、お、いけるいける! だー。みたいな書き方をしてるようです。わざと世界をつなげようとしてるわけじゃなく、そのときそういう風に書きたかったので、そう書いてるような感じなんだと思う。でも、それが全然天然ぽくない。計算でもない。
 そして上遠野を語る際に重要なのは「そんなことはどうでもいい」ってことに決定。そこがうまいんだってほんとに。
 全然説明になってないぞ、また。

 読んだ後、ふと交差点で信号待ちしてるときなんかに、話の中のイメージがばーっと広がってきて、あやうくチャリから落ちそうになったり信号無視して車にひかれそうになったりする。ひどく薄い刃物で刺されて気がつかないで、後で死んでるみたいな。

★聖なるヴァレリー 神さまにバックドロップ!  12点

 |角川スニーカー文庫|01/06/10|作:鷹野良仁|挿絵:重戦車工房 |

【物語】普通の女子高生が宇宙の神様を宿してしまい、宇宙人に狙われる、すっぽこ系(たぶん)コメディ。

 すごい。ある意味。全然面白くねェ。つか、全然すっぽこ系になってねェ。
 鷹野良仁が好きなので根性で読み通せましたが、そうでもない人はどうだろうなあ。  毎回なんだけど、エピソードは悪くないんですよ。もう、めまいがするくらいくっさい(ほめ言葉)エピソードを毎回つっこんでくるんだけどねえ。最後のお別れシーンなんかはほろりとさせられます。
 でも怪獣出てきてあばれるとことか、アクションシーンが徹底的に重量感も必要性も感じられなくて、読んでて作業になっちゃうのでつらい。作者が好きなので、ちょい加点ぎみです。でも、次もこの路線やられたらつらいです。
 コメディのタイミングと、作者の資質の部分がズレまくってる感じ。ラブコメは難しいんだよー。

 挿し絵もものすごい。カラーページは普通なのに、なんで白黒になると……カラーCGから入ったんでペン入れができないタイプの人なのか? 口絵と別の人が描いてるのかと思っちゃいました。モアレはともかく、もうちょっと出力した時のことを考えてトーンがわりのとこは細かくした方が見目がいいのになー。

★キノの旅 4  16点
 |電撃文庫|01/07/10|作:時雨沢恵一|挿絵:黒星紅白

【物語】電撃ゲーム小説大賞候補作4作目。ガリバー旅行記風短編集。

 安定した作風といってもいいのかなあ。
 買うのをやめるほどのマイナス要素もないんだけど、出た日に買うほどの勢いは挿し絵の力のような。今回も挿し絵が秀逸。
 一本抜きん出ないところ、定番の話を定番で実行するところが、もしかしたら特徴なのかも。なんにせよ、もうひと味欲しいところではあります。

★アンジュ・ガルディアン 〜復讐のパリ  17点

 |富士見ファンタジア文庫|01/06/15|作:年見悟|挿絵:椋本夏夜|
【物語】第12回ファンタジア大賞佳作。19世紀くらいのパリで、両親を殺された女の子が殺人鬼を追う。ちょっとファンタジー+探偵もの+アクション+泣き。

 受賞したのがすごくわかりやすい、マイナス点の見いだしにくい話。
 ただ、ここがむちゃくちゃ面白いッ! ってポイントも見いだしにくい微妙さ有り。キャラが素直でかわいいが、ちょいイラストに救われているかも。
 人数が多い割にばたばたしていないので、群衆劇の好きな人向け。落ちは解釈によるけど、私はちょっと弱いかなーと思った。

 今後どんな話を書いて行くのか楽しみな、ある意味昔の富士見っぽい正当派が出てきたんで、期待株として加点気味。

 表紙絵本サイトの絵と比べるとかなり色がくすんでいる? そろそろファンタジアも表紙加工を再考してくれんかなー。デュアル・ムーンの表紙は比較的近い雰囲気に仕上がっているか。
 リンク条件のページとか、一部いけないとこがありました。

★チェンジリング 碧の聖所  18点

 |ハルキ文庫|00/07/10|作:妹尾ゆふ子|挿絵:金田榮路

【物語】平凡なOLが実は異世界のお姫様で、異世界に連れ去られるが……

 『赤の誓約』の続編。ハルキ文庫の配本タイミングが読めない。プライドがッ!<一般書なのでフライングはあんまりないです。

 読み終わったので「なんかあっけなかったなあ」と回想するも、電車降りてからも駅で読んでしまったので、一気に読んでしまいたい本なのは確か。
 ヒロインを中心にさくさく話が進むので、脇役の出番があんまりないのがあっさり風味の原因かもしれないが、あんまり出てくるとしつこいよなー。出すには5冊とかでないと……。5冊組だとヒロインのリアルがもたなそう。けれども長編だったらマァハがよかっただろうなーとか。
 赤、碧と通して読むこと。仕掛け小説、純ファンタジー好きな人向け。あと、前田珠(以下略)。

★コンビネーション  20点

 |ソノラマ文庫|01/7/5|作:谷山由紀|挿絵:まる伝次郎|
【物語】弱小球団の若い選手を、本人以外の人の人生から照らした短編連作。

 時間よ止まれ、おまえは美しいから!

 ……さすがにこれだけだとなんですので。
 読み終わった後、1時間もめそめそと泣いてしまいました。
 この作者、コミケでもすっげええええええええええええええすばらしいA5のコピー本出してて、でも再販予定ないからって、その場で閲覧させてくれるんですが、いやほらそうじゃなくて、欲しいんだよ、本が。思わず「時間よ止まれ!」と叫んでしまうような本が。総集編出してくれないかなあ……。

 表紙は狙って失敗したのか、それともなにも考えてなかったのかまったくわかりません。絵描きさんの問題ではないような気がする。

★Hyper Hybrid Organization 01-01 運命の日  18点
 |電撃文庫|01/05/7|作:高畑京一郎|挿絵:相川有

【物語】『クリス・クロス』の作者、初のシリーズもの。お約束てんこ盛り。研究所、改造人間、恋人の復讐、悩むヒーロー。藤岡。

 個人的萌え要素てんこ盛り。
 ヒーローが若くない(みんな大学院生以上)ので、青臭すぎる理論を聞かなくてすむぞ!
 やっぱりいろいろうまいので、固い雰囲気をうまく使った愛憎劇をやってくれそうです。ただ1話なので多分に説明的でわかりにくいかも。いやあ、楽しみなシリーズが始まりましたよ!
 ほら、インテリだから。みんな。インテリ悪の幹部萌え〜。

★ふわふわの泉  15点

 |ファミ通文庫|01/04/19|作:野尻抱介|挿絵:御米椎|
【物語】眼鏡っ娘理系白馬の王女様伝説。

 私の苦手なネタと出来事のサンドイッチ進行小説だったので、いまいち。
 主人公が行動じゃなくて記号で記述されているので、キャラが当たればかなり読めます。
 ネタ的にはかなりおもしろいので、このネタで1000年後でピニェルみたいな話か、小松左京のフラフラ国みたいな話だったらもえたかも。
 それぞれのネタ(エピソードじゃなくてネタ)はおもしろいのに、つなぐ串が存在しないので、もったいない。霧子のネタなんかはおもしろかったけど、唐突すぎて違和感有り。その分、既存キャラの描写があった方がよかったのにとか。

 口絵は多め。印刷もこの手の文庫にしてはいい方だと思います。ちょっと白っぽいかな。絵もかわいらしいし、細かいとこで凝ってます。
 竹本泉みたいな漫画好きな人向け。あれが受け入れられない人はかなりつらいかも。

★フルメタル・パニック! 終わるデイ・バイ・デイ(下)  20点

 |富士見ファンタジア文庫|00/04/18|作:賀東招二|挿絵:四季童子|
【物語】フルメタル・パニック長編。

 この業界の作家寿命は短くて、才能が枯渇したり別ジャンルに移っちゃったり宗教にはまっちゃったり壊れちゃったりするもんですが、それでも「この一作があるから、この作家を読んでいてよかった。後どんな風に壊れてしまっても後悔しない」って1本がある人がたまーに出ます。そういう一本。
 マオの海兵隊入隊エピソードとか、細かいネタの台詞回し、入れるタイミングの良さなんかはもういっても仕方ないっす。
 なにより日常と非日常の乖離感。長編1作目でちらっとだけ臭った「世界のインチキ臭さ」がめりめり音を立てて表出してきて、その違和感は常に日常と隣り合わせだったおかげでお互いを引き立たせつつ、適度な緊張感も生成してるし、キャラの目線や感情の動きも完璧。泣ける。いままでイライラしたソースケとかなめのぐずぐずっぷりもこのためだったかと思えばオッケー。キャラそれぞれの台詞がハマりすぎ。燃え。
 読むだけで、明日を生きる勇気がわいてくる物語。これを正統派をいわずしてナニを正当派と呼ぼうか。
 読み終えるのがつらくて、残りページ数を確認しながら読んじゃったよ。この話を初めて読むって贅沢を終わらせたくなくて。
 この回があるなら、今後なにがあっても大丈夫でしょう。キャラクターたちも読者の心も。

 そして今回、個人的な好みとしては……以下ネタバレ。

 兄貴! 兄貴登場! わしゃ近親相姦が大好き(ないって)! イヤッフー! 最高! 兄貴〜! しかもインテリ兄妹! ツボ! ツボ! 次回是非対決してくれ!
 まーやっぱり主人公は戦って己の壁を越えなければね! がんばれソースケ!

 ガウルン登場シーンにときめき。ガウルン最後の台詞が今回最大の山場でした。あー、憎悪ネタがツボだ。かっくいいなあ、はっはァ! 俺を憎め!

 あんまりうれしかったので新しいマッカランの封を切ってみました。でもフルメタの新刊が出る時だけ飲んでたらだめになっちゃうと思われ。

★ EDGE 〜エッジ〜3  19点
 |講談社X文庫ホワイトハート|01/04/6|作:とみなが貴和|挿絵:沖本秀子

【物語】天才プロファイラーもの。

 2巻は犯人側の描写が秀逸でしたが、今回は主人公側の変化もぴっしりと書き込まれていて好感度アップ。もちろん犯人側も、台所のにおいまでがただよって来そうなリアルっぷりで描かれてます。いいです。流行のネタを扱ってるにもかかわらず、
 冒頭の車内描写の美しさも特筆したいところ。確実に1作1作伸びている作家さんです。たぶんこの人のリアルは現実世界との接点から発生してると思われるので、是非兼業の道をつらぬかれんことをとか思ってみる。
 そして今回、個人的な好みとしては……以下ネタバレ。

 親父! 親父復活! わしゃ近親相姦が大好き! イヤッフー! 最高! 親父〜! しかもインテリ親子! ツボ! ツボ! 次回是非対決してくれ! 19点にしたのは、次回の対決に期待してなのであることだよ。ああ、愛憎渦巻く親子対決! ゆがんだ親子関係! めくるめく〜。
 まーやっぱり主人公は戦って己の壁を越えなければね! がんばれ宗一郎!

★アウトニア王国奮戦記 でたまか 問答無用篇  *点

 |角川スニーカー文庫|01/04/01|作:鷹見一幸|挿絵:chiyoko |

【物語】月刊OUT亡き後、web上で書かれていたらしいネット小説をまとめたヤン・ウェンリー風スペオペ。主人公の名前がマイドで敵がローデス連合。そうかい。

 ジャケ買い。失敗。
 あー、でもそうだなあ、いわゆるアウトシャイダーとかまいど君とかでたまかの時代にOUT読んでいた人は楽しいかもしれない。OUTみたいなクラスマガジンは、年代がちっとでも違うと受け入れがたくなっちゃうから。自分は官報からさくま学園までだなー。アウシタンはオッケーでもアウシターナはダメです。

 なんせ根幹が失われた雑誌を愛でる話なんで、主人公の一人称なのに主人公がもう完全無欠で困ってしまうのです。周囲から愛されまくり。
 さらに世界観の説明、事件発生、それを一人称でかみしめ、いろんなことに気が付いてしまう主人公、また事件発生、世界観の説明、の無限ループ。
 やたらと門閥貴族って単語が出てきたり、キャラの考え方や信条がなんとも都合よく、10年前読んだ銀英伝のを自分中にため込んでぐるり回って帰ってきましたよ? って感じでなんかなあ。
 ただ、細かいエピソードは悪くないんだよ。お約束の取り回しが微妙にズレてるので不発に終わってますが。とりあえず評価不能。イラストは非常によかったです。

 電撃の「時空のクロスロード」の作者。……どんな話だったかなあ。読んだ記憶はあるんだけど。

★エウリディケの娘  20点

 |EXノベルズ|00/03/20|作:友谷蒼|挿絵:山村路

【物語】高校生夏休み小説。

 いや、絶対来るとは思ってたけど、早い! オリジナル3冊目にしてここまでのやりますか。完全におすすめです。とにかく丁寧でしっかりしていて『星の砂漠』の作者だなあって感じ。いや作者なんですけどね。物語とか、人間の関係性の表し方が素晴らしいです。書きたい小説はまだたくさんあるとのことなので、大期待。発売日前に本屋通って探す作家確定。こうなると、投稿された『星の砂漠』がめちゃくちゃ読みたいよう。
 物語の進行とは全く別に、失われてしまって取り返せない世界を表出させるのが激烈に上手いので、谷山由紀とか好きな人にもおすすめ。

★チェンジリング 赤の誓約  18点

 |ハルキ文庫|00/03/13|作:妹尾ゆふ子|挿絵:金田榮路

【物語】平凡なOLが実は異世界のお姫様で。

 つらい。
 現状がイヤで逃げ出したいのか、元々自分の居場所じゃないからつらいのは仕方がないのか、微妙なところ。氏より育ちなのか、血は水よりも濃いなのか。
 この手の話は「いつか王子様が」型として語られることが多いので、こうリアルにやられるとつらいです。決してものすごく現在が嫌いな訳じゃないし、向こうの世界に惹かれるものはあっても積極的じゃない。この宙ぶらりんな感じがヒロインの立場や性格と相まって、不安感を出すのに成功してます。
 想像と現実の切り分けをきっぱりしたい人ほど、この話はおもしろいと思われます。
 それから前田珠子の溺愛ヒロインに「貴様なんか全然逆境じゃねえええええ!」とツッコミ入れまくってる(でも読むのやめられない)人におすすめ。そうそう、こうだよ普通は! ってな。

★ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド  19点
 |電撃文庫|01/02/7|作:上遠野浩平|挿絵:緒方剛志

【物語】『ブギーポップは笑わない』シリーズ(でいいのか?)。学園ホラーSF。

 『笑わない』を読んだのは98年の2月6日でした。まさかここまで売れるとは思わなかったなあ。たった3年ですよ。そのときは1個だった電撃の感想がこれで30。少ない(笑)。
 vsイマジネーターやパンドラにかかわるキャラが出て来てぱちぱちとはまって行く様子は上遠野浩平の真骨頂って感じで快感。過去に感じてた、ちょっとした「あれ? もしかして」の、予想をやや裏切る形の上方修正っぽい回答? 角度を見せられるとこがたまらないんです。ええ。じわじわとにじんでくる空気とか。キャラクター同士、キャラと作家、読者とキャラ、作家と読者の距離感の出し方とか。
 そろそろ話が終盤にさしかかって来たのか、いい感じで進んでます。目が離せません。

 そして口絵が相変わらず。絶妙の三位一体。

★流血女神伝 砂の覇王4  19点
 |集英社コバルト文庫|01/01/30|作:須賀しのぶ|挿絵:船戸明里

【物語】巨大帝国末期の異世界を舞台にした正当派少女冒険小説。おすすめ。

 またしても大波乱。著者も絵描きも大絶好調。表紙からしてかっ飛ばしのかっこよさ。ここまで絵と内容がぴたりとハマるシリーズものも珍しいです。最高。
 巻を重ねるたびに面白くなります。これは是非リアルタイムで読んで欲しいので、未読の方はさっさと追っかけましょう。
 とにかくストーリーとキャラがしっかりしてるからなあ。
 今回、バルアンさまの株がぐぐっと上がりました。かっこいいです。ドーン兄上、しっかり! 次回(11月)に大期待だ。
 あれ、3の感想がないや。これだからもう自分は……。

★覇壊の宴2 大いなる墓標  13点

 |富士見ファンタジア文庫|00/1/22|作:日昌晶|挿絵:やまさきもへじ|

【物語】第11回ファンタジア長編小説大賞準入選の続き。異世界ファンタジーと現代せかいのちょいクロスオーバー話。

 だからなに、ってくらいギミックが混在していてしかもそのすべてが足を引っ張り合う方向性健在。このままでは調べたことをざらざら設定として書き流す子供くらいダメ。日本語もときどき妙だし。
 頭悪いキャラが多いのと、エピソードが細切れなので感情移入する隙がない。
 死人はばかばか出ればいいってもんでもないのだ。背景効果としても印象薄いなあ。
 なんか、ライトノベルの場合、枚数が少ないからいかに少ない文章で読者の心のスイッチを入れるか、ってのが勝負どころだと思ってるのだが、これはあまりにも外部入力だけでイメージと世界を喚起しようとしすぎ。しかも失敗。ネタは悪くないのになあ。

 イラスト、今回は合わないぞ。綺麗すぎ。血まみれでお願いします。

★デュアル・ムーン −月光少年−  16点

 |角川ティーンズルビー文庫|01/01/07|作:友谷蒼|挿絵:椋本夏夜|

【物語】若草一家ていこう!の作者、初のメディアミックス無関係作品。

 星の砂漠 タルシャス・ナイト(ASUKAコミックス。漫画)の同工異曲。昔風の文章で今風のストーリーを作ってるような雰囲気。
 物語があっさりしていて、ちょっと食い足りない。人数が多いせいか、キャラも浅いし。ただ、若草もそうなんだけど、物語とキャラの乖離した雰囲気というか、作者の冷たい視線みたいなのかなあ。それがすごく好きな空気を醸し出してるので、次回作にも期待するところ。
 この冷たい雰囲気は、全然においが違うけども上遠野浩平と同じラインにある。遠すぎないけど絶対近くに寄ってこないような。おすすめ度は高くないけど、好きな作家。

★タツモリ家の食卓3  18点
 |電撃文庫|01/01/06|作:古橋秀之|挿絵:前嶋重機

【物語】おわらいファーストコンタクト。

 進んでるようで進んでません。もわんとした話なので今後が見えにくいですが、とうとうギルガガガントス組が地球に到達したので進んでるんだよなー。
 今回、グロウダイン戦艦のギルガガガントス撃ち出しネタやドライブやらなんやらの描写がすごく良かった。ブラックロッドのが好きでタツモリ避けてる向きは、この巻だけでも読んでみては。食わず嫌いはよろしくないかと。

 あとがきでミネさんがでじ子として。今出てるザスニのSF特集、本の紹介は私の仕事なんですが、ちょうどファーストコンタクトんとこでタツモリとでじ子を上げたので、ちょっと共時性を感じてみたいお年頃だ。

★キノの旅 3  16点
 |電撃文庫|01/01/6|作:時雨沢恵一|挿絵:黒星紅白

【物語】電撃ゲーム小説大賞候補作3作目。ガリバー旅行記風短編集。

 2作目よりは少しおもしろかった。ということは、着実に腕を上げているのかなあ。ただ、激烈におもしろくなってるわけでもないところがなんか。
 マイナスじゃないけど強烈にプラスでもないといった感じ? ある意味、ありがちな話なんで落ちは見えやすいし。
 嫌いな文体じゃないし、読みやすいので次回こそは長編を読んでみたいんだけど……。

* 1のときは読みにくいと書いてるので、こっちがなれたのか向こう上手くなったのか、読み比べてみよう。

 イラストとデザインがとにかく秀逸。特にイラストの安定したハイクオリティっぷりは必見。

★覇壊の宴  15点

 |富士見ファンタジア文庫|00/11/11|作:日昌晶|挿絵:やまさきもへじ|

【物語】第11回ファンタジア長編小説大賞準入選。異世界ファンタジーと現代せかいのちょいクロスオーバー話。

 現代社会から武器密輸するファンタジー国家とか、産業廃棄物処理場の管理に、ファンタジー世界にぶちこまれるへっぽこサラリーマンとか、ネタはそれぞれすごくいいのに、それぞれが足を引っ張り合っているので全然きいてこない。文章もかなりうまいのになあ。ものすごーーーーーーくもったいない新人。編集者次第。次回作以降に期待。

 絵はなかなかかわいいです。いいかんじ。

★フルメタル・パニック! 終わるデイ・バイ・デイ(上)  *点

 |富士見ファンタジア文庫|00/11/10|作:賀東招二|挿絵:四季童子|

【物語】フルメタル・パニック長編。マオのドレスをクルツが選んだなら、マオがノーパンだってことは当然予測してしかるべきでは。わかっててわざとやってんのか。

 終わってないじゃん。
 あーでも大告白大会でむっちゃおもしろかったよう! テッサ→ソースケ、かなめ→ソースケ、クルツ→ソースケ! うわあああ! ソースケ大人気! しかも君ら、大不器用! やっぱ時代はラヴですよ!

 ウルズチームの大活躍話なので燃え。クルツが泣くほどかっこいい。やっぱわけありの二枚目半はいいよ!
 んでもって、もしかしたらこれくらいの長さが賀東招二には合っているのかも。テンポいいし。長編で、かなめとソースケでぐずぐずもめてると一気につまんなくなるので。
 今回の散髪>信頼してるからね告白>パソコンたたき壊しあたりの流れはむちゃくちゃ燃えました。イラストもよかったし。富士見はシャレじゃなくイラスト入れるタイミングがうまいわ。元々フルメタは絵になる話ってのもあるけど。
 こんなにおもしろいなら分冊でもいので、上中下でも待ちます。つーか上中下にしれ。

 えーと、短編との不整合はあんまり気になりません。別の話だし。幽霊がらみのアレはさすがにナニですが、まだ結果出てないしな。

★回転翼の天使 ジュエルボックス・ナビゲイター  17点

 |ハルキ文庫|00/10/28|作:小川一水|挿絵:
【物語】弱小ヘリコプター企業細腕繁盛記。レスキューもの。

 NHKの連続ドラマみたいな、たくさんの事件が数珠繋ぎになった話。銀河テレビ小説。
 前半、キャラの役割がはっきりしていて、感情の持ち込みどころが明確で読みやすい。カウンターヒロインのむかつきっぷりは、むちゃくちゃきます。
 一方、事件が続々と起きるので、一気に読まないと後半がわけわかんなくなります。同じ理由でヒロインの技術的な成長ぶりがちょっとわかりにくいかも。

 イラストは悪くないけど、どういう層をねらったのかはっきりしない。
 一条理希好き、リーマンJUNE好きの方に(かなり)おすすめ。社長(めがねくん)とパイロット(熱血バカ)の関係とか、萌えました。ごめんなさい。

★NAGA 蛇神の巫  17点

 |ハルキ文庫|00/10/28|作:妹尾ゆふ子|挿絵:菅原健
【物語】現代もの。日本神話恋愛ファンタジー。

 最初、電車で読めなくて困った。イメージ喚起力が強いので、外で読むにはちょっと危険な一本。
 神様側の話は過不足なく美しいけど、メインの人物関係が家族含めて多いので、ちょっと希薄め。webからめた信仰システムの話あたりはおもしろいんだけど、とにかくカタカナにナカグロが多くて続くとむっちゃ読みにくい。神様側か調子いいし、他の文章も流れるようなので、よけい気になるところ。

 挿し絵、カラーはすごくいいのに白黒の方はサイズのおかげか紙質とあわないのか、劣化してるっぽくて残念。あ、画風かも。

 ハルキ文庫のwebリストには挿し絵師の名前がのってない。困る。

★南国戦隊シュレイオー  *点

 |朝日ソノラマ文庫|00/10/30|作:神野オキナ|挿絵:伊東岳彦
【物語】沖縄県を贄にしようとする本土政府と沖縄県民有志のロボット(仙術機)バトル。この1冊でプロローグ。良くも悪くもソノラマらしい。

 えーと、作者の前作を全部読んでるので、そのあたりで楽しく読めてしまいました。から点数なし。虎鈴とか。
 過渡期です。以前の人間関係から引き出される感情の濃いストーリーラインから、お約束要素満載で軽快なキャラ小説への。オタク描写も沖縄描写ももう一歩踏み込めてない感じ。ので、冒頭ちょっと入りにくい。後半戦のロボバトルまでたどり着けばおもしろいところ。オタネタに走りすぎてないのは、自分としては好感が持てるとこなんですが、全体のバランスとしてはどうかなー。沖縄要素もっとばりばりで、ウチナーグチルビが入りまくったりすると「沖縄小説」ってジャンルになるんじゃないかと。他県の作家ではできないことなので、そのあたりに入ってくことを期待したり。

 狗狼伝承のオタ描写を気にせず読めた人ならオッケーでしょう。あれがダメだとかなりつらいかも。あーATって4メートルもあったんだ。2.5くらいかと思ってた。みたいな。
 挿し絵はなかなかです。ネコちゃん長官とか。
 ありゃ、あとがきを読むと神野オキナが元誰かはモロバレになってるじゃないですか。

★キノの旅 2  16点
 |電撃文庫|00/10/4|作:時雨沢恵一|挿絵:黒星紅白

【物語】電撃ゲーム小説大賞候補作2作目。ガリバー旅行記風短編集。

 悪くもないが、良くもない。
 ありきたりだが、読みやすい。

 一作目よりキノ個人の説明がないので、読みやすい。が、どうにも挿し絵とデザインに助けられすぎの感が否めない。webでぺろっとアップされてて、うまいですねーっていわれてるレベルの短編でも、これだけレイアウトしてあれば読めちゃうんじゃないかなあ。
 なんか説教部分が薄っぺらいし。独立長編読んでみないと、ちょっと評価が固まらないです。このままキノを書くのは、作者にとってマイナスでは。次作がキノ3だったらどうしようかなあ。ちょっとお安い作りに見えちゃうよなー。特筆すべき部分がないんですよ。個性っつーか。

★竜が飛ばない日曜日  16点

 |角川スニーカー文庫|00/10/04|作:咲田哲宏|挿絵:DOW |
【物語】第四回角川学園小説大賞優秀賞受賞作品。学園もので異世界進入+時間SFっぽい感じ。作者は白泉男子?

 花とゆめの増刊号で新人がやるような話。なので挿し絵がおどろくほどぴったりで、デザインもよし。色もきれい。
 ストーリーはぽろぽろ穴があるものの、デビュー作としてはそつなく仕上がっている。キャラ造形や反応がいかにもすぎるけど、この程度なら今後武器になるんじゃなかろうか。
 ヒロインがもたもた眼鏡っ娘なので、その手が嫌いな人はダメ。逆に好きな人はぼろりと落ちるでしょう。脇役の女子キャラへの感情変化のもってき方が雑なとこも男子向け少女漫画らしい。
 ふわっとした話が好きな人向け。

イミューン ぼくたちの敵  15点
 |徳間デュアル文庫|00/09/25|作:青木和|挿絵:緒方剛志

【物語】ブギーポップ風青春SF風ものがたり

 長い。もうもうもう、無駄に長い! つらい。
 途中に入る日記風の記述はなんのためにあるのかわからない。まさにそういうのがやりたかったから入れただけか? と疑っちゃう杜撰さ。なんかこう、ダメな方向に未完成です。これからのびるな、まだ個性の範囲だな、って未完成じゃなくて、おいおい編集手綱しめろやって思うような未完成。
 設定が凡庸なのはまあいいとして、それを補う新しいものがなんもない。カメラワークが単調だとか、キャラが生き生きしてないとか、動機付けがありきたりだとか。
 キャラの書き分けはあんまりできてないけど、中盤以降の文章は読みやすいので、点数上乗せしてみました。ちょっと絞り込めばいい作品が出てくる要素はあると思うので。あとは徳間の編集さんがどのように絞るか、でしょう。おすすめ度は……絵で買う気力のある人向け、かなあ。
 タイトルで落ちのネタ割ってんのはどうよ? 「くるぞ、くるぞ、くるぞ、来たぁ!」ってカタルシスが得られるネタ割れならともかく。

 使用されてる絵の具の名前が、なんか安い絵の具ばっかなのには意味が?

司星者セイン  *点
 |スーパーダッシュ文庫|00/09/22|作:ベニー松山|挿絵:小林智美

【物語】ごってごてのファンタジー。くどい。

 まだ始まったばっかりなのでなんとも言えないんですが、このごてごてした文章と説明と設定がたまりません。とにかく解説解説解説。うわー、これはたまらんって感じ。ポプコムを読み物誌として読んでたとか、ウォーロック好きとか、火吹き山の魔法使いラインファンとか、その手の人におすすめ。出てくるアイテムの仕掛けがいかにもで非常によろしいです。仕掛け小説最高。
 昔スニーカーで出てた「歌姫」とか好きだった人もいけるかも。

 表紙のセイン、全盛期の天野が描いたゼフィール王子を彷彿とさせる繊細さ。よし!

★どかどかどかん  16点

 |富士見ファンタジア文庫|00/9/17|作:瀧川武司|挿絵:竹浪秀行|
【物語】第11回F大賞特別賞をとった「人」。受賞作は封印。軽い無国籍カンフーアクション。

 タイポグラフィー的。フォントをでかくする方じゃなくて、字の配列や字数をそろえる方向でおもしろい。
 序盤はそのせいでなく読みにくいが、このノリについてゆければおもしろいです。ただ、ジャッキー映画みたいな清涼感とか爽快感はまだはない。もうちとエンタテイメント性が増せば化けるかも。んでもって女の子をかわいくすれば。
 あまりにも世界観が無頓着に無国籍なので(メートル法使用、年齢、衣装等の混乱)、オーフェンの世界設定ぐらいが気になる人には不向き。
 気になるのは、どうも赤い会社の影がちらほらすることですか。

 挿し絵、男絵はいいんだけど、ギャルの目がどうもだめでした。かわいく見えなくて。動きのある絵はいいけど、止まってる絵はちょっと落ちる。

★ピニェルの振り子  20点

 |朝日ソノラマ文庫|00/9/6|作:野尻抱介|挿絵:草g琢仁|
【物語】海洋冒険になる予定スペオペ。

 現時点での作者最高傑作。無理して女子高生を書いてるより、こういうのの方が向いてるのでは。世界背景を想像させるちょっとした会話や、物語とよく合ったなめらかな文章、かちかちと組まれてゆくネタも心地よい。アーサー・ランサム好きの作者らしく、帆船のような船の発進、着陸の描写がこなれいていてよろしい。ものすごくバランスが取れている。
 幾重にも仕掛けられた誘引ネタがよくできてる。蝶の絵=蝶、モニカ=スタン、ピニェル=宇宙くらげ、と繰り返されるパターンの入れ方、計算が絶妙。各キャラの目線の方向が微妙に調節されていて、配置に無駄がない。巨大樹年輪のネタも親切だし。

 せっかく動物マニアのイラストレーターがついたんだから、動物の挿し絵もあればよかったのにとか。ヘビが出た時はイラストつくと思ったのになー。安い仕事で精密な絵は描かないか。次回に化石ネタがあったら、是非化石絵を! うう、でもソノラマはイラストの位置ってものがわかってないのだ。むかしから……。

 参考リンク。日記での追加感想と、麻弥さん3/29物語の構成美について。

★タツモリ家の食卓2  17点
 |電撃文庫|00/09/05|作:古橋秀之|挿絵:前嶋重機

【物語】おわらいファーストコンタクト。

 続き物。なんか散漫。3巻が出るまでなんとも。とりあえずバルシシアとその周辺がかわいらしいので、あのあたりが好きな人はいいかも。バルシシア姉かっこいいし。ただ、キャラ紹介やら展開やらがものすごい中途半端なとこで終わってますので、そういうのがイヤな人は4巻を待つ方が。

 口絵ポスター(?)のバルシシア乳は釣り鐘型すぎるような。個人的な好みからいえばもうちと心持ち大きめでろんぱってた方がいいです。でも釣り鐘型固定の方がギルガガガントスっぽいか。

★ぼくらは虚空に夜を視る  20点
 |徳間デュアル文庫|00/09/5|作:上遠野浩平|挿絵:中沢一登

【物語】

 完璧。
 ちょうど今、こういう話が読みたかったんだよ。

 冥王と獣のダンスとこれって、受賞後ボツくらってた時期に書かれたのかもしんないなあとか。だいたいパンドラ前くらいとかに。っだとするとテイストが似てるのは時期的なものか? とか。でも最終的なクリーンナップはしてるだろうから、いいのか。
 他の話との関連性について。SF大会とかで聞いた上遠野話。
・ブギーポップ自体が、世界の味付けに今まで作ってきた話の設定をぶち込んでる。
・それぞれの話がリンクしてるかどうかは好きに判断してくれ(別にどうでもいいし、って雰囲気)。
 ってこれ感想じゃないか。
 とりあえずこの話も個人的な経験に近いので、なんか語っても無意味なような気がしてしまいました。

★フィールド・オブ・スターライト 砂漠の花嫁  15点

 |角川スニーカー文庫|00/9/04|作:鷹野良仁|挿絵:木村明広|
【物語】潜水艦風宇宙戦艦スペオペ風青春戦争もの。新任艦長の続き。

 キング君が好きだったので、これはなかなかいけました。
 ただ、個人的にはこういう話は大好きなんですが、あー、おすすめとまでは。おすすめ度は低いけど、当たる人には当たる。今回も連邦の規模とか、どこと戦争してるのかとか、世界がよくわかんない。キャラものってほどキャラに依存してないので、ほんとに好みで左右されますな。ちらっとでいいから書いてくれるとリアルが増すのにー。
 中途半端にハードなので……って、完全にハードじゃライトノベルにならんので、編集側から注意が入った可能性があるかも。ここだ、ってオススメポイントが見つからない。が、自分は好きな話なので次回作も買う。
 青臭い戦争話が好きな人、鋼鉄の虹で緑国軍事関係が好きだった人はいけるかも。文章は達者な方なので、読みやすい。

★革命暮れて皿洗い  17点
 |ファミ通文庫|00/09/1|作:川崎康宏|挿絵:幡池裕行

【物語】ガンゴースト(シリーズ?)。

 作者が実際に皿洗いのバイトをしていたのではと思わせる皿洗い描写が絶妙。
 作者が実際に遭遇したかどうかはわからないが、巨乳描写がすばらしい。今はやめちゃったけど、会社の先輩が超巨乳で、制服の白ブラウスはちきれよ、血管も透けよとばかりにふくらんだ乳を見たときはいやもうびっくりしました……とか思い出した。これは女子の描写っつーよりは肉体描写? 巨乳ネタもいいです。
 お話はまあまあで、おすすめまでは行きません。挿し絵が双角小隊と同じ系列絵なのはどうか。あと、同じガンものなのでアウトロースターを彷彿とさせちゃうし。エンブレは挿し絵の選び方がへたくそだと思います。

★隊長は倒れてる  16点

 |富士見ファンタジア文庫|00/3/20|作:川崎康宏|挿絵:るりあθ46|
【物語】進め!双角小隊……シリーズ? めがね、ちび、ドジっ娘小説。

 「銃と魔法」の川崎康宏が5年の沈黙を破って出した萌え小説。主人公がものすごーく嫌いなタイプだったのでつらかった。この人は女子の描写より男子の描写の方が優れているのでは。
 特筆すべきは衛生兵。ネタ割れしたくないのでアレですが、衛生兵のために読んでも悔いはないでしょう。死体を利用したゾンビ製造班(工兵系?)とかいそうで怖い。
 挿し絵はかわいい。挿し絵のおかげで主人公のムカっぷりが押さえられてるかも。

★冥王と獣のダンス  16点
 |電撃文庫|00/08/5|作:作:上遠野浩平|挿絵:緒方剛志

【物語】異世界スタンド超能力戦争ひとめぼれ最終兵器彼女と彼氏。

 主人公のトモルさまがバカったれで、かわいらしい。無駄に傲慢で、ナチュラルに他者に甘えかかるあたりが盲目バカで。
 双子や戦車っ娘もそこはかとなくかわいいし、気の抜けたキャラものってとこで、そこそこおもしろかった。しかし夢幻がオタク容姿とかだったら、この話成立しないじゃん。あー、したらただのトモルさま立身出世物語か。それかトモルさまがブサイクスキーだったらとか。

★キノの旅  16点
 |電撃文庫|00/07/6|作:時雨沢恵一|挿絵:黒星紅白

【物語】電撃ゲーム小説大賞候補作。ガリバー旅行記風。

 悪くないけど、良くはない。
 文章が読みにくいので、入るのに時間がかかった。寓話なのはいいけど、もうちょっと整合性? リアル? があってもいいんじゃないかなあ。毒の部分に裏打ちがないので、せっかくの毒があんまり効いてこないというか。
 話を通して、漠然としたなにかが浮かび上がってくるようなら好みだったかも。でもそうするとテイスト変わっちゃうな。長編を読んでみたいところなので、次回作は購入予定に入れます。おすすめとまではいかないけど、悪くないってことで。トータルで凡作と良作の中間。あー、第一作だからいいけど、次回作でもこれをやられたらどうだろう?
 こんな話が出版できるのも、ブギー効果なんでしょうか? 挿し絵もデザインも悪くないけど、ブギーポップの雰囲気を彷彿とさせすぎでは。
 特筆:鎌部デザイン。

★ダブルブリッド3  16点
 |電撃文庫|00/07/5|作:中村恵里加|挿絵:たけひと

【物語】電撃ゲーム小説大賞金賞の続き。公務員妖怪ハンターもの。

 今回いまいちだったら読むのやめようかと思ってたんですが、今回のは読みやすかった。ヒロインの出番が少なかったせいか、人体破壊系の書き込みが少なかったせいか。
 このシリーズの、キャラとかキャラの情念のこだわりがいまいち合わない。なんというか、前田珠子の「破妖の剣」に似てます。ヒロインは物理的、精神的にいじめられるんだけど、それがただの紙に書いたいじめでしかなくて、実際はすべての登場人物が彼女をラブラブ愛してる。憎しみすら愛の一形態でしかない。登場人物の全員が主人公と等距離にあるために、なんかえぐくて息苦しい。
 それが今回緩和されてた。そうすると細かいガジェット部分のいいとこが見えてきて、けっこーいいかもって気持ちになります。
 あー、ただなんだろ、キャラの距離感がブギーポップ系というか、そんな雰囲気に近くなってきて、元々のえぐさ=個性が薄れたかも。パーツのバラバラ感は希薄になったけど、物語そのものも希薄になってる。次こそが正念場か?
 やっぱ別作品を読んでからでないとまだわからんな。とりあえず次回は買います。
 あの著者近影はどうかと思うなあ。

 挿し絵変更。かわいいし、いいんだけど、前のヒロインの顔も好きだったなあ。

★アース・リバース  15点

 |角川スニーカー文庫|00/7/02|作:三雲岳斗|挿絵:中北晃二|
【物語】SF風異世界ロボット天空の城ラピュタもの。

 炎海の設定(メタンガスどうこう)は悪くないのに〜。むしろいいのに〜。提示した設定やアイテムやキャラ造形を不用意にキャンセルしすぎて無理が爆発。1クールの真夜中アニメを短く短くノベライズしたみたいな超激駆け足話。キャラ造形が駆け足なのに人数出しすぎ。ヒロインかわいくないし、キャラが考えなしで悪役はバカすぎだし。主人公たちに都合よく物事運びすぎるし、実は**ネタ多すぎるし、地の文と台詞のトーンが乖離してるし。好みがあると思うが、ネーミングがちとあざとくないか。
 キャラ配置的には富士見の「神々の砂漠 風の白猿神」に近いです。同じラピュタものだし。んが、テーマの寄って立つところが全然違います。「神々」はむちゃくちゃ下手っぴーですが、ライトノベル的にはあきらかに「神々」のが正しいので、文章のうまさとライトノベルとしての良さについて理解してみたい人は比べて読むのがいいかも。
 文章はほんとに結構うまいので、ノベライザーになるか、ライトノベル外で活躍した方がいいかもしれん。この話も設定をきちんと練り込んで、設定から算出できる無理のない話にした方がよかったのでは。ロボ抜きで。つーことでSF大賞に応募したのはよかったのかも。読んでないからわからんが。
 作者はSFセミナーで「今後も十代の人が読むようなヤングアダルトを書いて、SFとの接点になりたい」的な発言をされてましたが、このキャラ造形で行くようならかなり難しいのでは。
 カラー口絵はいいです。乳がタイプです。白黒は表情がよく出てないのが残念。紙質の問題かも。

★若葉色の訪問者  18点

 |角川スニーカー文庫|00/6/30|作:麻生俊平|挿絵:橋本正枝|
【物語】なぞの転校生もの。正当派ジュブナイル。

 ジュブナイル縛りで再読しました。星虫よりこっちのが自分的には受け入れやすいというか、ヒロインがあまりにもかわいい。徹頭徹尾朴念仁なのにあざとくない。無理なバトルシーンもないので、非常に読みやすい。登場人物の思考と感情、行動理由が受け入れやすい。無駄がまったくなくて、シャープでストレート。
 物語に整合性もあるし、地球外侵略性生命体の設定もいいし、ユニットの使い捨て設定の理由とか、細かいとこがきちんとしていていらいらしない。設定がスーパー過ぎないので、設定とキャラの動きが足を引っ張り合わないところとか。名作。絵もいいし。つーかイラスト買いで大当たりだった例。シリーズものより単発のがすっきりしているかも。配分とか違うだろうから当たり前か。

★星虫  16点

 |朝日ソノラマ文庫|00/6/30|作:|挿絵:鈴木雅久|
【物語】宇宙からやってきた星虫と少年少女の交流物語。正当派ジュブナイル。

 悪くないけど、ちとこれを読むには年を取りすぎました。10年前だったら素直に面白かったと思う。登場人物の思考ベクトルについてけないのです。
 ものすごく都合よく物事が進みすぎなのが、かなりつらい。ヒロインの性格も好きになれなかったし、恋愛部分の挿入もなじめなかった。星虫の設定や周囲の反応は面白いけど、巫女云々は萎える〜。主人公の努力が殺される感じ。星虫が主人公の上で育つのは主人公の努力によるからいいけど、直感だの巫女だのと言われるとちょっと。パーツ同士のかみ合いが悪いような。
 まーSFの人にはこういうの受ける風潮があるってのはわかるけど……。感情移入しやすいスーパー主人公の造形は難しいのう。

★フルメタル・パニック! 同情できない四面楚歌?  17点

 |富士見ファンタジア文庫|00/6/18|作:賀東招二|挿絵:四季童子|
【物語】学園バトルアクションラブコメ短編集。

 今回は林水会長はじめ登場人物の過去話。書き足しページが多い。
 お笑いとシリアスの混合具合がなかなかです。まだ荒れてない、大丈夫大丈夫<誰に言い聞かせているのか? でも鰯水、じゃねえや林水くんにはもっと意外な過去を付け加えて欲しいです。この高校に来た理由はわかっても、あの性格の理由がまだまだ。

 書き下ろしはクルツ、マオ、ソースケの出会い話で、ちょい萌え。

★Beat Gunner(1,2)  14点
 |角川スニーカー文庫|00/06/7|作:浜崎達也|挿絵:洋武|

【物語】ソ連VSドイツ風航空機アクション青春もの 

 2巻を買い忘れてました。全2巻。
 ライトノベルのいいとこと悪いところが同時に読めて、いいところが出そろってるにもかかわらず、悪いとこが勝っている。残念無念無念。トータルではすごい面白いと思う。デビュー作よりいけてるし。
 個人的にはこういうの大好きなんだけど、もー粗が目立つのでおすすめできない。キャラ多すぎ。ただ、こういう作品がないとライトノベルとは言えないので……。作者の気持ちはわかる。熱いし。でもテーマが全然絞り切れてないので、途中でぽかんと飽きるんですよ。もったいない。敵の書き込みも足りないし。あの枚数で敵を詳細に書こうとするのは無謀。
 飛行機もの、WW2もの、多少の演出ぶれが気にならない人向け。恋愛話は全然だめです。あとがきも興味を引かないし。
 イラストは最高。このイラストレーター、文庫のイラストってものがわかってます。
 鋼鉄の虹で緑国が好きだった人にはとてもおすすめ。

ネットワーク・フォックス・ハンティング  19点
 |集英社スーパーファンタジー文庫|00/06/3(再読)|作:一条理希|挿絵:シラトリユリ

【物語】災害パニック&ネットワーク礼賛もの

 悪いところはたくさんある。が、とにかく若書きの名作の代表みたいな本。作者の気持ちがものすごくストレートに伝わってくる。
 今読むとちょと古いんだけど、阪神大震災ちょい後くらいだとこれくらいでしょう>機械のスペック
 よくできたアメリカドラマみたいに、同時進行で進んでゆく細かいエピソードの入れ方、お約束の泣きエピソードのタイミングがうまい。技術じゃなくて感覚で押してるっぽいけど。ライトノベルのいいとこと悪いところが同時に読めて、悪いところが出そろってるにもかかわらず、いいとこが完全に勝っている。「若書きの名作」ではあるけれども、とにかく作者にライトノベルの基本ががっちり出来ているから書けた作品でしょう。一読の価値あり。あんま売ってないけど。

★ EDGE 〜エッジ〜2  18点
 |講談社X文庫ホワイトハート|00/06/1|作:とみなが貴和|挿絵:沖本秀子

【物語】天才プロファイラーもの。

 作を重ねるたびに上手くなる。これでトータルバランスがよくなれば、ほんとに講談社ノベルズでオッケーなんだけどなあ。
 少女と青年側の描写に比べて、大滝側描写のテンションが低い。強弱つけるにしても、もうちょっと工夫があればもっとよだれ出るくらいの本になるのにー。宗一郎の年齢が10歳になったのはいいけど、そんなに大人になったようには見えない。12歳くらいになるとかなり大人っぽい思考になるので、次の巻が楽しみ。

 webを見ると、作者はランサムファンらしい。子供の描写がうまいので、子供物もいいかもしんない。

★フリクリ  *点
 |角川スニーカー文庫|00/05/25|作:榎戸洋司|挿絵:鶴巻和哉|

【物語】アニメのノベライズ

 挿し絵買い。ウテナとかの脚本家。
 ノベライズの感想は書かないことにしてるのです。ボロクソに書いちゃうからと、最近アニメやゲーム本体やらずにノベライズだけ読むような人生なので。
 これアニメ見てないんで、トータル評価不能なんですけど、アニメの脚本家とは思えないくらい文章がうまい&読みやすい。作劇上のサプライズとかはアニメに依存してるのかもしれないけど、脚本家が小説書いたときによく出すミョーな癖とかが一切ない。こんなに普通の文章を書く脚本家は初めてなので、特記。まるで小説みたい。アニメ見ないでこれだけ読んでもけっこーいけます。適度にスカスカなとこも好感度。

 ニュータイプ連載中の「少年王」も読むべきかも。

★デモン・スレイヤーズ!  18点
 |富士見ファンタジア文庫|00/05/11|作:神坂一|挿絵:あらいずみるい|

【物語】スレイヤーズ! 長編最後の巻。とりあえず。

 そろそろ読む人は読んだらしいのでネタバレてもOK? ちょっとネタバレます。

 全盛期を思わせるネタのラッシュに満足しました。いかにもスレイヤーズらしい展開。ラストはもっとも望んでいた形になったし。戦争そのものは終わってないけど、これ以上引き延ばしてだらだらやるよりよかったでしょう。故郷の姉ちゃんは一生出さなくていいから。

 神坂一の不幸は、デビュー作が異様に売れてしまったことでしょう。あれだけ売れると、他の作品売れなくなりますわ。だってスレイヤーズじゃないから。
 スレイヤーズそのものも、アニメやゲームラッシュで、ネタ暖めてる余裕がなくなったと思われるところが気の毒です。うーん、まあギャグやる人はこうやってすり切れて死んでゆくものだし<そこまで言うか
 ギャグよりアイデアに素養があった、どころかまだある作家なので、そのあたりを軸に是非とも新規まき直しを希望。いいイラストに当たれば……。
 いくら版権ものとは言え、98版から始まってロクなゲーム出なかったね。気の毒に。

 イラストは悪い。スカスカ。

 メールはこちら>jaf01724@nifty.ne.jp

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