エヴァンゲリオン接触編



 その夏、潮来は熱かった。

 なんで王立も知らねばナディアも見てなかった私がそこへ行ったのか、今となっては運命のイタズラ(大爆笑)としか思えないが、とりあえず野田大元帥バンザイ状態で、行けなかったSF大会の復讐として出かけたのだと思われる。ええ、おいでになりませんでしたよ、野田大元帥は。

 コスプレしろと案内書にはあったので、コスプレしてコンタクトして、オープニング会場に入ったらオープニングアニメを一時間ちかくやるという。げろげろ〜ん、流行の声優アニメでも流すのであろう、途中で抜けてしまえくらいに思った。なんといってもガイナックスのイメージといえば、当時の私には「ナディア」だった。なんとかいう声優(みやむー(笑))も呼んであるとかないとか。知るか。気持ちはすでにカラオケだった。どうせコンタクトでよく見えないしなー。

 死人の武田氏が挨拶した後、上映が始まる。
 オープニングはない。いきなり水中を謎の影が横切る。

「なうしかみたいだなあ……」
 少年が登場して、ますます宮崎臭いのう(ちょっとイヤっぽく)、とか思う。

 そこに彼女が現れた。

「しょ、少年ドラマシリーズ?(みたいだよなあ)」(笑)

 彼女はすぐに消えた。「あなた……誰?」
 席を外すタイミングは、とっくの昔に失っていた。

 電線がひょうひょうと鳴り、地雷が爆発し、とうとうそれは現れた。ちょっと待て。

「ゆ、有線……! 有線なのかぁ!?」

 電源のあるロボット。あまりに当たり前で、しかも不自然な。

 くわあ。<はまった音

 有線有線有線有線有線有線(以下略)。

 アヤナミよりも、パパよりも、副指令よりも、有線だった。最初は有線だったのだ。

 第壱話が終わる。
「じ……時間、凍った?」
 何だ、今のは何なんだ、つー空気に会場が侵されて行った。精神汚染である。
 集団の心理は恐ろしい。
 そして弐話が始まる。

 深夜まで、その話をしたと思う。
「いやあ、あのロボット有線だよ、かっこいいねえ〜」
「アルピノの子萌え」
「あのセラムンのお姉ちゃん(ミサト)があんなに活躍すんのさえなんとかなればなー、もっと面白いのにねえ。わざとらしーよなあ」この意見は後々まで引きずられた。とくにゲロの回

 好評のあまり、閉会式前にも上映が行われた。用があったので見られなかったが、私の胸はすっかり有線ロボットのと・り・こになっておった。

 その日潮来に、数百人の伝道師が生まれた。


 つづく……  次回、えばんげりおんエヴァンジェリストを名乗って布教するわし(笑)。


 潮来から帰って、いきなりガイナネットに申し込むわし(爆)。

 身近の者に「とにかく見てくれ」と布教し終わった。次はネットだ!
 サークル(ニフティのホームパーティ)でも宣伝し、SIG(ニフティのフォーラム)でも 宣伝する。アニメ全体の視聴率の高くない場所ばかりなので、当然レスポンスはほぼない。

 しかし。とにかく、1話だけ。1話と2話だけ見せてしまえば、 皆坂道を転がり落ちるに決まっている(断定)ので、とにかく日付と 時間だけ覚えてもらう事に専念する。
 以下は、いわゆる女性アイドル声優嫌い(主に某緒方M氏)の友人に勧めるわし。
「いやあ、いいよーテレ東の新番」
「タイトルは?」
「水曜の6時半」
「タイトルは?」
「水曜の6時半」
「……声優は?」
「……ゴールド3兄弟の人(注:碇ゲンドウ)」
「主役?」
「うん(あながち嘘でも(笑))」
「(本当かよ)他は?」
「えーと、宮なんとかって言うアイドル系(この時点で全然知らず)とか」
「とか?」
「子安と、知らない人たち(大嘘)」
「(アヤシイなあ)ふーん。で、どんな話なの?」
「コンセント付きのロボットが出てきて、怪我した女の子がパイロットで」
「ああ、あんた怪我人と病人(?)大好きだもんね」
「いやそうじゃなくて(そうなんだけど)」
「女の子が主役のアニメ見てもなー」
「いや、主役は男の子なんだけど」
「へえ。じゃあ、声は誰なの」
「……くっ(涙ぐむ)」
「……誰なのよ」
T山みなみ(爆)

 伝導失敗。
 結局彼女はLDが出てからえばを見た。

 教訓。声優ファンよりも、アンチ声優ファンの方が、説得が大変だ。


 次回、作画ダメダメな3,4話に愕然とするわし。

 布教活動が一段落して、ネットにもエヴァ関連の書き込みがチラホラ、ほっとするわし。

 まだ見ぬ参話に期待して、TVの前に控えるわし。……あれ? 絵が変だぞ。
 シンジの顔が、カエルみたいだ。色も薄いし。それに、何で学校行くかね? 基地内にキープしておかんで、大丈夫なの?
 ……は、背景が強烈(笑)。すんげーへったくそ。なんとかなんねーのかぁ! せっかく布教が一段落したところで、客を逃がす気でスか?>ガイナックス

 四話で作画はさらに悪化。この回から見始めた友人に「全然よくないじゃんかよー」などと詰られる。こ、困った。レイちんさえいれば、なんとか言い逃れがきくものを! 動かないのはともかく、絵が変! すごく変! キョーレツに変! 基本的にシンジの心情などにはじぇんじぇん興味がないので、シンジくんの悩みなど「ほんでもってチンプイ!」てなもんである。ロボットに乗るか乗らないかで悩むなんて、アニメにおいては記号的活動でしかあらへんやんか(と、トウジのやうなニセ関西弁)。
 そうそう、ニセ関西弁にも抗議の声が(笑)。リアル指向の番組で、なーんでこんなニセ関西弁をしゃべらせるのか??? 実はリアル指向(じゃないよな?)っつーことは、この時点で見抜けず。

 余談だが、うちの姉(主婦)は1話が終了した直後にわしの会社に電話して来て、狂ったように「レイちん」について語り倒す女。その彼女もこのあたりは……らしい。
 しかし次回予告にキョーレツな仕掛けが! 次回はレイちん? ぐはあ! ヤラレたぁ! もう見るっきゃない?


 次回、またもやダメダメな作画にショックを受けるも、少し上向きになる五、六話からアスカ登場前夜。


 不安な気持ちを抑えつつ、TVを拝むわし。
 ……なーんか白っぽいなー、色が。こんなとこにパイロット住ませていいのかなー。あ、ぱんつが白。……ギコチない演技(絵的にね)。ロングはかわいいなあ。横顔も。……って全部レイちんのお話デスかぁ!?
 そう、この頃のわしはレイちんにメロメロかぁはわゆぅういぃいいいいんとか言ってました。バカです。
 だから五話の、色黒な笑顔はゆるせん! ゆるせんのだぁあああ!
 とかいいつつ深みにハマるわし。当時VANでは使徒協同組合とか言って、ハンドルを全員<第参使徒><第五使徒>などとし、エヴァについて語るOLTなどを催してました。


アスカ襲来!
 ……ってアンタ、死にたくなりましたよ。
 前回のミサト謎の行動? もエヴァあ(ミサト発音)の嘘かっくいい動きと礼服でチャラ! と思ってタんでスが、アスカ様襲来!
 ああ、オレ様ちゃんイメージの中のかっくいいどシリアスなSFロボットアニメがはぁあああん。戦闘シーンはかっくいいけどさー、もっと暗い話を期待してたのにひぃいいんん。
 とりあえず心でもナンでも重ねてもらって、レイちんに逃避しつつ視聴。このころ、周囲もようやっと追いついてくる。最初2話とのギャップを責められるが、そんなことはタツノコかガイナックスに言ってくれや。あたしゃ知らんて。

 このころ、結構嫌いキャラだったミサトを、加持セットで好きになる。いや、礼服姿とか外部はオッケーなんだけどちょーっちうるさすぎるぞてめー、みたいなイメージでしたから。
 ニフティのSGAINAXを読まなくなったのもこのころでしょか。なんか「シンジくんの気持ちがー」「レイさま萌え〜」「アスカ様〜」になってきたのと、量が多くて読み切れなくなったのと。ホント、シンジの気持ちなんてどーでもいーっすよ。いやマジで。シンジ嫌いだもん。あいつ性格悪いよ。
 アスカ様はダメダメ。ナニこのオンナ、チョーむかちゅくー! みたいなー? トウジの嘘関西弁もイライラ。ケンスケのジャンぶり(ジャン=ナディアの人。見てないから知らないが、ねーちゃんがジャンとそっくりだと言ってた)がなんとか許容範囲。
 救いはオヤジ陣か。特に心重ねて戦闘するとこの、うれしそうな冬月オヤジの表情がグー。いいねー。


 次回、しかしお話はさらにアスカ様寄りに!

 「マグマダイバー」「静止した闇の中で」「奇跡の価値は」など、とにかくアスカ紹介エピソードの陰に見え隠れする謎の世界に、ちょっとカイカンを感じ始める。しかし「静止……」の作画はヘン。それはもう、ヘン。
 このころ、「どうも壱、弐話の精緻な演出はあれっきりらしい……」と気付き始める。なんせガイナ祭の段階で、第拾弐話がだいたいできたトコーって話だったんだから、ちょっと今後かーなーりーヤバヤバ? と、ちょい不安に。アニメ誌などでも盛り上がりを見せているが、ちょっと違うなーと思い、情報を切り始めた。そのかわり、少年エースを「エヴァ」と「グルマンくん」のために買い始める。うひゃ。

 それでもまだぽちぽちのぞいていた各種パソ通が、妖しく赤熱し始める。何に対しても、ちょっと突き放しがちの反応を示すPC-VANはSFDBまで、ちょっと熱め。それでもまだよそよりは冷静だったけどね。
 どかどかと寄せられるシンジ寄りのご意見と、レイ・アスカ萌え萌え、元ネタ探しがさらにさらに書き込みの主流になる。せっかくリアルなドラマなのに、一部声優がヘタクソだ、などの話題が身の回りで。しかしエヴァはリアル指向のドラマじゃあなかったのだ。

 このころヤだったのは、エヴァ信者の暴走。それはまるで機動戦士ガンダムを見たことないクセに、ゼータガンダムとやらを最高傑作と持ち上げたあげくGガンダムを否定する馬鹿者どもを見るような気分、と言えばわかってもらえるだろうか?
 にわかエヴァファンに、「今までになかった傑作」とか言われるとムカつくよな。たとえば「ビューティフル*リーマーからエヴァンゲリオンまで」なタイトルつけてみるとか。あーそんな範囲でアニメ語るなよ! もっときちんとアニメ勉強してから(笑)、モノ言えや。まあ、アニメ知らない同士でべちゃべちゃ舐めあってりゃいいんかもしんないが。アニメってのはなあ、リアルタイムで育まれる、時間軸と空間軸のある文化、共通体験なんだってーの。その間に流してたCMや、そのころの自分が何してたか、そーゆーことまで関わって来るようなもんなのよ。

 ブレードランナーを見ないでサイレントメビウスを語るってトコですか?

 閑話休題。オープニングに若いゲンドウや、赤い顔(お母ちゃんかと思われていた)がいることなどが話題となり、確認。WEBでエヴァページが増え始め、とにかく検索しては読む日々。

 「静止した闇の中で」は、エヴァのアクションや音楽がイケててよかった。


>>戻る>>