金色日記 Diary in Gold


11月23日(木曜日)

 『エクソシスト__ディレクターズ・カット版』____ウィリアム・フリードキン監督+ウィリアム・ピーター・ブラッティ原作・脚本+エレン・バースティン+マックス・フォン・シドー+リンダ・ブレア(リーガン)+ジェーソン・ミラー(カラス神父)

 これは確かに、恐怖映画の古典である。いきなり「悪魔が憑いている」という結論になるのではなく、12歳の少女の体調の異変から始まり、いろいろ医学的な検査をする。そういうところもていねいに描かれている。しかし……

 「あまりのショッキングさのために封印された『禁断の15分』、初公開!」の、その「15分」とは、いったい、どこだったのかーーー?(というほど、われわれは、「恐怖」に慣れ切ってしまったのであろうか?)


11月25日(土曜日)

 実は、この日のことではないが、ちょっと前に、『噂の真相』を立ち読みした。ここの「記者」は、村上春樹になにか怨みでもあるのか、あるいは、怨んでいる人が「記者」となっているのか、「嘘つき」とか、「内容のない水増ししたような本を次々出して金を稼いでいる」とか、村上氏はボロクソに書かれていた。それがほんとうかどうかは知らない。しかし、一読者としては、やはり、公にされたテキストだけで判断するのみだ。

 『噂の真相』があげているような、村上の「薄っぺらな内容の」著作にはあまり興味がないし、小説の読者でもないが、前にこの「日記」に書いた『翻訳夜話』を読んだかぎりでは、やはり「良心的な人」と言いたい。だいたい、翻訳という作業は地味で根気がいる作業なので、そういうものにとりくんでいれば、その間は、(人気作家であるのだから、常に本を出すことは請われるだろうから)「薄っぺらな内容」の本を出すしかないし、「ジャーナリスト」に対しては、冷たくもなるだろう。

 私が、「良心的」と判断する基準は、自分の持っている情報を一般に公開するかどうかだ。

 『噂の真相』は、芸能週刊誌を立ち読みする感覚で、つい手に取ってしまうのだが、そこに書かれてあることが真実かどうかはともかく、ああいう、妙にテンションの高い「芸能ジャーナリズム特有」の文体、スタンス、世界観というものは、地道な知的作業とは相容れないところがある。

 ところで、そういう「世界観」とか「文体」というのは、大真面目でネットの掲示板で自説を展開している中高年に多いんだなー……(笑)。

 これを書いている11/26午前8時半、外は深い霧だ。


11月28日(火曜日)

 当地に、「チャチャタウン」なるショッピング・モールができた。博多のキャナル・シティほど大規模ではないが、たしか、オープン前にもMapfanかなんかのニュースレターでも紹介されていて、その時すでにHP↑があった。オープンは11月23日だったが、ほとぼりの醒めたであろう昨日、行ってみた。すべての店を見たわけではないが、なんか気にいってしまい、今日も行ってしまった。家からは、ちょうど、バスで駅へ出る道の中間にあるので行きやすいこともある。

 なんで気に入ったかというと、パリの「パサージュ」を思わせるのである(ほんとかよ?)。


12月2日(土曜日)

 知らない間に、今年も終わりの月になっていた。こんな速さで時が進んでいくとしたら、ほんと、この先、どうなるんでしょう? 人生。

 かねてよりの「約束」であった、城さんと萩尾さんを、ワインバーへ連れていく。このワインバーは、当地で「一番ワインに詳しい」という評判の人が経営している。昨年の「フランス年」関係の行事でも大変お世話になった。えーーー? あれは、もう昨年かー……。

 バーといったって、というか、バーだから、というべきか、カウンターと、奥にコタツが置いてあるのみ。奥のコタツは、客用なのか私用なのか、よくわからない。

 カウンターも10人座れるかどうか……。ほんとうに、「趣味」で開いているような店だ。店といっても、唐十朗の芝居のようである、といえば、わかる人にはわかるだろう。しかし、ワイングラスはぴかぴかで、シンプルながら大ぶりで、ワインの種類に合わせて変えてくれる。ここでの注文の仕方は……

 「ええとねえ、赤のオ、軽くてフルーティーなやつ」などと、好みをマスターに伝えると、それに見合ったやつを出してくれる。

 三人三様のものを出してくれるので、一杯を回し飲みしたりして味わってみる。その日、出してくれたワインは……

 Vosne Romanee(あのロマネコンティの「親戚」と言っていいワイン)
 Chateau de Fieuzal(フレンチ品種だが、出してくれたのは、カリフォルニアと言っていた)
 Tavel(辛口ロゼ)
 Cotes de Rhone の赤のなんか
 東欧赤のデザートワイン(華やかな強い、ラズベリーのような香り
 イタリア産の赤のなんか

 もちろん、グラスワインだが、その場でボンボン開けながら出してくれて……これで、一人、2200円なんて、いいのかねー……???

 例によって、萩尾さんが酔っておおはしゃぎになってしまって、それから、またホテルのバーへ向かったが、さすがに、やっぱりお酒はもうだめ、コーヒーにしようということになった。これで、音楽があれば、完全に踊りだしてしまうと、萩尾レイコは言っていた。なんでも、職場の宴会で、トイレで誘われ、知らない人たちの方の宴会の舞台で踊ってたというから……(タモリみたいなやつだなー)。


12月12日(火曜日)

 ひぇーーー、もう12日ぃー? ほんとに……今年もまた不遇のまま暮れるだろうか? そういや、今日、書店で見た、夏目房之助の『これから』(祖父漱石の『それから』をパロった)は、来るべき50代の生き方を綴って、面白そうだったなー、とは思えど、買わず。

 「これまで」、なにをしていたかって?

 12月5日、6日→唐津の「温泉」へ。しかし、「温泉」ではなかった。ただの「大浴場」(大して大きくもないが)で、ただの「旅館」なのだった。唐津に「温泉」はないか。しかしこの旅館は、ただものではない。なんせ、30代キャリアの女性誌『Domani』の付録「女性にやさしい名旅館」に出ていたんだからね。なるほど、Domani風の女性二人が、お庭を散歩していましたわ。一方、中年夫婦風も見かける。なんで? あとで、中高年向け女性誌『ミマン』にも紹介されていたことがわかる。りっぱなホームページもあったが、あえてリンクはやめとこ。関心のある方は検索していってください。

 嵐山光三郎の紹介文も載るここ、「洋々閣」→

 シブイざんしょ?

 同行者→ハギオレイコ→ きゃ〜〜、かっこいい〜〜!

 料理+器(なんでも世界的に有名な、中里隆センセイのお作であるとか→

どうりで早々と片付けると思ったわ(笑)。一応、「向付け」というのか。

 お城のお堀→ なかなかよいね。

 まだまだいろいろ撮ったが、切りがないのでこのへんで。あ、最後に、わたし→ コスモスとともに、(ハギオさんがいるにもかかわらず)自分で写す。勝手にシンドバッド。

  12月7日〜10日→親の家をモバイルの拠点にと目論み、愚弟にパソコンを買わせたはいいが、その責任を取り、パソコン設定、ISDNの準備のため、(わざわざ)愛知の親の家に行く。

 そして、疲れを癒し、今日に至る。あー、やっぱ、不遇で暮れるか()。


12月13日(水曜日)

 『タイタス』___ジュリー・タイモア監督(『ライオン・キング』の演出家)+アンソニー・パーキンス+ジェシカ・ラング

 どうも私はシェークスピアに対して不感症のようだ。あんまりいいと思ったことがない、というか、インスパイアされることがほとんどない。本編のもとになっている、『タイタス・アンドロニカス』は、ローマ帝国がまわりの属州とごたごたを起こしていた時代の、そのごたごたを題材にしたもののようだが(読んでない(笑))、これは、ちょっと前に、レイフ・ファインズの芝居で観た、『コリオレイナス』も同じ種類のもののようだ(これも読んでない(笑)。

 で、この気鋭の監督は、結構野心的なシェークスピアを作った。古典を脱構築している、というか。しかし、結果として、しそこなった、ようである。というのも、「意匠」は新しげだが、テーマが古いままなのよ。

 帰って、ビートルズの『1』を聴くが、これに関しても、実はシェークスピアと同じような感じを抱いていたが、こっちは、聴くほどに、なんか「わかってきた」感じもした。「わかる」必要などないのかもしれないが。



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