金色日記 Diary in Gold


4月28日(水曜日)

 『ライフ・イズ・ビューティフル』___ロベルト・ベニーニ監督+脚本+主演。アカデミー賞外国語映画賞+主演男優賞を獲った、その受賞の「喜び方」が並外れていて話題を呼んだ作品。

 あまりにもあからさまな題名ゆえ、あんまり期待してなかった。

 でも、最後はやはり泣きましたね。

 この映画は、全面セットを使い、それを書割風に強調するなど、はなから「作り事」であることを演出として打ち出した作品である。そこがまず、ヒューマンなお涙ちょうだいリアリズムより、見る者を引きつけた。私は勝手に、フェリーニへのオマージュとも取った。しかしフェリーニほど、才気走ったところはない。第2次大戦中のナチスによるユダヤ人ホロコーストの扱いも、「嗤う」にしろ、ウッディ・アレンほどは、毒がきいてない。それが、ま、ベニーニが、「凡庸な才人」といった印象であるゆえんであろう。

 「凡庸な才人」は、「芸術派」からは嫌われる。

 しかし、まあ、私は、とりあえず、「人生は美しい」と言う側に立っておこうと思う。

 というのも、この映画の主人公が守ろうとしたものは、わが子の命だけではなく、恐怖に晒される心であり、それは、やがては殺される運命にある者たちを救えないとしても、意味のあるものだからだ。

 ホロコーストの悲惨さを気軽に扱っているとの批判もあるだろうが、この映画の目的は、喜劇でその「犯罪」を告発するというよりは、人はどんなときも、恐怖を克服する権利を持っている、ということを言うことだったのではないかと思う。

 (……って、そこまで考えられた映画かどうかはわからないけれど、弁護の言葉として)。



4月30日(金曜日)

 ひぇ〜〜〜、今日で4月も終りかー……。

 セリーヌ・ディオンの仏語版アルバム、"S'il suffisait d'aimer"(「愛するだけでよかったら」)を流しながら、口をついて出る歌は、「馬鹿言ってんじゃないよ〜、オマエとオレはぁ〜……♪」(笑)。



 気持ちいい日が続いている。陽気のせいか、変なメール(といっても、よくある、いやらしいメールとか、いやがらせのメールとかそういうのではない。あくまで、私の基準は厳しいことをここに強調しておく。よそのサイトなら、ほとんど問題のないメールであるが)が時々来るようになった。「ひょっとしてオレのこと……?」と思ってる、アナタ。そうです、アンタのことです。

 ま、私のことだからさー、「こいつ、バカじゃないの?」と思っても返事出しちゃけどさー(笑)。

 思慮深い人は、そうやすやすとはメール書かないわなー、と内心思ってる私である。



 戯れに、ボルヘスのスペイン語版を訳している。もちろん、辞書と首っ引きであるが。それに仏語の「アンチョコ」(おー、懐かしい言葉!)もある。

 それで思い出すのは、ウン年前、スペインのバラハス空港でローマ行きのアリタリアを待っていたときのことである(なんかこう書くとカッコいいー!)。一応列が出来ていたのゲイトの前に並んでいると、イタリア・マフィアみたいな、ちょっといい男の髭のオジサンがこっちをちらちら見ている。

 (いやだなー、マフィアにガンつけられたら……)と私はなるべく目を逸らしていたのだが、ついに目が合ってしまって、そのオジサンがニヤニヤ笑いながら私に話しかけてきたのだ、スペイン語で。

 「Alitalia esta muerta」(って聞こえたけどなー)=「アリタリアは死んでるぜ」

 やー……スペイン語って、おもしろい言語だなーって、この頃思いますが。



5月2日(日曜日)

 『ロリータ』__エイドリアン・ライン監督+ジェレミー・アイアンズ as ハンバート・ハンバート

 いまどき、「ロリータ」などというものが通用するのか、というのはある。

 ナボコフは、なぜ、1955年に、このスキャンダラスな小説を書いたのか?

 この映画のバアイ、当の「ロリータ」がでかすぎる、という印象は否めない。

 しかし、ジェレミー・アイアンズあっての映画である。美しいのは、ロリータではなく、中年男のジェレミー・アイアンズなのだ……(  )。

 ロ、老婆心のロ、
 リ、理屈言いのリ、
 ー、音引きを縦にするのは難しー、
 タ、退屈はしなかったのタ、

 ロ、
 リ、
 ー、
 タ。

 ……

 (いくら顔が幼くても、15才の俳優が、40年前の12才を演じるのは、無理だ……)

 (しかしこれは、「性愛」の物語でもあるから、相手が何才だろうと、参考にはなる……なんの?)



5月3日(月曜日)

 『恋に落ちたシェークスピア』__ジョン・マッデン監督+(マーク・ノートン+トム・スットパード脚本)+グイネス・パルトロウ+ジョセフ・ファインズ as シェークスピア

 まずなによりも、脚本がよい。それを完璧に映像化し得た演出もよい。

 だから、この映画はどう転んでも傑作になることが約束されていて、俳優たちは「出たもの勝ち」である。

 だからといって、大根役者じゃ、どうしようもない。それで、

 いかにも現代風な「軽さ」があるパルトロウがよい、情熱的な美貌のファインズがよい、硬軟自在のジェフリー・ラッシュがよい、存在感のあるベン・アフレックもよい、その他の役者もみなよい……ということになる。

 チラシには、アカデミー賞(脚本、主演女優、助演女優……などなど)のほか、各賞が列記されているが、とりわけ、脚本で受賞しているのは当然であろう。



 『隣人は静かに笑う』__ジェフ・ブリッジス+ティム・ロビンス

 テロという現代的なテーマを扱ったミステリーなんでしょうが、手法が十年前のままなんだよね。結末はわりあい「意外」なんだけど、全然驚けないの(笑)。

 主役二人の人物もあんまり描かれてないしー……。これでは怖さは伝わって来ない。コピーには、「翌日まで怖い」とあるけどねー……。



 雨である。まだお休みな人、これは映画に行くっきゃない?



5月5日(水曜日)

 ニコラス・ケイジ in 『8o』

 脚本は、『セブン』の、アンドリュー・ケビン・ウォーカー。
 監督は、『依頼人』『評決のとき』の、ジョエル・シューマーカー。

 だからといって、いい作品になるとは、かぎらない。

 予告編の緊迫感に比べ、本編は凡庸であった。とくに後半、ハードボイルドが、「人情劇」に変わってしまった。というのも、私立探偵役(註:この私立探偵は、よくあるヤサグレではなく、一流大学を出た、キレイめの探偵で、知的な職業を持つ妻と赤ん坊のいるまともな家庭を持っている)のニコラス・ケイジの「内面」が、そうなってしまったからだ。こういう途中で変わってしまう性格描写をよーやるよ、である。

 あ、リバー・フェニックスの弟の、ホアキン・フェニックスが、けっこーいい役で出ている。こっちを主役にすれば、面白い映画が撮れそう。

 (それにしても、Snuff filmというのは、なんでもありのポルノ界でもタブー中のタブーか?)




 モス・バーガーの新製品__ワラビ餅+黒ごまソース+玄米フレーク・シェーク。
 おなじみの玄米シェークの上にワラビ餅が乗り、その上に黒ごまソースがかかり、その上に抹茶きなこがかかっている。いける! まー、よー考えたものだ。家でもできそー→作ってみるかもしんない。



5月9日(日曜日)

 風邪ひいてウダウダ暮しているうちに、5月も、もう9日になっていたかー……。



 けふは、Mother's dayである。My mother には、流行りの、カリフォルニア産とかいう、うすオレンジのカーネーションの鉢を送った。



 映画『☆トレック』……を見たが、途中で寝てしまい、全体がどんなストーリーであったか、それでもワカル、というものすごい映画。
 
 森田芳光『39』を、最後の数分間だけ見たが、それでも全体が「読めた」という、上記以上にものすごい映画。



 意味もなくROMしている掲示板でむかつくのは、
 1、ウンチクオヤジ
 2、幼児語女(「〜〜でしゅー(爆)」)
 3、音引きハイフン女(「〜〜だったんですね-」)
 4、Eメール読本で学んだらしい絵文字多用女
 5、突然セールス男(「認定書付(バカヤロー、誰が「認定」するんだよー!)スターのサインを取り揃えてます。まずは電話で確認を」)

 わけてもそれらに「迎合」している家主。

 とかさー、やたらによそのホームページ回ってメール書いて、自分ンとこの掲示板に書くように誘い込むやつ。
 なんかしらんが読んだ本の題名だけたくさん並べちゃってさー、訪れたやつらに、「まー、すごい読書家ですねー」とか、掲示板に書かれて悦にいってるやつがいるけど、

 (ケッ、あんだけのホンでー?)とか、思うけど、あくまで密かに見てるだけだから、みなさんも気をつけましょーねー、誰が見てるかわからないよー。

 ……病み上がりなので、まだ調子が出ない……。



5月11日(火曜日)

 不本意にも関わらざるを得なかった「北九州における日本フランス年」の最後のイベント、チーズ・テースティング・パーティーが、今度の金曜日の夜開かれるが、三輪さん(♀)からチケットを10枚預からされている。城さんが二枚買ってくれたし、べつに無理して売らなくてもいいとは言われているが、このところとんとご無沙汰の、ハギオさんでも連絡してきたら、売りつけてやろうと、アリ地獄の穴を掘って待っていると、飛んで火に入るなんとやら……いや、蟻か……彼女から電話が……

 私「これこれこんなパーティーが金曜日の7時からあるんだけど、10種類ぐらいのチーズとワインも出て、プロがボランティアで歌ったり、楽器を演奏したりしてくれて、しかもお値段1999円だから、来てよー」
 ハギオ「金曜日は4時から歯医者なんよ」
 私「だったら、来れるじゃん」
 ハギオ「金曜日は4時から歯医者なんよ」
 私「歯医者って、どこの?」
 ハギオ「(どこどこ)の」
 私「だったら(パーティー会場と)近いじゃん」
 ハギオ「金曜日は4時から歯医者なんよ」
 私「あんたねー、歯医者に何時間もかかるんね? 7時だったらこれるじゃん」

 いやー……もう、九州の言葉だけは使わんとこといつも思ってますが、どうもハギオさん相手だとつい、口をついて出てしまいます(苦笑)。

 結果はもちろん、ハギオさんはチケットを買ってくれました。持つべきものは、ご無沙汰してても、いざというとき、圧力をかけられる友だち)←でかすぎるけど、これしかないもんで。


 実はその後、外出し、ハギオさんと会って、チケットを、彼女のために取ってあげていた劇団四季の『ソング&ダンス』のチケットとともに渡し、両方お金をもらう。

 おまけとして、新聞販売店のオイチャンにもらった洗濯洗剤二箱と、台所洗剤一個を持って行ってあげる。
 私は、蛍光洗剤の入っていないものを使う自称エコロジストなので、こうした洗剤は使わないのだ。一方、ハギオさんは家族も多いし、なんでもジャンジャン使うので、喜んだ。

 圧力の陰に「親切」あり。

 例によって、映画の話。

 ハギオ「『8o』見た?」
 私「見たよ。あの入れ墨の模様のTシャツ着ていた……」
 ハギオ「あのヒト、肩がなかったー」
 私「リバー・フェニックスの弟だよ」
 ハギオ「肩幅がせまーくて」
 私「リバー・フェニックスって、知ってる?」
 ハギオ「知らん。でも、なで肩で……」
 私「あんた、まいど、どこを見てるねん!」(『8o』ちゅーのは、そういう映画じゃないだろ!)



 このパーティーですが、みなさんもいらっしゃいませんかー? まだチケットありますよー。それに、チーズに関する講義もあり、ワインとチーズを用意してくださるのは、なんでも小倉一の「ワイン通」として知られ、自らもワイン・バーを開いていらっしゃる方です。だから、チーズもケッコー、本格的なものが出そう。

 私はここで、「チーズ切り」の役目を仰せつかっている。

 これは、一応、「文化行事」なので、営利目的じゃなくて、赤字覚悟なので、とっても「オトク」です。



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