金色日記 Diary in Gold


4月22日(日曜日)

 イングリッシュ・ナショナル・バレエ『白鳥の湖』___於:東京国際フォーラム・ホールA、振付/デレク・ジーン、ゲスト・アーティスト/熊川哲也

 熊川が出ているだけで、チケットは4000円も高い。さすが光ってる、カリスマ・バレエリーナである。高いジャンプは相変わらずだし。

 アンソニー・トゥワイナー指揮、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の音楽もよかった。

 しかし、未だお勉強の段階で、なんらインスパイアされるものなし。……とゆーか、そもそも、ネコに小判かも。


4月23日(月曜日)

 『見出された時』___於:日比谷シャンテ・シネ、ラウル・ルイス監督・脚本+(もっち)マルセル・プルースト原作+カトリーヌ・ドヌーブ(オデット)+エマニュエル・ベアール(ジルベルト)+ヴァンサン・ペレーズ(モレル)+ジョン・マルコヴィッチ(シャルリュス男爵)+マルチェッロ・マッツァレッラ(マルセル=声は、マルセル・プルーストに似ているので抜てきされたシチリア出身の俳優で、声はパトリス・シェローの吹き替えだと)

 なんか疑惑の多い映画である。俳優の口の動きと声が微妙にズレてる点も気になった。映画館に貼られた、主に仏文学者たちが書いた、各紙誌をざっと見渡せば、みんな「文学的な」見方をしている。

 一流の文学と豪華キャストを使えば、一流の映画になるわけでもないだろう。ただ、エマニュエル・ベアールには視線を引きつけられた。

 『まちがいの狂言』___於:世田谷パブリックシアター、シェイクスピア作『まちがいの喜劇』より、高橋康也作+野村萬斎演出+野村萬斎+野村万作+野村万之介+石田幸雄

 シェイクスピアを狂言でやってしまった。狂言の所作には約束事がある。それもすべて省かずに。すると不思議なことに、シェイクスピア劇の構造も、狂言というものの構造も見えてくる。とりわけ、この、二組の双児による「まちがいの喜劇」は、一人の人間が面をつけたりとったり、また、二人の人間が面をつけてたりと、狂言の「技」をうまく利用している。

 堂に入った演技力もさることながら、まこと、野村萬斎は、才能のある人である。

 腰痛直らず、最悪の日々、に変わりなし(Sigh...)。しばらくはおとなしくしていようぞ。


4月29日(日曜日=「みどりの日」だってー)

 『トラフィック』___スティーブン・ソダーバーグ監督+マイケル・ダグラス+ベニチオ・デル・トロ

 『エリン・ブロコビッチ』のようなエンターテイメント性を期待して見るとはぐらかされる、「純文学」作品である。もともと、ソダーバーグの体質は、「純文学」である。この人は、通俗芸術が切り捨てて来た人々や感情を描く。ピュアさをそのままに、本年度アカデミー賞で、『エリン・ブロコビッチ』と、この『トラフィック』の二作品が、作品賞と監督賞の、史上初の同時ダブルノミネートで、「名実ともにハリウッドの頂点をきわめた」と言われるまでになった。大したものである。

 ベニチオ・デル・トロは、この作品で、助演男優賞を取ったが、たとえば、『スナッチ』で彼が演じた完全にイカれた殺し屋と比較すると、この、麻薬戦争で苦悩する刑事役の、奥の深さもうなずけようというものだ。


4月30日(月曜日=「振替休日」かー)

 橋本治「そして、『三島由紀夫』とはなにものだったのか」(『新潮』5月号)___100枚の論文である。あまりにみごとな「三島論」で感心した。

 結局、橋本治とは、「構造主義的」な論客だったのかもしれない。確か同じ『新潮』だったような気がするが、三島由紀夫から「ラブレター」のようなものをもらったの、もらわないの、と、下世話なことを題材にして小説だったかを書いた作家もいたが、そういう、三島の「私生活」をうんぬんしつつ、「ホモ」だの、「マザコン」だのと言いたてる凡百の「三島論」が色褪せて見える。

 橋本治はあくまで、テキストのみを手がかりに、三島の「内面」に分け入っていく。その手付きは、ほとんど「フロイト」である。

 では、橋本治とにとって、「三島」とは、なんだったのか? まあ、ライバルというよりは、面白い「対象」だったんでしょーねー……。


5月3日(木曜日=「憲法記念日」かあ……)

 『ザ・メキシカン』___ゴア・ヴァービンスキー監督+ブラッド・ピット+ジュリア・ロバーツ

 話題の二大スター競演作である。しかし、ジュリア・ロバーツの一人勝ちのような映画である。なんたって、ブラピとは心構えからして違う。「役者」と「アイドル」の差が出た、という感じだ。ジュリアはほんとに、庶民の女をやらせたら右に出る者なし、だ。


5月4日(金曜日=「国民の休日」というものらしい)

 10日以上前より絶不調。たまたまいきつけの美容院に行ったら、隣の床屋に金曜日だけ、整体のセンセイが来ている、10分1000円から、好きなだけやってくれる、というので、10分だけマッサージしてもらう。背中側の腰の位置を押さえ、「この固さは異常です。いつぎっくり腰になってもおかしくない」と言われる。数日前に「家庭の医学」を読んで、たぶん、「座骨神経痛」だろう、と判断はしていたが……。

 5年くらい前も、椅子に座れないほど腰が痛くなり、鍼へ行ったら、「座骨神経痛」だと言われた。今回の痛みは、その時とは、位置と痛みの感じがすこし違うような気がするが、ほかに症状はないもんね。

 てなことを、(書くことないので)書いてしまうこと自体、絶不調なんだろーなー…………。

 なんと、ネット界は、三日ぶりである。世間とは逆に、どんどん、IT生活から離れていくようだ。


5月6日(日曜日)

 『ショコラ』___ラッセ・ハルストレム監督+ジュリエット・ビノシュ+ジュディ・デンチ+ジョニー・デップ+ヴィクトワール・ティヴィソル(「ポネット」を演じた天才子役)

 うーーーん……うまそうな映画である。だいたい私はチョコがすきであるから、この映画を見たら、絶対チョコが食べたくなる、と思っていたが、やっぱりだ。

 映画の中で使われる、配色がいい。実にうまそうである。「昔アラブの偉いお坊さんが♪」は、コーヒーの歌であったが、この映画は、なぜか、そんな歌が似合う。

 つまり、チョコ=カカオには、なんか人を魔術にかける成分が含まれているような気がするのだが、実際、煙草と同じく、常習性を誘う成分があると、新聞で読んだことがある。

 それに、ジュリエット・ビノシュの演技も、いかにも「おいしそう」なのである。この女優、カラックスと組んでいた時は、ただコケットリーが売り物の、どこにでもいるフランス女だったのが、一皮も二皮も剥けて、懐の広い女優になってしまった。そんな彼女の懐の広さを存分に示した映画。

 おまけ→映画の割引券、プリントアウトして映画館へ持っていくと、この値段で(北九州の映画館ですが)。

 神経痛は、今日も疼いているともー!


5月8日(火曜日)

 はをぬく。いまでは、やたら、ぬくものではないことはわかっているが、これは、こどもじだいからつづくむしばだったので、おそかれはやかれぬかねばならなかったのだが、やっとけっしんをかためて、はいしゃへでむいたのである。

 もちろん、おとなになってからは、おーらるけあはわりとねっしんにやっているので、それほどのむしばはできてないけどね。しゃーない……××××

 しかんぶがあまりのこってないはだが、ぬくとなると、けっこーすごい、しゅじゅつである。

 で、そのあとは、いてぇー、きずがいたむぅー、となるのである。で、もらったいたみどめをすぐのんでしまう。わたしはけっこー、やくちゅうである。

 かててくわえて、ようつう、おまけに、ひだりてのこゆびのつけねまでもーれついたむ。はたしてなんのびょーき?

 で、かていのいがくじてんをひっくりかえし、いく「いしゃ」のけんとうをつける。これだな。あしたは、ここへいこう。


5月9日(水曜日)

 てなわけで、はやおきして、いきましたよ。「はり」へ。けふは、「はり」と「はいしゃ」のはしごである(なまえが「はるよ」のせいか、「は」にえんがある。「はしもと」とか)。

 やっぱ、ちょいすはまちがってなかった。しんだんは、ざこつしんけいつうと、なんと、こゆびのつけねのいたみは、じんたいをいためた、のであった。よくもんしんしてくれるせんせいで、とわれるままに、じぶんのせいかつをふりかえると、げんいんは、てまくら、であった。ぬあんと、やわな、て。

 はり、ちょーおんぱ、ほっとぱっく(こし)と、でんきをながす(て)。てのほうは、ほとんどいたみがとれた。ようつうも、こころなしか、けいげんした。

 追記。もー、今となっては、格好とか、そういうものは「超越」してしまったナ。


5月10日(木曜日)

 『隣のヒットマン』___?監督+ブルース・ウィリス

 悪妻に悩まされている善良な歯科医の隣に「有名な」殺し屋が越して来る。マフィアを売り、FBIの保護を拒んで、マフィアから命を狙われている。一応、身を隠している身なので、その「引っ越し先」となる地は、アメリカではなく、カナダの郊外である。それが、この映画のひとつの「味付け」となっている。

 かなりブラックな、「コメディ」である。その中で感心したのは、ヒットマンの妻役(マフィアとともに、彼を追っている)の女優の演技である。当然のことながら、すごい美人である。スーパーモデルのような容姿に、お高くとまった態度は、取りつく島のないほど冷たい表情をしている。それが、しだいに、善良な歯科医に引かれていく。その人間的な変化を表情だけで演じている。すごい美人なのに、演技力もすごい。ひょっとしたら、ほんとうは、「すごい美人」も演技でそう見せているだけなのかもしれない。うーーーん……アメリカの役者はすごい!

 「はいしゃ」と「はり」。てのいたみは、ほとんどとれ、ようつうもきえつつある。やっぱ、「はり」がせいかいであったな。


5月11日(金曜日)

 ばれえ。


5月12日(土曜日)

 はり。




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