第102話「成長」


じとじとと雨がしばらく続いていたけど、最近は晴れる日もあって、
そういう時はむわっとした感じになる。
そして、お空の「くも」がだんだんと強い感じになってきた。
「なつ」が近づいてきたんだ。

ボクは、あの「れーす」の後、もう一回走って(その時は2着だったんだよえらいでしょ)、
ちょっとお休みをすることになった。
久しぶりに「ぼくじょー」に帰るんだ。
楽しみだな。

うわぁ、サンちゃん、また一段と大きくなったねぇ。
しばらく見ない間にサンちゃんは、さらに大きくなっていた。
ボクが一緒に走っている、大人の馬たちと変わらないくらい、いやそれよりもおっきいくらいだ。

お、お帰り、お兄ちゃん。
サンちゃんはあいかわらずちっちゃい声でしゃべる。
最近は怖がりじゃなくなったみたいだけど、寂しがり屋なのはそのままらしい。
さっきおっちゃんがそう言ってた。

体はおっきいのに声がちっちゃいのは変わらないね。
そういうお前は、あいかわらずちっちゃいな。
ちゃんと食べてるのか?
あんちゃんがにやりと笑う。
うん、ごはんはいつ食べてもおいしいから、いっぱい食べてるよ。

元気そうね。
最近、頑張っているみたいじゃない。
小母ちゃんがひょいっと首をのぞかせた。
あなたが帰って来て、この子もうれしそうね。
そう言うと、おほほほ、って笑った。

ボクはサンちゃんとお外に出て、「ぼくそー」を食べたり、「かけっこ」をしたりした。
うわ、サンちゃん、走るのがまた早くなってる。
ボク、追いつくので精いっぱいだ。
むむ、ボク、「きょうそうば」なのに、ちょっと自信なくしちゃうな。




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