第31話「権利」


結果はお姉ちゃんの勝ちだった。

ただ、お姉ちゃんに乗っていた「じょっきー」は、「きじょうていし」っていうのになったらしい。
「きじょうていし」っていうのは、他の馬の邪魔をしたりとか、悪いことをした時に受ける罰なんだって。
ふーん。

まあ、騎乗停止といっても実質2日間だから、馬のほうが悪いってことだな。
おっちゃんが難しいことを言う。

あの「れーす」に勝ったことで、お姉ちゃんは「おうかしょう」に出ることになった。
あんちゃんの「はないき」はまたまた荒くなった。
ここのところ、あんちゃんの「はないき」はずっと荒いままだ。
荒いのが強くなるかちょっと弱くなるかの違いだけだ。
あんなに「はないき」が荒くて、あんちゃんの鼻が壊れちゃわないか、ボクちょっぴり心配だな。

あたしは、ポピーが心配だわ。
おっかちゃんがボクの首をなでながら言った。
あんな「れーす」をしていて、「おうかしょう」なんて大丈夫なのかしら。

ボク、あの「れーす」のことを後でお姉ちゃんに聞いてみたんだ。
だって、まだまだ力が残っていたから絶対勝てるって思ってたのに、最後にお尻をぴしりってするんだもの。
何すんのよ!って思っちゃったわ。
って言ってた。
それで気がついたら斜めに跳んじゃったんだって。

次の日の「しんぶん」の見出しは「おてんばポピー」だった。




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