春はあけぼの、世は情け、花の色は移りにけりないたずらに、たで食う虫も好き好きなりて、新高山
のぼれ、うっふんあっはん、ワンワンワン。
いや、春である。何が春って、春なのである。
春はおかしくなるのである。なぜおかしくなるって、いやそう決まっているのである。
ちょっと手もとの六法全書を開いてみたまえ。そこの26853ページだ。
「ハルハオカシクナリタルコト」とちゃんと書いてあるだろう。
え?書いて無い?そんなおかしな六法全書は捨てなさい。
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おっと話が脱線してしまった。ええと、何の話だったかな。
ああ、そうそう、春という事だ。
しかし、ここのところは春なんだか夏なんだか冬なんだかよくわかりませんな。
やたらあったかかったと思ったら、いきなり寒くなるし。もう困ってしまうのである。
実を言うと別に困りはしないのだが、困るという事にしておかないと話が進まないのである。
さあ、困った、困ったぞ・・・
困っても話が進まないじゃないか。
春といえば今は風物詩と化した花粉症。今この文章を読んだだけでくしゃみをしたあなた。
そう、あなたの事です。暖かいと思ったら急に寒くなって、その途端に鼻水がジュルジュルとなったり
しませんか。だから困るのである。
おお、ちゃんと話がつながったじゃないか。
電車などに乗っていてもあちこちで鼻をグジュグジュさせている人をよく見かける。
グジュグジュするついでに大きなくしゃみを一つして、「あー」とかなんとかため息を吐く。
普通は「あー」と来たら次は「極楽、極楽」と続くはずなのだが、このおじさんはそうは続けない。
もう一つ「あー」とか続けたりするのである。
でも、今年の花粉症は大した事がなかった。もうピークはとうにすぎているだろう。
よかった、よかった。あちこちで喜びの声が上がり、飲めや歌えの大騒ぎ。
これが花見の起こりだという事は、日本書紀に記している通りである。
かくいう私も花粉症である。それもそんじょそこらの花粉症とは訳が違う。
かれこれ20年になんなんとする花粉症歴を誇るのである。エッヘン。
あー、チミチミ、頭が高いよ。
当然その頃は花粉症のかの字もなかった。しかし、ふの字はあったのである。
この摩訶不思議な現象は当時学会で喧々諤諤たる議論を巻き起こし、後に応仁の乱として語られる事に
なった事は言うまでもないであろう。
話を戻そう。そう、その頃は「アレルギー性鼻炎」という呼び名しかなかったのである。
それが苦節20年、今や花粉症は世の流行となり、薬は簡単に手に入るは、色々な対策は語られるは、
頑張ってきた甲斐がありました。
紅白に出るのだけが夢だったんです・・・(涙)(涙)
ああ、天国にまします父よ母よ、見守っていて下さいこの私。思えば色々な事がありました。ひそかに枕を
濡らした夜も、手弁当で全国回ったあの日々も、全てが今日のためにあったんです。
さあ、歌っていただきましょう、「人生一度は花粉症」
また話がずれてしまった。とにかく私は流行のはしりをいっていたのである。
こんな事で流行の最先端を行ってもちっとも嬉しくないが。
そんなこんなで春なのである。春はやっぱりおかしいようだ。