アメリカを追いかける日本 2009.10.04

2009年日本の衆院は民主党の圧勝となった。
私は非常にこの事態を懸念する者である。まあ、本日はそれは置いておく。
この事態はどうしてもたらされたかということを考えよう。お断りしておくが、自民がどうのとか、経済がどうのということは、ジャーナリストから大学の先生はては一般市民の個人ブログなどなどによって論じられている。

そういうアプローチではない。
高尚とは言わないが、もっと違った観点である。
まず結論から言えば、日本はアメリカの呪縛の下にある、決してアメリカ支配を脱することはできないだろうということだ。
お断りしておくが、日本はアメリカの指示によって動くとか、アメリカの言うことを聞くしかないという意味ではない。日本はアメリカの動きを超えることはできず、アメリカで起きたことは必ず日本で起きるということだ。

古い話であるが・・
アメリカでニクソン大統領がウォターゲート事件で罷免されたのは、日本人にとって青天の霹靂だったと思う。アメリカ大統領、それも21世紀ではなく20世紀の世界最強国家の大統領がつまらないことで、失脚してしまったのである。
つまらないと言ってご不満な方がいるかもしれない。国家転覆とか経済破綻を呼び込みそうな鳩山に比べて、政敵の盗聴くらい取るに足らないことではないか。
../nixon.gif日本人はこの事件で、天下人であろうと、いかに権力をもっていようと、悪いことをすれば罰を受けるということを、いや罰を与えることができるということを知ったのだと思う。
その後、田中角栄はロッキード事件で失脚、裁判は長引いたが実質的には罪人である。
田中角栄のロッキードという事件は、ニクソンのウォターゲートがなければありえなかったのではないかと私は思う。
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実際には、ニクソンの成果は大きいと言われているし、田中角栄の業績も評価されている。日本の歴史上の偉大な人物として、坂本竜馬、織田信長、徳川家康の次に田中角栄が来たという調査結果もある。
悪いことをした人は、すべてが悪いわけではない。全くの善人らしいカーターがろくなことをしなかったことを思うと納得である。
田中角栄にちなむ話として、台湾との断交と中華人民共和国との国交もある。しかしこれはあまり不思議でもなく、単なる世の流れに流されたアメリカ追従に過ぎないだろう。
また古い話である。
美空ひばりが小林旭と結婚した時、大物歌手と大物俳優の結婚で国内が沸いた。これで離婚すればハリウッド女優なみだと言われた。そしてもちろん二人は離婚した。ハリウッド女優にはなれなかったが、ハリウッド女優並みにはなったのだろう。
現在では日本でも離婚は、もはや芸能界だけでなく一般庶民においても、アメリカ並みに普通になった。
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2008年のアメリカ大統領選挙戦は世界中の話題を集めた。
民主党の候補者は黒人と女性、対する共和党の大統領候補はレガシータイプの白人男性だったが、副大統領候補は女性だった。誰が大統領になっても過去にない組み合わせとなったわけで、最終的には黒人であるオバマが大統領になった。
ほんの20年前に、パウエルが国務長官になったときの騒ぎを忘れただろうか?
この事実がなければ、民主党勝利はなかったろうと思う。オバマが勝ったのを見た日本人は、変化というのはありえるのだと認識したのだと思う。

もちろん変化が必ずしも良いことではない。過去日本にはまっとうな革新政党というものが存在しなかったことは事実であり、変化が上向きではなく下向きどころか日本崩壊につながるのではないかと懸念する者である。

結局日本人というものは保守的というか臆病で、誰かが試したこと、やったことを後追いで行うことしかできないのだろうか?
もうアメリカに学ぶところはないとか、アメリカに追いついたと語る人はいるが、絶対に日本はアメリカに追いついていない。主体的な行動がなければ絶対に追いつけるはずがない。

そんなことを思うと、これから日本で起きそうなことは、アメリカで起きたことを見ればよいことになる。もちろんそのまんまということはなく、日本流に脚色、あるいは日本の条件に合わせて修正が図られることにはなるだろう。 私的には、そうなってほしくないことばかりだ
だが待てよ・・全部ではないがかなりの部分は既にそうなりつつあるような気がする。

ではどうすれば良いのだろうか?
アメリカの対策を見つめるほかないのだろうか?

ところで、悪いことをすれば裁かれるというのはあるべきことなのだが・・
鳩山の政治資金規正法違反は指揮権発動の下に闇から闇に葬られるのだろうか?
そんなことでは、アメリカの後追いを止めて、田中角栄時代より暗黒の共産党支配の中国の後追いになるということなのだろうか?



あらま様からお便りを頂きました(09.10.05)
なさけなや
佐為さま あらまです
「10年後の日本を見たいなら、現在のアメリカを見よ・・・」なんて、小生の幼い頃に よく言われたものです。
良いことでも悪いことでもアメリカに追従する日本は今も昔もかわりません。
それが将来にわたっても変わらないなんて、情けなく思います。
かつて、中曽根大勲位は、「日本はアメリカの不沈空母」と言い、小泉元首相はブッシュ大統領の前でおどけて見せていました。
なんでそこまでしてアメリカのご機嫌伺いをしなければならないのか・・・
それもこれも、ジャイアンに取り入るスネオのように、カネはあっても腕力の弱い者の宿命なんでしょうか。
ところが、今の日本は、カネのないスネオ。そんな友達なんて魅力がありません。だからアメリカは、次の‘パートナー’中国に接近しています。
それを感じた日本は、アジアに‘友達の輪’を作ろうと提案しました。
そのために、特定アジアの夫婦別姓制度を取り入れたり、参政権を与えようとしています。
カネの次は権利を与えようとする日本。
かたや、瀬戸際外交でも、アメリカと対等に張り合う北の将軍さま・・・
あぁ、なさけなや・・・

あらま様 同感です。
なんでそこまで卑屈になるのか日本人!
私は日本人を止めたいよ
まあ、そうはいかないので 日本人よ誇りを持て と叫ばずにいられません。


kazu10様からお便りを頂きました(09.10.05)
アメリカを追いかける日本
先生、お久しぶりです。
モンローのワーオな写真ありがとうございます。まだドキドキしています。
アメリカを追いかけるというのは世界中の国々が目指していると感じます。
アメリカは誰もが認める先進国であり、確かにかなりの成功を収めました。
しかし、後を追う者は、手本にするだけでは追いつけません。
手本にひとさじ加えるからこそオリジナルな物が出来、オリジナルだからこそ追い越すチャンスを得られるのだと思います。
そういう意味では、日本の成長は伸びしろがある。まだまだ這いあがれるはずだと思っています。
はたして、鳩山政権にそれが出来るのでしょうか?少しはまともな発言をしてくれるのでしょうか?今のところ、おバカにしか感じませんが・・・

kazu10様 毎度ありがとうございます。
まず私は先生じゃありません・・お間違えないように
アメリカが高い文化があるのか、尊敬に値する価値観を持っている国家なのか、そういうことは分かりませんが、ものすごくバイタリティがあり、常に前進している国家であるということは間違いない事実でしょう。
日本は坂上田村麻呂の東北、秀吉の朝鮮、明治時代の北海道を除いて物理的なフロンティアは存在しなかったのではないでしょうか。
だから他人を押しのけても前進する、改革するという精神力というか意識を持っていないのだろうと思います。
そしてそういう風土でなければ真のオリジナルとか新しい発想が出てこないのではないかと思います。
ハトポッポがどういうことをするのかと見ていますが、批判をすることと自ら執行することの違いを思い知っているのではないでしょうか?
町内会でも会社でも、他人のあらを探すより、自分が執り行う方が難しいのは論を待ちません。

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