判例を見る 2010.09.05

休日、日なが一日、判例を見ていた。
もちろん私は殺人事件とか、強姦事件なんて興味がない。興味があるのは環境関連の事件である。廃棄物を不法にその辺に捨てて、起訴されました、排水をたれ流してつかまりました、そんな事件を見ているとこの上なく楽しい。
性格異常かしら?

ご存じない方に、
今は「裁判所」というウェブサイトで日本全国、過去から現在までのほとんどの判決を読むことができる。
裁判所

○○市○町○番に設置された株式会社Aに係る産業廃棄物処理施設及び産業廃棄物中間処理施設に埋立・保管されている産業廃棄物が,埋立容量及び保管容量を超え,野積み状態で埋立・保管されており,これらの産業廃棄物には飛散,崩落等を防止する措置が講じられていない。その結果,現に産業廃棄物が風にあおられ他人の所有地に飛散しており,かつ,崩落のおそれが大きい状況にある。加えて,これらの産業廃棄物から過去頻繁に火災が発生しているなど,生活環境保全上の支障が生じるおそれがあると認められる。
こんな文章を読むと、ありありと情景が目に浮かび、次はどうなるのだろうかとわくわくする。ポルノ小説を読むより興奮してくる。
もちろん秘密裁判とかはアップされないこと、及びほとんどの場合固有名詞は省略されているのが難点である。

しかし驚くことに、裁判というものは数が少ないのだ。正確に言えば裁判まで行き着くものは非常に少ない。幸いに、私は過去窃盗とか詐欺とか刑事事件を犯したことはない。もちろん交通事故も交通違反もしたことがない。だが世の中ではたくさんの犯罪が起きている。
犯罪はテレビの中で夜だけ起きているわけではない。
平成21年度(2009年)の刑法犯の認知件数は170万件もある。
犯罪発生ではなく、犯罪認知というのは、犯罪が起きても被害者が気つかない場合もある。
だから気がついた件数(認知件数)という。
更に日本では一番多い犯罪は交通事犯で、毎年800万件もある。駐車違反、信号無視、スピード違反、事故を起こせば必ず安全運転義務違反・・すべて強盗や強姦と同じ犯罪ですよ。
平成21年警察白書平成21年の犯罪情勢

じゃあ、日本では毎年刑法犯だけで970万件も裁判が行われているのか?
土日は休みとして年間250日で割ると、毎日39,000件も!?
なんてことはない。手抜きはどの世界にもある。

そもそも、刑事事件とはどのように処理されるのか? 実をいって私は強盗も窃盗もしたことがなく、被告人になったことはありません。
被告と被告人の違いはわかるでしょう。
おっと、私は被告になったこともない。
ネットで調べると次のようになるらしいです。刑事訴訟法は持っていますが、読む気にはなりませんでした。間違ってたらごめんなさい。

悪いことをするとこうなるんだよ

ここで裁判までいかない別ルートがあることがわかりました。つまり略式命令というのが手抜き、いや省エネ、省力化の強力なツールのようです。
ちなみに私の大好きな廃棄物処理法の違反の場合、どのくらいの割合で裁判になるのでしょうか?
実は調べました。具体的な数字はここに書けませんが、1パーセント以下しか裁判になりません。それ以外の99%以上が略式命令によって処理されておしまいです。
交通事故の場合では97%ないし98%が略式命令によって決着がついているそうです。
だから毎日39,000件もあるのではなく、その2パーセントくらいの刑事裁判があるのです。もちろんそれは件数ですから公判の回数はその数倍にはなるでしょう。でも毎日39,000件も裁判があるときに比べて裁判官も楽でしょうし、その給料を払う我々も税金の心配をしなくても良いようです。

ところで、話は戻りますが、あなたが興味を持った裁判なんて過去たくさんあるでしょう。そういう裁判記録を読むのは結構面白いですよ。面白いといって不謹慎といわれるなら、非常に興味深いといいましょう。
裁判なんかに興味がないといわれるととりつくしまもありませんが、
たとえば
・winy裁判とか・・4件あります。
・芸能人の覚せい剤事件とか・・500件も見つかります。
・性犯罪とか・・強姦事件だけでも400件も見つかります。
私の場合は、公害事件とか廃棄物処理法違反などを読んでいると時間がたつのが早くて・・夜も眠れません。




外資社員様からお便りを頂きました(10.09.06)
佐為さま
強盗も窃盗も、被告人になったことも無いことは確認しておりますが、今回は、フローチャートの記載に思わずツッコミを入れてしまいました。
少なくとも刑が確定するまでは、犯人ではありませんよ。
ですから、下記のように記載するのが良いのでは。(刑事裁判の前提です)

犯人の特定→被疑者の特定

重大or犯人が裁判を希望→重大or被告人が裁判を希望

マスコミの嫌いな点に、逮捕されて被疑者になった時点で、あたかも犯人の如く扱い、プライバシーを暴き、家族や周囲も巻き込んでゆくやり方があります。
それだけに、「犯人」の文字が思わず気になってしまいました。

おっ師匠様、お許し下せーませ
我が家にはジサマとバサマとかかあとがきが3人もいるんでござんす。
どんぞ、今度ばかりはお見逃し下せーませませ
ということでさっそく図を修正いたしました。
私は仕事は速いのです。それはご存知と思いますが・・・

でも、外資社員様、このフロー図はどうみても、刑事事件としかおもえません。
まさか民事とは・・・


外資社員様からお便りを頂きました(10.09.07)
佐為さま
こちらこそすみません、 民事の例だったのですね。
ついつい「犯人」の文字に熱くなってしまいました。 ご容赦を。
ならば、被告人は「被告」でした。
民事の場合ですと、「法人を被告に出来るのか?」とか、二審以降は控訴人/被控訴人(両方控訴したらどうなるか?)などと
難しいこともとりあえず無視です。(単に良く判らないからです:笑)

外資社員様、お気は大丈夫ですか!?
落ち着いて、落ち着いて
民事なら「犯人」はいませんよ。
ところで、あまり面白そうではないので、民事の裁判はながめてません。


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