環境問題 2002.04.28
このタイトルはなんだか簡明すぎて恥ずかしい(^^)
 では話の持って行き方を変えてみましょう。

さて毎度のことですが、田舎から出てきた私は毎日満員電車に揺られております。
でも都会は便利なもんですね、電車って数分おきに走っているんです。そして朝早くから夜遅くまで運行しています。心底、感動します。

それに引き換え、以前私の住んでいたところでは、バスは朝7時の始発から夜8時の最終までに12本でした。お間違いないように、12分おきじゃありません。13時間の間に12本しかバスがないのです。
もし乗り遅れると一時間以上待たないといけません。
 そのバスは混んでいたか?
とんでもない、ガラガラでした。二人分の座席を一人が座ってもおつりが来るくらいでした。
当然バスは走れば走るほど赤字です。地方公共団体からの支援によってなんとか生き延びているのです。その元は私たちの税金ですよね、

都会ではものすごい過密ダイヤですが、走っている電車はどれも満員とは言わなくとも十分な人が乗っています。もっともっと線路を作り電車を走らせればゆったりと快適になるんでしょうか?
 な、はずはありません。

都会は人が密集していて、かつこれを満員電車で運んでいるからこそ経済効果があり電車はペイしているんです。

言い換えれば、田舎ではバスを捨てて、みんなが車を利用するのが経済的なんです。
『車を持たない弱者はどうするんだ?』ですって?
そういった方は、田舎でも都市部に住むしかありません。
環境ISO14001の審査で審査員がご大層に『車通勤をやめて公共交通機関を使えば環境にいいんですよ』なんてのたまわっておりましたが、あれ完全に間違っています。
おっと、そんなバカなことを言わない審査員もいますよ


田舎には公共交通機関がありません。
 それでは
「環境のために自家用車通勤をやめるから、バスとか地下鉄を通してくれ!」って言うべきでしょうか?
そんな寝言言っちゃだめですよ、
そんなもん経済効果がないだけでなく、交通システムのLCAを考えれば環境負荷がいっそう大きくなるばかり、完全に間違ってます!
LCAとはそれを物のゆりかごから墓場までに使用する資源を総合して環境への負荷を評価することです。

世の中は経済原則という見えない神の手から逃れることはできません。

なんとかしなくちゃね、 地球環境問題というのはいろいろあります。皆さんもどこかで聞いてますよね、
資源枯渇、オゾン層の破壊、酸性雨、生物多様性の減少、途上国の公害問題、廃棄物の越境移動、海洋汚染、森林の減少、などなど、
そのなかで地球温暖化が最後まで残る問題と言われてます。
理由?簡単です。いかなるものもエントロピ増大の法則から逃れることはできないからです。

でもって、今炭酸ガス排出を減らそうとか省エネしようとか政府もNGOも国際会議でもいろいろ議論されています。

日本全体で省エネルギーを図ろうとするならば、過疎地から都市部に人口をもっと集中させ、流通、交通に要するエネルギーを節約すべきです。
 ご存知ですか?
日本の製造業の消費するエネルギーは過去30年ほとんど変化がないということを
この30年間に日本のエネルギー消費はほぼ倍増しています。
どこで誰が使っているんでしょうね?
 なんて考えるまでもありません。
それは一般家庭でもありますし、最大は輸送エネルギーが増大しています。
輸送エネルギーって自家用車、電車、バスばかりではありません。
コンビニはトラックを倉庫にしたと言われています。在庫を減らしたけど輸送エネルギーは増えたんです。

お間違いないように、私はこれが悪いとは言ってません。
この経済体制でもより効率を上げるには人間の集中化をすべきです。
 過疎地で都会と同じサービスを求めるのは無理です。
 都会で田舎と同じ自然を求めるのは同じ理屈から無理です。

京都議定書に基づき、日本が真に省エネを進めるなら、政治家は人口の再配分を考えるとか長期的展望を持たなくてはなりません。
工場でも同じですが、ケチケチ運動では成果はたかが知れてます。
大幅な改善にはドラスティックな施策が必要です。

別な例を挙げれば、住宅も一戸建てじゃなくて集合住宅にすれば耐久性を含めた建築費も削減できますし、暖冷房効果も向上します。
私以前県営住宅に住んでいました。その後家族が増えて一戸建てに住んだら冬寒くてかないませんでした。生物も建物も体積に比べて表面積が大きいと熱の放散が大きい・・・・当たり前ですね、
韓国じゃ国民の大多数が集合住宅に住んでます。その結果、ADSLなどのブロードバンドが普及したと言われてます。世の中は相互関係で成り立っているのであって、個別にIT化などを論じてもいけません。

 話がそれてきました、

日本が本気で省エネを進めるなら、集合住宅の税金を安く、戸建住宅の税金を上げるとかという政策も考えなくちゃいけません。
環境問題というものはそういうものです。
ホタルが飛ぶ川を取り戻そうとか、屋根に太陽電池をつけましたとか、毛皮製品を買いません、割り箸、牛乳パックリサイクルなんて甘っちょろいもんじゃあないんです。
俗に環境活動家といいますと、そういった皮相的環境配慮が大手を振ってまかり通ってますけどね(^^)
あっ、先ほどあげた環境審査員もその一例です。
 そういえば、あの審査員、マニフェスト票をはじめてみたとか言ってたなあ〜
マニフェスト票とは廃棄物を出すときに記帳する伝票です。

エネルギーだけじゃなく、資源の有効活用を考えると一軒ごとに炊事して食事するのって国家全体から見れば非効率ですよね、
家庭で食材の15%は捨てられているという調査があるそうです。(大根の葉っぱなどを除く)
国民全員が給食を食べれば食材も節約され、炊事のエネルギーも節約になりますよ、
『全国民に給食なんて冗談だろう』って?
本当にエネルギーを節約し、食料を節約するためにはそれも選択肢に上げるべきです。
ちょっと違いますが、タイでは台所のない家も多いそうです。三食外食するんです。
あるいはまた、かって中国では国民全員が人民服というある意味で制服を着てました。
資源の節約、効率化をするためには吉宗じゃありませんがそういった規制もやむをえない場合もあるでしょう。
ゆくゆくはそのような施策を『人権問題だ!』なんて言ってられないような時代が来ることを覚悟しなくてはなりません。

環境問題の根本原因は人口です。
日本では人口減少、若い人が子供を作らないなんて社会問題になっていますが、地球規模では人口爆発が環境問題の原因になっています。
日本で『若い人は子供を作れ』なんて政治家が言うと『人権無視!女性は出産機械ではない!』なんてすぐに叩かれます。
『子供はひとりにしろ、二人目は堕せ、二人目を生んだら解雇する』なんて何十年も規制している国がありますよ。そうです、中国です。
国家として問題を解決しようとすると、そういった選択もまたやむをえないところがあるでしょう。
もっとも、女性人権論者(フェミニスト)が中国の出産規制に反対運動したとは聞いたことがありません。
 なぜでしょうか?
地球環境問題解決というヒトという種の存続のためには、個の権利が制限されることはやむを得ません。
問題解決のためには一部を犠牲にしても、より多くの利益になれば強行することは政治の本質です。そのために国家というシステムが発生したのです。
私権は全体のために制限されるのは当然です。
一握りのエリート官僚や独裁者のもとでなくて、国民がコントロールしている政権下においてはその決定に国民は従うべきであり、それが全体の幸福を最大化するものと信じます。

環境問題といいながら、落ちは政治体制になってしまいました。
もともとこういう算段でしたけど(^^)

滑走路すぐそばで農業を営んでいる方はどういうお考えなんでしょうか?


本日のまとめ、

日本国憲法12条 国民の権利は公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする。

そして、公共の福祉の概念、基準は人間を取巻く環境によって変わります。
基本的人権というものも、広い意味の環境の従属変数にすぎません。

断っておきますが、
 私、CEAR登録してます。
 そして環境業務で飯食ってます。
でたらめは書いておりません。(^^)
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