思い込み的環境保護はやめてほしいもの 2002.09.15
日経エコロジー9月号に曽野綾子さんが「本当の貧乏を知らない日本人の環境論は途上国には何も響かない」というタイトルの寄稿をしている。
その要旨は、
日本の環境保護は貧乏の意味を分かっていない。
だから独善的な観念論になってしまう。
環境保護論者が『自然を守れ』と言う、『木を切るな』という、
  住む家を作るために木を切らねばならない人はどうするのか?
  マラリア蚊を防ぐために木を切るのをとめるのか?
  煮炊きするのに木を切るのを切るなというのか?

「木を切るな」という人は2・3ヶ月熱帯林で生活しろと書いている。
途上国の生活感覚を理解するのには厳しい環境を体験する必要が欠かせない。厳しい生活や耐えるということを知れば、途上国のためにまず自分たちの生活レベルを下げ、犠牲を払うことを知らねばならない。

まさしく至言である。

日本が食料自給率30%と言われています。
ところが、現実には食料の30%は食べ残して捨てているそうです。つまり、輸入したものだけを食べ、国産食材は捨てているという計算です。
そうしますと本当は食料輸入量は現在の60%でよくて、実質自給率は42%ということになります。世界では飢餓状態にある人が多数いることを考えればまったく許しがたい行為です。

私のような終戦直後生まれは、盛り付けられたものは残さず食べなければならないという強迫観念を持っております。
おかげで最近は太り気味です。
食べ残すことは重大な犯罪です


往年の某女優が『環境によいテレビ』なんていって、液晶テレビの宣伝をしています。
でも本当に環境負荷低減をしようとするなら、一人に一台なんてことじゃなくて家族そろってテレビを見ましょうとか、古いテレビを大事にね!と言ってほしいもの、、
この女優、健康のために毎日10キロ泳いでいらっしゃるそうです。いやすごいですね、尊敬してしまいます。
昔の人はそんな余裕ありませんでした。私の母の時代、炊事・洗濯・裁縫すべて手作業です。
冬の朝だって、起きて火を起こさなくてはコタツにも入れないんですよ。
夜はアイロンかけをしてました。鉄の胴体の中に木炭を入れるアイロンを使っていました。知ってます?
現在私たちが使っているのは正しくは『電気アイロン』と言うんですよ。

え〜と、話がそれた、
この元女優は家電製品に囲まれているから自由時間が持てて、それゆえにスイミングができるわけです。それを悪だとは言いませんが、 でもね、『環境にいいテレビを見ましょう』と言ってほしくはありません。
『このテレビはカッコがいい』とか、『あなた、まだ奥行きの大きいテレビなの!』
とミーハー的に言ったほうがまだ救いがあります。
そうでなければ偽善に近いのではなかろうか?

環境によい車、
何ですかそれ?
クルマと言うものは本体だけではクローズしない輸送システムなんです。
道路、橋、ガソリンスタンド、排気ガスによる影響、騒音・振動問題、信号を含めた交通管制システム、そして毎年一万人近い交通事故死者、こういったものを考え合わせると、クルマ単体が今までに比べて若干環境負荷が少ないからと言って、環境によい車なんていってほしくないですね。

本当に環境負荷を減らそうとするならハイブリッドとか燃料電池車なんて遠慮深くつつましいことをおっしゃらずに、すべてのクルマをレンタカーにするとか、新交通システムを考えるとか、軽自動車の枠での新しいタイプの車を創るとかくらいしなくちゃいけません。

本当に環境によい車は『走らない車』です。



贅沢日本での環境を考えるではなく、本当に世界と自然に貢献するためには何をすべきかを考えませんか?


そう言えば、以前『天然痘撲滅はよくて、鯨を獲り尽したらなぜ悪いのか?』書きましたが、まだどなたからも反論がありません。

ひょっとすると、
『天然痘撲滅は悪いことかもしれません』
あるいは
『鯨を盗り尽すことも悪くないのかもしれません』





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