昔話 2002.10.19
これはまったくのフィクションであります。
もし、現実の何かに似ているとしたら、それはまったくの偶然です。
むかし、むかし、あるところにひとつの村がありました。

村には北から南に川が流れていて、その西岸に北金(きたがね)さんの家と小梨(こなし)さんの家がありました。
川の東岸には扶桑(ふそう)さんの家がありました。
扶桑さんの家の東には大きな湖がありその対岸に藪(やぶ)さんが住んでいました。

これはそんな村の物語です。
むかしむかし、あるところに

50年位前、北金さんも小梨さんも扶桑さんも皆貧しく暮らしは大変でした。
扶桑さんは一生懸命働いて、今から40年くらい前にはなんとか暮らしがたちいくようになり、今では村でも有数の豊かな家族になりました。
小梨さんも一生懸命働いて、数年前には村の体育祭を主催するまでになりました。
この村では4年に一度の体育祭は大事な行事で一人前とみなされた家が執(と)り行うことができるとされています。
  ヨカッタデスネ、

しかし、北金さんは農業を広げようと一生懸命開墾したりしましたが、土地の選び方、農業の仕方を間違えて畑が流されたり、作物がとれないなんてことばかりです。
近所の人に習って農業を本格的にすればよかったんですが、プライドが許さないのか、北金さんは家族の者には、我が家はこの村で一番すばらしい家族なんだ、我が家は地上の楽園だというようなほらばかり吹いていて、ちっとも学ぼうとしません。

それで50年たった今もちっとも収穫が増えず、嵐が来ると家族に餓死者がでるまでになってしまいました。
いえいえ、嵐が来なくとも、毎年毎年食うや食わずの状態です。
今までも近所の小梨さん、扶桑さん、あるいは遠くの藪さんからも食料を援助していただいたりして何とかしのいでおりました。

まあ、そこまでならどこの村にでもある助け合いの話です。

ところが、北金さんはちょっと悪党だったのです。

お金がないので贋金を作ってよその店で使いました。
贋金つくりは昔から重罪です。
こういうことをするとちょっと許せませんよね、

だいぶ昔ですが小梨さんのご主人が遠くの村を訪問した時に、殺そうとしました。
このときはご主人はあやうく難を逃れましたが、付き添いの人たちが何人も殺されました。
平和な村にこんなことがあってよいのでしょうか?
いったい何を目的に殺そうとしたのでしょう?
豊かな人を恨んでのことでしょうか?
  怖いですね〜


小梨さんちに強盗に入ろうとして、北金さんが地下道を掘っていたことは村中に知られています。
村の地盤は固いのでダイナマイトを使わないと掘れません。
以前は地中からダイナマイトの音が聞こえたそうです。
今でも掘っているのでしょうか?
  困ったものです。


北金さんは扶桑さん家からひとさらいをしました。
たぶん自分の家で働かそうとしたんでしょう。
扶桑さんは家の者がいなくなった、近所の人知らないか? と何年も、何年も探していました。

とうとう、20年以上たって北金さんは「実はあんたんちのこどもをさらったのはわしだよ、もう死んじゃったのもいるよ」なんてほざいているんです。
扶桑さんは生き残っている子供だけでも返してくれと頼みましたが『ちょっとだけだぞ』といわれる始末です。

今の時代でしたら、警察に頼んで取調べをしてもらうんですが、昔のことですから警察はありません。

  困ったものです。



北金さんの家はお金がないので電気がきてません。
それで村の人たち、近所だけでなく遠くの藪さんや隣村のヨオロッパさんなども資金を援助して電気を引いてやろうと今まで力添えをしてきました。
ところが電柱を立てたり工事をしたりするために北金さんちの敷地に入ろうとすると、いろいろ難癖をつけるのでなかなか仕事が進みません。
  どうしてでしょう?



北金さんは乱暴なだけでなく、武器を作って家の者に軍隊の訓練をしています。
平和な村には無用ですよね、

近所から援助していただいたお金や食料も家の者に食べさせるよりも、いろいろ武器を作るのに使っているようなのです。
つい最近、大きな石弓を作り大きな矢を飛ばしました。
なんと扶桑さんの家をこして湖まで飛びました。
そのうち対岸の藪さんの家まで届くものを造るのはまちがいありません。
藪さんは今までは村はずれの暴れ者という認識でしたが、最近は許せんとお怒りです。

北金さんはあれは武器じゃない、スポーツ (人工衛星) だと言ってますが、そんなことをするより家族にご飯を食べさせるべきだと思いませんか?




昨年冬、扶桑さんちに押し込み強盗が入り、逃げていくところを取り押さえられました。
やはりといいますか、北金さんの家の者でした。
もう、近所でも評判の悪(ワル)としか言いようがありません。

でも、扶桑さんは北金さんが乱暴者で知られているので、彼がした悪事を責めることを避けて、お金を与えてなだめようとしています。

こんなことでいいんでしょうか?



小梨さん家のだんなさんは今まで太陽政策と言って、仲良くしようとしていましたが、最近では家の者から『おとうさん、もう北金さんに甘い顔してちゃだめだよ、こんなことしてたら隠居してもらうからね』と言われる始末です。
そう言えば、数年前このご主人、北金さんと仲良くしようとして、村役場からお褒めの言葉 (ノオベル賞) を頂いたこともあったのですが・・・・

小梨さんのだんなさん、かわいそう


とんでもね〜えこった 数日前のことです。

   北金さんがとんでもないことをしていたのがばれてしまいました。
   北金さんは村中の人を殺すような爆弾を作っていたのです。

   平和な村には無縁のものです。

   北金さんは気が狂っているのでしょうか?




今では村中が北金さんに注目しています。
藪さんはみんなで力を合わせて退治しようと言い出しています。
そして扶桑さんに『北金さんに甘い顔しちゃいかん、あいつが悪だって知ってんだろう!』と厳しく言い始めています。


もう遅いから、続きはまた明日の晩ね、

  坊や、おねんねなさいな
ねんこしなさいね






独り言の目次にもどる


ばればれですが、
ブッシュ → 藪さん
金大中 → 小がない → こなしさん
扶桑 → 日本の別称
北金 → 北朝鮮の金将軍

つまらなかった?