200冊の本 2002.12.22
本日は若い人へ伝えたいことを、

私が高校を出て会社に入った時、人事担当者からこう言われました。
「硬い本を200冊読め、それで一生食っていける。」

あれから30数年、40年近く過ぎ、時代が変わりましたからとても若い時に本をたくさん読んでもそれだけでは人生の肥やしとしては不十分かとは思いますが・・・
実はホンの一月ほど前、ある会社をご訪問しましたところ、その人事担当者にバッタリ出会いました。
『どうしてここにいるのですか?』とお聞きしますと、既に定年退職しており、その会社から人事畑の経歴を買われて嘱託で働いているとのこと、それももう年なのであと一週間で退職するとのお話でした。
なんという偶然でしょうか! 僥倖としかいいようありません。
しばし、昔話に花を咲かせました。
話は戻って、
その教えに従い、私は二十歳頃からけっこう本を読みました。
思い出せるだけあげますと、
  • 旧約聖書:作者不詳 
    これはためになります。西洋の・・・というとだいぶ古いフレーズですが・・・小説を読むにはこれを読んでないと理解できませんよ!
    赤毛のアンでもヘルマンヘッセでも理解するためには読む前に読む必要があります。
    これ一冊あると決して飽きません。
    書かれている内容も神話から、寓話から、歴史、戦記、そしてポルノまがいまであります。
    オススメの本
  • 我が闘争:ヒットラー
    ヒトラーの末路はともかく、野心(それが悪いわけじゃない)を持って、苦難の道をひたすらにがんばる男の生きる道、いいですよ。
    時を同じく、『ケネディの道』(セオドア・ソレンセン)なんかも読みましたが、最後まで全うしたか、道を誤り失敗したかの違いであって本の構成・内容としては我が闘争のほうがしっかりしているのでは??
    その証拠に今も我が闘争は売られているが、ケネディの道は絶版です。
    なお『ケネディの道』というのは1987年発行となっていますが、1965年が初版です。
    政治家を目指す方も、会社で昇進を目指すものもお読みください。
    艱難辛苦はあなたを玉にします。

  • 道は開ける:カーネギー
    このウェブサイトで推薦する本にあげているが誰にとっても必読本だろう。
    迷った時、悲しい時、さびしい時、これを読めば回復します。
    絶海の孤島に一冊の本を持っていくならこれに限ります。オススメ

  • 科学的管理法:テーラー
    製造業においてこの本は必読本、今現在でも決して色あせていないと思う。
    ガリレオもケプラーもそれ以前の理論の大家だった。新しい論を興すには従来の論を知り尽くしていなければならない。これからも製造業の携わるものにとってバイブルだろう。

  • 太平洋一人ぼっち:堀江健一
    日本人ではじめて一人乗りヨットで太平洋横断をした方、計画の策定、意志の強さ、実行力、冒険を志す人だけでなく人生を生きていくうえで大変参考になる。
    ご飯を炊くには水がどれだけいるか? 実験を繰り返す・・・水だけではなくビールでは炊けないか?などなど・・・これは一人で行ったアポロ計画ですよ、

    すごい!

  • 管理と組織:ルイスAアレン
    組織論の発祥である。私の知る限りこれを越える組織論は読んだことがない。
    インターネットで調べても今では入手できないようだ、今の人はかわいそうだ、
    これを読まずに経営学もないだろうに!

    時々、独り言でこの本から引用しているのを見てもお分かりのように、一生利用できますよ!

  • ドラッカーのもの多数
    この方は1970年頃時代の寵児でありました。まあ、当時は誰でも読みました。
    今ではどうなんでしょう? 現在も価値があるかは疑問です?

  • 日本人とユダヤ人:イザヤペンダサン
    作者は訳者である山本七平と言われている。当時大ベストセラーになった。
    いずれにしても当たり前のことを当たり前だと言い切るということはすばらしい。山本氏はその後たくさんの『あたりまえの研究』という本を出している。ほとんど読みました。
    しかし、当時から社会党は訳が分からん政策を唱えていたことが分かります。
    三つ子の魂百まで・・・・いえ、150議席が15議席になるまで・・・意味分かりますか?
  • 沈黙の春:レイチェルカーソン
    当時は別なタイトルで翻訳された。公害問題はあったが高度成長を目指していた日本ではあまりにもペシミズムであり、まだ環境破壊ということが実感できず受けなかった。
    半世紀たってカーソンは予言者としては本物だったことがわかりました。
    私も年をとってから環境業務に従事するとは思いもよりませんでしたね
    私の会社人生の半分は環境破壊で後ろ半分は環境保護で合計ゼロか? 
  • 製図の歴史:ブッカー
    まあ、機械系でなければ興味がないでしょうけど・・・立体を平面に正しく示すにはどうしたらいいだろうか?
    これはラスコーの壁画から現在のCAD(キャド:コンピュータ支援設計システム)にいたるまでこれは画家、もの作り職人、政治家、軍人、領主の課題でした。
    政治家にとっては課税のために、軍人にとっては作戦行動のために正確な地図が必要でした。このために人々は何千年も投影法を研究してきたのです。
    そのために人生を捧げた人々に感動しませんか?
    モンゴルの人は土竜図という地図を書くそうです。普通の国々では地図とは鳥が地上を見下ろしたように書きます。モンゴルではモグラが地面の下から見上げたように書くそうです。
    なぜなんでしょうか?
  • 広辞苑、字源、六法全書
    う〜ん、ちょっと200冊の本にはそぐわないかもしれません。なぜか若い時からこのセットが手元にないと落ち着きませんでした。

    六法全書は既に数代目、広辞苑はボロボロですがまだ当時のものを愛用してます。
    字源はまだ汚れてません。だから漢字には弱いのでしょう・・・
    広辞苑まだ健在なり
その他大勢・・・200冊読んだかどうかは定かではありませんが、小説を数えずに少しは硬い本を数読んだかと思っております。
結果としてたいして、いえ、全然出世もせずに・・・それどころかリストラ組みとなりましたが、すこしは私が考えるようになったのは入社時に人事担当者が語った言葉を信じて実行したおかげと思っております。

えー、お断りしておきますが、
小説、専門書、そのたもろもろはここでいう200冊にはあげておりません。
私が一年間に読む本はコミック、まんがを除いて約130冊です。

  若い方々、ぜひ本を読んでください。
  きっと身を助けることと思います。



独り言の目次にもどる