戦争反対を叫んだ私より、弁明では無く、 2003.04.23
peace_talk様よりイラク戦争反対のお便りをいただきました。

興味深く、読ませていただいております。
私は、任田さんより、20歳ほど年下の若造です。(と、いっても早40歳ですが)

まず、私のスタンスを、
  1. この国の建国の理由を、日本人一人一人が考えてみるべきである。
  2. 東京裁判により、どのように洗脳されたのか、日本人一人一人が考えてみるべきである。
  3. 「日本人に謝りたい とあるユダヤ人の懺悔」という書籍を、日本人一人一人が読んでみるべきである。
  4. 「ノームチョムスキー」という書籍を、日本人一人一人は読んでみるべきである。
  5. 最後に、日の丸を掲げてもおかしくない日本に早くなって欲しい。私は、この旗が好きです。この旗を見ていると、くじけそうな時でも元気が湧いてきます。そして、この旗が私の祖国の旗です。
さて、私は、とあるホームページ管理者との議論の結果を踏まえ、イラク戦争に対する自分の考えをまとめたものを持っています。ホームページのご意見募集にお答えしたく、送信いたします。

全部で4部構成としております。

= イラク戦争の正当性への疑問 =
イラクで戦争が起きている。そして、人が死んでいる、今も。イラクでも、子供も大人も、それぞれに平和があり日常があった。アメリカ人もイギリス人も、それぞれの家庭があり、日常があった。それが戦争でぶち壊されている。この事実は忘れてはならないと思う。私は、この戦争に対して反対である。まずは素朴な疑問から考えてみたい。
  1. 大量破壊兵器って騒いでるけど、戦いのどさくさや内乱で盗まれたりしないのか。
  2. もし、イラク以外の誰かが化学兵器を瓶に詰めてソッと置いておき、その後に米軍が見つけた場合、所有者判断はどうするんだ?
    (まさか、瓶に“サダムちゃん”なんて貼っていないだろうし...)
  3. イラクで戦争している間に、北朝鮮が核弾頭を増産してしまうのではないか?(ほっといて良いんだろうか)
  4. 大量破壊兵器を廃棄すると言いながら、劣化ウラン弾やクラスター爆弾等の大量破壊兵器を使うことは許されるのだろうか。
今、ここに1つの論理がある。「自分のことは、自分で守る。」→「だから、棍棒を持って、攻撃に備える。」→「家族、自分が危険な時には、攻撃してしまうこともやむを得ない。」ここまでは論理的だ。しかし、これらに続けて「そして、攻撃されそうな時は、先に攻撃もいい。」とすることが正しいかどうか。
例えば、脅迫されており、いつか殺されそうだからと思って警察に訴えた。警察は証拠を捜したが見つからず、殺されてしまった。とすれば、なぜ、先に攻撃しなかったのかと疑問に思ってしまう。つまり、米国は、「彼のように殺されたくないから、先に攻撃しよう」と考え、実行したのがこの戦争と言える。しかし、これは正しいのか。

= イラク戦争の非正当性 =
前回のコラムの論点、「私は脅迫されており、いつか殺されそうだからと思って警察に訴えた。警察は証拠を捜したが見つからず、殺されてしまった。とすれば、なぜ、私は先に攻撃しなかったのか」という疑問について考えてみたい。
もし、殺されてしまったならば、警察の職務怠慢ということであり、警察が罰せられるべきだと思う。また、殺されそうな状態が、緊急かつ深刻で生命を失う可能性のある場合は、殺されないために当然自衛することとなり、かかる行為は正当防衛となるのだと思う。しかし、この場合、緊急かつ深刻で生命を失う状態をどう判断するかという問題があり、この状態の判別を行なうために、国連の査察委員会による調査が行なわれていたと理解できる。
この例に則って、アメリカの論理を当てはめてみよう。
いろいろ探したけど、見つからなかった。殺されそうな私が指示した場所にも、他の場所にもなかった。ただ、殺そうとしている彼は、日頃、素行が悪く、一度、刑務所に入ったことがある。ただし、そう育てたのは私の黙認による。
ここで話は更に複雑化し、殺そうとしている彼は、私が過去に大怪我を負うことになったビン氏と交遊があるかもしれない。だから、彼は、私を殺すためにビン氏と相談しているかもしれない。だから、私は、殺そうとしている彼に先制攻撃するのだ。
となる。
この戦争の更なる問題点は、殺されかけていると言っている私が警官であり、ジャイアンみたいでどでかく、同じ警官であるスネおも、のび太も、出来杉くんも歯が立たないという法の執行人である。しかも、その法(国際法)は、まだ完成された物で無く、番人も決まってない。そうなると、ジャイアンのような私が「おれが法律だ」と言っても、「殿、ご乱心を」と諌める家臣もいない。安保理事会で賛成に回らなかった国々は、それぞれの国益を踏まえながらも、アメリカが暴走した場合の対処と国際法の破壊を避けたいという思いがあったと結論付けることができる。
では、日本の立場はどうであり、どうすべきであったのか。そしてこれから何をするべきなのか。

= イラク戦争と日本 =
私は、日本は国連の場であれほど明確な形で支持するべきで無かったと思う。そして、国連を用いる場合、決議に失敗すると後戻りができないため、世論や世界的な反戦運動の盛り上がりにより、この戦争の停戦を実現すべきだと思う。理由をまとめてみた。
    日本:
  1. 大東亜戦争(太平洋戦争)の終戦の詔(特に最後の段落)において、「若シ夫レ情ノ激スル所、濫ニ事端ヲ滋クシ、或ハ同胞排擠 互ニ時局ヲ乱リ、為ニ大道ヲ誤リ、信義ヲ世界ニ失フカ如キハ、朕最モ之 ヲ戒ム。」と、大道を踏み外して信義を世界から失う行為は戒めるとされていること。
  2. 自国の安全のために、他人(イラク)の不幸を踏み台にする行為は、恥づべき行為であると感じること。
  3. 北朝鮮問題を外交的に解決するのであれば、仏、独、露、中との関係の悪化は避け、国連での支持を確保するべきであること。
  4. 中東のおける対日感情の悪化は、戦後復興でイラクに駐屯する場合にイラク人およびアラブ人から強い反発が予想されること。
  5. 戦争が長期化した場合、あるいは、戦後の対日感情の悪化が原油調達について懸念を生むこと。仮に復興後のイラクの原油に頼るとしても、米国資本から購入することとなるだろう。万一、米国との関係が悪化した場合、経済制裁の手段になる可能性もある。石油は日本経済の急所であり、ここを握られるのは辛い。すでに、金融で外資が覆いかぶさってきていることを考えると危険である。
    また、日米安保条約第5条では「共通の脅威があった場合、それぞれの憲法の規定と手続きに従って対処する」と記載されており、明確に亜米利加が日本を無条件に守るとは明記されていないと思う。北朝鮮問題解決のために棍棒を振り回すことになった時、アメリカの「お友達リスト」で日本より北朝鮮が上位にある場合、つまり、アメリカの国益として日本より北朝鮮が高い優先度の場合、それでも北朝鮮を攻撃するのかという点を誰も明確に説明していない。
    世界:
  1. 査察も受けず、問題となる兵器を公然と開発するという国を差し置いて、査察を受けて問題となる兵器が見つかっていない国をまっ先に侵略することは合理的では無いこと。つまり、緊急かつ深刻な状況なのか。
  2. この戦争が、イスラム対アメリカという構図になる危険性が高いこと。
  3. アメリカが間違っていた場合の抑止をどうなるのかということ。
  4. アメリカがイラクで新兵器の試験を行なっていること。
  5. アメリカのお友達リストの上位にいれば、何をしてもOKという世界になる可能性があること。
  6. イラクでは、既に湾岸戦争の際の劣化ウラン弾の放射線障害のため、出生児に対する障害等の深刻な問題を起こしていること。もし、劣化ウラン弾に問題がないのなら、ぜひ内閣官邸や国会議事堂の入り口に展示してほしいものだ。
  7. 他国を占領した上で、国家体制を変えることは国際法違反ではないのかということ。
  8. 占領後、経済的に支配しようとしている可能性があること。今から復興支援に特定企業を指名しているのはなぜか。
    日本はこのままどこに行くのか。

    = 私の夢 =
    日本がこれからどこにゆくのか。その問いに答えるには、国民一人一人が主権者であることを再認識し、自分の主義主張が理に適うものなのか、一人一人が結論を出す必要があると思う。私は、判断の規範を終戦の詔の最後の段落に求めた。
    なぜ、昭和天皇が敗戦の詔ではなく終戦の詔とし、「終戦」の言葉をお曲げにならなかったのか、自ら調べ、考えてみてほしい。
    今、この戦争を支持することは、大道を誤って信義を世界に失うことにならないのか、考えてみてほしい。天皇と聞いて、先の戦争の張本人という印象を持っているのならば、天皇位にある方々は代々、平和に皆が肩を並べて、仲良く暮らすことを希求されており、無私の精神で全てに取り組まれていることを知ってほしい。日露戦争開戦の時も、アメリカとの戦争の開戦の時も、「よもの海 皆はらからと思う世に など波風の立ち騒ぐらん」と詠み、戦争が自分の意としていないことを示されていたことを思い出して欲しい。
    人は、科学を発展させ、技術を開発して21世紀までやってきた。しかし、広島と長崎の原爆投下後、戦いは、戦いでは無く、再起不可能な破壊を引き起こすに至った。つまり、過去の牧歌的な戦いであれば、戦後、復興をして繁栄を再現することは可能であったが、今や核兵器、あるいは核兵器に匹敵する兵器による戦いとなり、その破壊は修復不可能な結果を残すだけになった。
    アフガニスタンは幸せになったのだろうか。彼等はどうなったのだろうか。果たして、このような破壊を許して良いのだろうか。今、我々は、暴力と共に自滅するか、非暴力の元に平和を享受する存在になるか問われているように思う。いつの世にも戦には光と影があり、これまでは光を信じて誰もが戦った。しかし、今、影が余りに大きくなり過ぎて、我が身をも破滅しかねない。
    私の夢は、陛下の平和への思いを理解し、この目的のもとに挙国一致すること。たとえ、今すぐに武力を無くすことができなくとも、武力的緊張が高まって誰が利を得るのかを考え、武力なしの平和を希求すること。そして、陛下が無私の精神で全てに取り組まれていることを理解し、陛下と共に皆が力を合わせて挙国一致すること。それは他でも無い、経済的な復興の名の元に打ち捨てられた祖国を拾い上げ、真の復興を実現すること。なぜならば、これから、限り無く巨大で、かつ強力なものに対峙しなければならないから。


peace_talk様、お便りありがとうございます。
一生懸命考えたことを他人がとやかくコメントを付けることはありません。
peace_talk様が考えて選択した道を歩まれることをお薦めします。
と言いながら、若干疑問を提起させてください。

フセインはビンラディンとつながりがあったかどうか私は証拠がありません。
しかし、彼が毒ガスを使ったことは確実です。
peace_talk様は劣化ウラン弾を糾弾されていますが、なぜそれには言及されないのでしょうか?

イラクで戦争が・・とおっしゃいますが、フセインがクルド人を殺した時、クェートに侵入したときいかがな発言行動をされたのでしょうか?
クルド人の子供も死にましたし、クェートでもしかり、
アメリカの艦載機は日本の無抵抗な子供を機銃掃射しました。私はそれで生き残った人に教えられました。
そういったことに対して何をしているのでしょうか?

劣化ウラン弾の放射線障害のため、出生児に対する障害等の深刻な問題を起こしている証拠をお持ちでしょうか?
私は知りません。ですからネットではその毒性の有無に関して論じたことはありません。
確固たる証拠がなければ持ち出さないほうが賢明です。(まあ人さまざまですが)

私の考えている世界観は、国家の治安と世界秩序とはまったく異なるレベル・性格です。
国家権力に裏付けられた警察の存在を引用して世界秩序や平和を語るのはどんなもんでしょうか?
信長の気まぐれで息子に腹を切らせた家康に聞かせたらきっと喜ぶことでしょう。
家系が断絶するのを防ぐために政争の際には必ず兄弟が両方に分かれてついたイギリス貴族が聞いたら鼻で笑うんでは?

サヨクがあれほどフセインに肩入れしたのですが、その論理・価値観を演繹すれば太平洋戦争の日本は正義であったことになります。
この世界はジャングルブックの世界です。
コブラにもマングースにとっても正義とか平和とかは関係ありません。
生存競争であり、弱肉強食です。・・・お間違えないように・・・善悪ではないということです。
自然の摂理には人間の考えた善悪や倫理を超えています。
女の平和はなさそうです。

ついでに言えば、私はやられる前にやるという選択を否定しません。
お断りしておきますが、これは私が言い出したことじゃありません。
過去に多くの政治家、軍人が採用した方法です。
スターリン、金日成、毛沢東、フセイン、イスラエルの指導者・・・・存在した権力者すべてみたいですね?
ブッシュが最初でももちろん最後でもないでしょう。
世の中にはもっと恐ろしい、やられる恐れがないのにやるという金正日という爆弾もいます。

日本と日本人が『正義はなにか?』なんて考えて滅んでほしくありません。
日本が安全に永続することを考えるべきです。
ご都合主義と呼ばれてもいいのです。正義をとおして死に絶えるよりしたたかに生き延び勝ち残るほうを選択します。
理想とするのは紀元前のローマ帝国の生き様でしょうか?

もちろん、近隣諸国と平和的な状態でと付け加えておきます。





同志鈴木様よりお便りをいただきました。(2003.04.23)

saitota様、お久しぶりです。香港の鈴木です。
石破防衛庁長官の談話が前に問題になったようですが、それに関してちょっと北朝鮮に対するアクションについて書きました。
読んで頂ければ幸いです。

「数千人もの犠牲者が出るのが分かっていても他国が攻撃してくるのをただ待っていてる、というのが憲法の解釈ではありません。攻撃を受ける立場については、私達の憲法では考えられていないのです」と、石破防衛庁長官は説明しています。

北朝鮮に関するアクションで私がいいたいのは、専守防衛の一般論を述べたいわけでも、憲法解釈などという不毛な議論(観念論)を述べたいわけでもありません。対北朝鮮の軍事的脅威に対する行政の対応はどうするのか、という具体策です。

昭和20年の敗戦以降、日本国は、米国の核の傘に入っていることをいいことに、政府も国民もマスコミも防衛論に関して、観念論、一般論に終始し、何らの具体策も策定しようとはしません。私は、具体策を話したいのであって、観念論を話すつもりはありません。

以下、
  1. 北朝鮮が弾道ミサイルの標準を日本に合わせている、ということは疑問の余地はない。それが、日本の純国内設備に標準を合わせているか、在日米軍基地に標準を合わせているかは不明であるが。
  2. 北朝鮮が、しばしば日本を非難する、「日帝の北朝鮮への侵略主義」というのが、国内に対するプロパガンダであり、日本国が北朝鮮に対して侵略的な意図は全くないことは、明白。いまや領土的野心を持った侵略が経済的に割に合わない、というのはみな了解しているでしょうからね。
    むしろ、まだ北朝鮮への送金を停止してもいない良い国ですよね、日本は。
  3. つまり、侵略の意図のない国にミサイルの標準を定めているのは、恫喝・脅迫以外の何者でもない。米軍基地のみに標準を合わせています、とは北朝鮮は一言も言っていない。
    日本の原発・政府中枢組織にミサイルの標準を合わせている可能性が高い。
  4. 北朝鮮が、日本を資金供給源として頼りこそすれ、現体制を存続したままでは、日本・韓国を除いての経済復興は、国際的な資金供給国がないので不可能。特に、日本の第2次大戦時の戦争賠償金は、金正日体制は大いにあてにしている。
  5. よって、ミサイルを発射して、経済的・国際政治的に不利になる事態を招く可能性は低いかもしれない。
  6. しかしながら、金正日体制の不安定性は、金正日自身が軍部を完全に掌握しているか不明。軍部の独走でミサイル発射に踏み切るおそれもある。
  7. いかに米軍の軍備が優れていようと、北朝鮮がミサイル発射を行ったら、在日米軍の軍備では迎撃は不可能。
  8. よって、自衛隊の迎撃力を高める必要があるが、現行のPAC2の質・量とも日本全土を防衛することは不可能。たとえ、PAC3を導入しても、PAC3の迎撃力は完全ではないため打ち落としが出る。
  9. このアクションは、日本国が起こしたことではなく、北朝鮮が、自国の恫喝外交、脅迫外交、現政権の保全を狙ってのアクションである。
という事実認識を私はしております。これをもとに、日本国が、
  1. 北朝鮮のミサイルの迎撃をすることは、妥当−そりゃ、ガンを突きつけられた側がやる行動は、降伏か抵抗かに決まってます。私はミサイルが落ちてきて、「ああ、攻撃されましたね」なんて確認してからアクションを起こすという間抜けな真似はイヤですね。
  2. 迎撃ミサイルの増強は妥当迎撃ミサイルは、北朝鮮に標準を合わすとか、そういったものではないので、攻撃兵器ではありません。弾頭も相手のミサイルを迎撃する程度の弾頭しか積みません。
    −PAC2、3をノドン・テポドンに対抗するミサイルと勘違いしている人がいる。不思議です。
  3. 条件付き集団的自衛権の行使は妥当
    石破防衛庁長官は、国連決議或いは日米安保条約に合わせて日本国も防衛行動を起こすといっているのであって、日本国独自で、北朝鮮のミサイルサイトを攻撃しなければいけません、などとはいっておりません。日本の軍事力でそんなことできるわけもなし。
    さらに、この件は、北朝鮮に対しての集団的自衛権の話です。北朝鮮に対してでしたら、米国が攻撃されての自衛権の発動というのはあまり起こりえない。日本が攻撃されての米国との集団的自衛権の発動、ということになります。
    −テポドンが3段式に改良されても、米国に届くかどうか、軍事技術はそれほど甘くないでしょう。三菱重工ですらH2ロケットで随分苦労しているわけですから。北朝鮮の国力と三菱重工の売り上げとどっこいどっこいじゃなかったでしたっけ?
  4. 米国が北朝鮮の核施設を宣戦布告なしにピンポイント攻撃することは、熟慮を要する。基本的には反対
    −ピンポイントで核拡散は防げるでしょうが、イラク人と違って、そういう意味では腑抜けではない北朝鮮人ですので、リスクが有りすぎると。
    −放射能汚染を必要最低限に抑える攻撃が考えられない。
  5. 米国が北朝鮮のミサイル施設を宣戦布告なしにピンポイント攻撃することは、場合によっては賛成
    −腑抜けではない北朝鮮軍が破れかぶれでソウル侵攻などを起こさないように、通常戦力も叩くことが必要。
    −ABC兵器がないことを確認。
    −主に軍属のみの被害になるので、北朝鮮が姿勢を変えなければやむなし。
    −対話路線が行き詰まったときのみ行使する。
  6. 上記4,5の在日米軍施設利用は賛成
  7. 国連決議を経た北朝鮮に対する経済制裁には賛成
    −別に国連決議ったって、北朝鮮への債権を持っている国って、何カ国あるのか。ほとんどが日本・韓国・中国・ロシアです。国連決議といっても関係ない国が多すぎるので意味ないのですが、日本人は錦の御旗がお好きだだから。コンセンサス取りやすいという政治的な意味だけ。
  8. 海上自衛隊の自衛艦と操船要員を臨時に海上保安庁に移設し、領海内の警備を徹底
    −いくら自衛隊と海上保安庁が仲が悪いといっても、この時節、余計な予算はないのだから、自衛隊が機能しないのなら、海上保安庁に移設した方がより有効ではないのでしょうか?海上保安庁ならどうどうと巡視ができる。
    (変な話です)
  9. 戦争賠償金の具体的補償方法の提示と、その供与条件の提示
    −拉致家族を人質に取っているのだから、こちらも戦争賠償金を人質に取っても構わないのでは?
  10. 朝鮮総連の経済・政治活動の停止
  11. 朝鮮総連系信金への補償停止
  12. 公安庁がリストアップした北朝鮮系企業の活動の停止
という行動を選択する、という考えですが。

自衛なんだから、軍事行動だけが自衛行動ではないはずですよね?9〜12などを北朝鮮がカードを切る毎に日本も切っていくというのはどうでしょうか?例えば、核処理を×月×日までに停止しなければ、朝鮮総連の経済・政治活動を停止させます、
というカードは?今度多国間交渉で、日本を意図的に外そうとしたら、こういったカードを日本も切る。いやいや、テロをやられるおそれもあるので、いよいよの時以外は、切るのは危ないかな。

朝鮮総連に関してはたいした知識がありません。活動停止の意味があるのかどうか・・・

古い話で恐縮ですが、1950年の朝鮮戦争前夜、1月12日ワシントンのナショナルプレスクラブで、当時の米国国務長官のディーン・アチソンは、
「米国の極東防衛戦は、アリューシャンから日本列島、琉球に至る線で、これは継続的に維持され、フィリピンに連結される。
この防衛戦の外部に位置した国(朝鮮と台湾)の安全保障、軍事攻撃に対する保証はない。攻撃を受けた場合の第一次処置は、まず攻撃を受けた国民が抵抗することである。その上で、国連憲章による全世界文明の約束によるほかないだろう。」
と述べています。それから、53年、米国の極東防衛戦は、韓国を組み入れ、フィリピンを除外したぐらいで、基本的には変更されておりません。しかし、日本といえど、まず「攻撃を受けた場合の第一次処置は、まず攻撃を受けた国民が抵抗すること」であり、攻撃を受けてもガンジーしていろ、そのうち助けに行くから、という話じゃない。ガンジーしたい人はどうぞご自由に。私はパルチザンになっても抵抗する方を選びます。

PAC2、3の配備は、北朝鮮に対する恫喝になります。米国の核の傘に頼らず、自身の防衛の傘を徐々に拡げるべきだと考えます。使わずに済むなら、それにこしたことはない、持たずに済むならそれに越したことはないのですが、世界はキチガイで溢れてますので、そうはいかない。理想的平和論では、この世界生き残っていけないのが現実です。
さすがの中国もPAC3導入の話は表だってそうそう強行には反対してません。しょうがないな、と黙認だと考えます。

「目には目を、歯には歯を」

もう、「和をもって貴しとなす」なんて千数百年も前の理論はこの世界では通用致しません。内輪じゃそれも構わないのだろうけど、元寇、日清、日露戦争の時のように神風がふく時代じゃなくなってきました。日本に都合の良いときだけ「和をもって貴しとなす」と云っていましょう。国内じゃあ「本音と建て前」を通すくせに、海外では初な処女、というのが日本の外交です。

saitota様は、"Curfew"という法規的処置を御存知でしょうか?
"Curfew"というのは、外出禁止令のことで、"Martial Law"、つまり戒厳令になる一歩前の状態を云います。

私はスリランカに駐在したとき、何度もこの"Curfew"(カーフュー、とでも発音下さい)が発令されて難渋致しました。
文字通り、外出禁止ですから外に出られません。"Curfew"発令中に外に出るということは、軍隊にどうぞ射殺して頂いて結構です、ということ。いつ発令されるかわかりませんので、食料・水を数週間分確保して、電気が止まっても良いように乾電池・ローソクの準備も怠れません。外出中に発令されようものなら、その場から動けません。幸いにして、ある程度の予告が有りましたから、家にはたどり着けてましたが。

パキスタンに出張中も、ちょうど折悪しくブット政権が倒れたときで、"Curfew"を食らってしまい、あわててチャシュマというアフガニスタン国境の近く、インダス川の川岸(といっても川幅が数キロもあって対岸が見えないのです)の町から、スリランカ人のエンジニアを連れて逃げ出したことが有ります。
なぜ逃げ出したかというと、日本人である私は大丈夫(たぶん?)ですが、パキスタン人がスリランカ人のエンジニアに危害を加えるのを恐れたからです。というと格好が良いですが、私もずいぶん怖かった。その後は、パキスタン第2の都市のラフォールまで、陸路車で7時間移動して、やっとホテルにたどり着きました。

みなさん、多少は私も世界を見てきてますので、ある程度確信を持っていえるのですが、世界は怖い所です。とてもじゃないが、自分の旗幟を鮮明にしておかないと生き残れません。入国カードに宗教の欄がありますが、ここに無宗教(SingaporeじゃFree Thinkerと呼びます。まあ、No Religionでしょうか?)とでも書こうものなら、入国を拒否する国だって有ります。(←イスラム国は特に)ことほど左様に、個人でも自分の旗幟を鮮明にする必要に迫られるのです。

私が、「和を持って貴しとなす」などは世界では通用しません、
などと書いて不快感を持たれた方もいるかもしれない。
「目には目を 歯には歯を」と書いてあるのを見て、香港の鈴木は好戦的なヤツだと思われた方がいるかもしれない。

しかし、この歪な世界では、日本国内の理念が通用しないのです。

私だって、戦争なんか嫌いです。実際、兵器・死体・興奮する人々・血・手足のない子供等を身近に見てますので、こんな非人間的、或いは極めて人間的な行為はないと思います。

嫌いではありますが、それを防止するのに理想的平和論を唱え、レノンのイマジンでも歌えば戦争は防止できると云うほど私は非現実的ではない。

抑止力としての兵器という必要悪をそれを持っていること、いざというときにはどう使うか、どう反撃するか、世界に対してアピールすることは重要です。

北朝鮮は、本当はミサイルを実際に発射したり、日本に侵攻したりする意図は持っていないかもしれない。しかし、そういう意図を持っているかどうかはわからないことです。あくまで、最悪の状態を考慮して、行動計画を平時から練っていく必要が有ると云うことです。

私の話は、まだまだ具体性に乏しい。"Curfew"外出禁止令も"Martial Law"戒厳令も日本では法制化されていません。
法制化しようとすると、人権団体、左翼団体が強硬に反対するでしょう。でも、使うと云っているのではない。ある事態を想定して、使えるようにしておく、ということなのです。

何でも国連、という解決方法を述べる方がおりますが、私が出くわした紛争地帯で国連軍を見たことはありません。国連そのものが予算不足で、そうそう平和維持軍を派遣できないのです。
平和維持軍他世界の軍隊が国連軍として派遣される時、国連は兵士一人につき月1000米ドル払う必要がある。12万円が多くはないと感じられるかもしれませんが、それすらも国連は払えないときがあります。

まずは、自助努力をして、万全を尽くして、それでも国連が何も調停してくれない、そんな事態を日本も考えるべきだと、私は考えます。この問題は、米国が好きとか、嫌いとかの次元と話が違う問題です。日米安保条約を発動する前に、日本としての自助努力をしなければいけません。その後でやっと出てくるのが国連のアクションなのです。

長文で失礼致しました。 香港 鈴木



鈴木様、大論文ありがとうございます。
ちょうど昨日、ピーストーク様より論文の投稿をいただきまして、釣り合いが取れたと考えます。

ひとつだけ、鈴木論に異議があります。
北朝鮮への戦後賠償の件ですが、既に日本は債権国となっており北朝鮮は拉致と関わりなく日本にお金を払わなければならないと報道されております。




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