出張で日本全国あちこち歩いておりました。
どこの町でも朝、駅前などでいろいろな方々が（と言いましても左利きの方が多いようですが）肉声あるいは拡声器を使って何かを主張しております。
何かと言いますのは、朝これから一生懸命に仕事をしようと出かけるときにそんなアジを聞きますとやる気がそがれますのであまり真剣に耳を傾けておらんからですが・・・・
元気のいいアンチャンならば「ウザッテエゾ！」と怒鳴るところであります。

ところが某地方都市（痴呆都市ではありませんが）で若い女性が優しい声で一生懸命に通行人、つまり　　私に語りかけてきました。
仕方なくそちらに顔を向けますと
「○○法改悪反対で〜す。どうぞご署名をお願いしま〜す。」とのことであります。
これを聞きまして、「ああ、もう結構です」とご返事いたしました。

「○○法改悪反対」
みなさま、この言葉を聞いて何かを感じませんでしょうか？

私は何事にも改悪はもちろん反対です。
具体的な例をあげますとスムーズに動いているドアを動かないようにするなんてことは改悪と言えるでしょうなあ〜、
あるいは切れる包丁でわざと硬いものを切って刃こぼれさせるなんてことは改悪に違いない！

ところで○○法を改悪するということはいったいどういうことでしょうか？
文章を分かりにくく書き直すことでしょうか？
10行ですむものを長たらしくすることでしょうか？
　　誤字脱字を添削しないことでしょうか？

お嬢さん、あなたが一生懸命「○○法改悪反対」と叫んでいるのは、単にあなたが好まない方向に改正されるということではないのですか？
それは改悪とはいえませんよ！
悪とは善の反対、あなたは善なのでしょうか？

ところで善悪とは何を基準にするのでしょうか？
フセインは「アメリカは悪だ！」と叫んでいましたが、アメリカは「フセインは悪だ！」と言っています。どちらが正しくどちらが間違っていたのでしょうか？
過去の話ではなく、今現在　金将軍は「アメリカと日本は悪だ！」と叫んでおり、ヅッシュは「金正日はならず者！」と言っています。

小泉さんはどっちつかずでいけません。　

果たしてどちらが悪なのでしょうか？
あるいはどちらも悪でもなく正義でもないかもしれません。
実は私はそう考えているのですよ、

いずれにしろ、法改正を悪とか善という言葉で語るのはやめませんか。
法改正によって種々の影響があるでしょう。その影響の棚卸をして、総合的に判断してどう改正すべきかを論じるべきではないですか？

ねえ、お嬢さん　

あなたにとって悪くとも他の人にとっては有利になるのかもしれません。
消費税を下げろ！と叫ぶなら、そのとき財政をどうするのかをセットにしなきゃ語ってはいけませんよ。

★「○○法改悪反対」の○○法は消費税ではありませんでした。

お嬢さん！「○○法改悪反対」と言わずに「○○法改正反対」と言うべきじゃないですか？
それならば議論はできます。

なにしろ悪と善に割り切るのは「思考停止」という「悪」であることは間違いなさそうです。　




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