車窓の風景からつれづれと・・・ 2003.07.06
エー、最近は仕事であちこちで歩いております。
「会社の金で旅行ができてうらやましい」なんて言わんでください。
家を出るのは朝早く、ホテルに着くのは夜遅く、帰宅するのは午前様という移動スケジュールであります。名所旧跡あるいは旨いものがあるからチョット寄ってというわけにもいきません。困ったものです。

とはいえ、目に入るものを「見ちゃいかん!」という理屈もありませんから見えるものはしっかり見ております。

新幹線や電車から見てまずまっさきに気づくのはお城です。
いえ、舞浜から見えるディズニーランドのお城ではありません。豪族あるいは大名が作った日本古来のお城です。日本の典型的なランドマークはお城であるといってもいいでしょう。 landmark.jpg
ランドマークって横浜にだけあるわけじゃありません。ランドマークとは目印、ランドマークタワーと名乗っている建物だって世界中に多数あります。
姫路城・・・先日生まれてはじめてみました。駅のま正面に見える小高い岡の上にありました。きれいですね、
地方都市のお城・・・中にはコンクリート製とかそうでなくとも最近になって再建したのが多いようです・・・中身はともかく山の上にある緑に囲まれた白いお城はきれいです。
電車の線路脇にあって電車から見下ろされるお城はあまりかっこよくありません。どこにあるかって? 最近見たのは名古屋近辺だったようです。 
天守がなくとも石垣があるとすぐに分かります。古来から人間は攻守にすぐれた場所に城を築いてきたので本能的にあるべき場所はすぐ分かるのです。

さて京都に行ったというか通過したのは高校の修学旅行以来でありました。
新幹線から京都の町並みや神社や五重塔がたくさん見えます。
神社仏閣は昔高い建築物として周囲から仰ぎ見られたのでしょうけど、今はビルの谷間に埋もれております。見る人によっては残念あるいは寂しいかもしれませんが、まあこれも時代でしょう。
景観がどうたらとかおっしゃる方もいるようですが、五重塔ができた時、それより古い建物もあったはずです。そのとき五重塔建設反対があったとは思えませんが 
そのうち現在のビルより高い建物がドンドン作られるようになったら、平安の建物と昭和の建物の調和がよかったなんて語る人が出てくるかもしれません?

札幌の時計台といえば観光案内ではバックは青空というのが多いです。実際にはあのアングルでは後には高層ビルが写るはずなんですがね?
それよりなにより行ってみればその時計台の小さいこと 小さいこと! その辺の建売程度です。

建売なんて言葉も私が成人してからできたと思います。
昔は家とはすべて家主が建てるものと相場が決まっておりました。
そして建前というと、親兄弟はもちろん親戚、知り合い、職場の仲間をみーんな呼んだものです。酒宴のため、お祝いに? いえいえそうじゃありません。
力仕事ですよ、建物を建てるのは大工さんだけど物を運び上げるのは家主が集めた人がしました。柱を組み上げるとその上にさまざまな材料をあげるのが大変だったのです。瓦などは向かい合って屋根の上まで列を作り、バケツリレーのように渡していったのです。バケツリレーで瓦を運ぶ時のコツはとにかく一刻でも早く隣の人に手渡すことです。ちょっとタイミングが狂ったりして持っている時間が長くなるともう疲れが増加します。
バケツリレーも死語となりました。
ご存じない方へ説明しますと、昔 消火訓練というと水道の蛇口から火を燃やしているところまで一列に(学校では子供、会社では社員を)並ばせて水を入れたバケツを渡して最後の人が火に水をかけるというのが決まりきったパターンでありました。それが実戦で役に立つのかは幸いにして知りません。
建前というと午前中から集まって、昼頃に柱がたって神主が祝詞を唱え、餅をまきみんなが拾う。その後も仕事が続き一段落するのが夕方でありました。
sake.jpg 酒を飲むのは当然という感じでしたね。もう疲れて飲まなきゃやってられません。
ともかく昔、建前といえば人手を集めて仕事をしました。

今はクレーンでしてしまう。これは楽でいい。
建前で人手が要らなくなると人を呼ばないようになりました。ちょっとさびしいですね、
私は酒が飲めないのがもっと寂しい、
もっとも建売では建前なんか住む人にもその親類縁者にも関係なさそうです。

もちろん建前だけでなく、古い屋敷の解体をするのにも呼ばれました。これもお祝いのためじゃなく、力仕事のためです。建物解体は建前よりもつらい!
なにが違うかといいますと、きれいな物にさわるか、長年使ったものに触るか違いです。
全員手ぬぐいで頭や顔をくるんで一番汚い古い服を身につけて参ります。まあ、家屋解体を半日もしてますと下着の中まで真っ黒ケ、手伝いに来た人は最後に風呂に入り身に着けていたものをすべて捨てちゃうという手順であります。
もちろんその後には酒がなくちゃ疲れを癒せません。(断言)

まあ、そんなことを思い出しながら車窓からや道々あたりを眺めております。
なんだかんだといっても、昔のような力仕事は少なくなりました。

結婚してからしばらく家内の実家の田植え、稲刈りには手伝いに行っておりましたが、機械が入ってからはもう来なくていいといわれました。でも私は機械を使うようになったからではなく、私が大酒飲みだからではないかと疑っております。



再三様
本当はたくさん座布団あります
毎度ばかばかしいお話で・・・・
本日の上演は以上を持ちまして終了です。
お忙しいところご訪問いただきありがとうございます。
再生家再三師匠友情出演


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