日の丸あげて 2003.08.24
oldman1.gif 本日は暑い中、ぐーたらしておりました。
しかし、おばQジジイはたとえだらだらしているように見えても頭の中は普段と同じくしっかりと考えているのです。(普段も何も考えていないという声もありますが・・・)

昨日は高校野球の決勝でした。毎年毎年ドラマがあります。先が見えないストーリー、汗と涙と高揚する心、連帯感まさしくドラマであります。
まして高校野球はプロ野球と違い、予定調和というところがありません。
予定調和といいましてもプロ野球が八百長という意味ではありません。プロ野球の場合は今日の試合は捨てたぞ!というのがミエミエの場合があります。消化試合なんていったら野球やめて酒でも飲んだほうがいいなんて雰囲気が選手に見える時さえあります。
高校野球にはそれがありません。常に真剣勝負
  いえそれほど感心することもないのです。負けたらおしまいというだけです。
だからこそドラマなんでありましょう。
しかしながら選手の方もこの暑い中お疲れ様ですが、応援の方々もお疲れでございます。
私の若い頃は学帽をかぶったこわもてのお兄さんが『フレーフレー○○』なんて潰れた声でやってましたが、昨今は何事もソフトでマイルド、かわいいお嬢ちゃんが『○○クーン、ガンバレー』なんて黄色い声を出しております。
声に色があるのでしょうか?
黄色い声といいますとちょっと匂いそうですが・・・
さて、応援する方々はひとつの学校に帰属しております。帰属することに喜びを感じているわけでしょう?
甲子園に出た学校に関わっていなくとも、栃木県の高校が出てくれば栃木出身者はその学校を応援するでしょう。まさか縁もゆかりもない学校を応援する人はないのでは?
自分の県の高校がでてなくとも、自分が東北とか北海道出身であれば、西日本の高校よりは東日本の高校を応援するものであります。
ひとつの学校に所属する喜びはさまざまな形を取り、校風となり忠誠心や同窓に対する好意ともなります。

同じ学校 → 同じ市町村 → 同じ県 → 同じ地方
これを自己愛のエスカレーションとでも呼びましょうか? 

この応援する気持は誰に強制されたものでもありません。
人が生まれて自分の街を愛し、自分の県が悪く言われると気分が悪くなり、北日本出身なら見ず知らずの北日本の高校が勝ち残ればうれしいと言う不思議な気持はなかなか説明がつきません。
この自己愛の拡張が自動的できわめて自然なものであれば、これを抑えることは常に力を注がないといけないようです。
それであれば『日の丸反対!君が代反対!』と一生懸命叫ぶ方たちはまさに賽の河原の石積みをしているのでしょうか?自然な流れに逆らった動きはなかなかうまくいかないのですよ、

日本の現体制に反対を唱えるならばいい方法があるのですよ、
シンボルというものは霊魂が宿り(?)人の心をまとめる力を持っています。だからこそシンボルと言うのですが、
ところで日本のシンボルは『天皇』と『日の丸』と『君が代』と『富士山』でしょうか?
反体制あるいは体制転覆をめざすなら、このシンボルの力を借りるのが最も手っ取り早いのです。
hata.gif サヨクのみなさん、これからはデモ行進をする時は日の丸を掲げましょう。そして君が代を歌いながら行進すればよいのです。
日の丸をあげたことによってあなた方は日本の正統を継ぐものとみなされるのです。
そして日本の正統に反抗することは日本人の心情が許さないのです。社民党をはじめとする左派系の政党も談話や記者会見のとき日の丸を掲げておけば、貫禄がつき国民に対して説得力が増すというものです。

『南京虐殺の謝罪をせよ!』とか『従軍慰安婦がどうたらこうたら』と叫ぶ人たちが日の丸を揚げて叫べば、『南京虐殺はなかった』と主張する人たちは青菜に塩となるでしょう。
bush.jpg あなたご存じでしょう? アメリカ大統領の演説台には必ずアメリカの白頭鷲の紋章がついています。演説しているのはミスターブッシュではありません。アメリカ大統領なのです。逆らうことはできません。
日本の首相も演説台に日の丸があれば聴講者の尊敬の念は3デシベル増幅されます。
どの会社でも入社式や株主総会では社旗をあげます。社長に反対する役員も上長に不満のある社員も社旗には反抗できないのです。

bushi.gif実はそれは新しい戦術ではありません。
戦国時代、すべての侍、武将、大名は日の丸をかたどった紋所、旗指物を上げたのです。
明治維新のとき錦の御旗(日の丸)を官軍があげたことで幕軍は逆らうことができなかったのです。
正確に言えば官軍が錦の御旗をあげたのではなく、錦の御旗をあげたほうが官軍になるのです。

さあ!自分の主張を通したいあなた、市民団体、政党はすべて日の丸を掲げましょう。
それは
『私たちは、日本の正統を継ぐものであり、私たちの主張は正しいのだ!』という強烈なメッセージなのです。
『死んでも日の丸を揚げないぞ!』『絶対、君が代を歌わないぞ!』そうおっしゃいますか?
それもひとつの美学であり、信念でしょうからとやかく言いますまい。
ただ主張する主義とシンボルは無関係だということです。シンボルは人と土地に密着していてこの連想を引き剥がすには大革命が必要でしょう。
昔、赤旗をシンボルとした団体や政党がありました。
でも赤旗の霊力は日の丸より弱かったのです。
なぜか?
簡単です。赤旗には日本人の歴史がかぶっておらず、感情移入ができなかったのです。
平家が日の丸の扇子を射抜け!と小船を出した以前から日本のシンボルは日の丸だったのです。

しかしなんですね、日本の体制に反対し、日本人が愛国心を持つことに大反対するために愛国心を活用しなくてはならないとはなかなか難しいものです。
まして日の丸・君が代に反対するために日の丸君が代を使うことは戦術として成り立たないような気がします。
 



    参考文献
  • 『「日の丸」「ヒノマル」 国旗の正しい理解のために』 三浦朱門/吹浦忠正/著
  • 『日の丸あげて』という書名の本は新谷かおるのコミックと赤川二郎の短編があります。
    ご一読をお薦めします。ちょっとためになるかも?



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