あと知恵でものを言うな 2004.01.12
man1.gif インターネットのウェブサイト(ホームページ)にはさまざまな意見がアップされており、またたくさんの掲示板では毎日数え切れないたくさんの主張と議論がされている。
人はみな自分の考えがあり、だからこそ人間なのである。そのようにたくさんの意見、主張があるということはすばらしいことだと思う。
そしてまたこのように自由に何でも発言できる自由はすばらしいことだ。イラクにも北朝鮮にも韓国にも中国にもないものである。

ただひとつ気になることがある。
いえ、私個人の主張に反する意見、たとえば自虐史観であろうと従軍慰安婦存在論であろうと自らが考えて発言されることに異存はない。私も反対論を述べる権利を留保するだけのこと、
そういった主義主張に関しては言論の自由の下にお互いに対等であることに間違いはない。
私がひっかかるのは、そういった意見の違いではなく、スタンスといえばいいのだろうか、考え方についてである。

それはあと知恵的発想、発言である。
具体例をあげよう。
たとえば太平洋戦争について
ハルノートを受け入れていれば太平洋戦争に突入しなくても済んだ」という意見がある。
「真珠湾奇襲攻撃をしなかったらよかったのに」という意見がある。
「もっと早く終戦すればよかった」
「日本軍が負けたのは陸軍海軍の仲が悪かったからだ」
戦後についてだって
「日本が連合軍占領から独立したときに憲法を改正すればよかったのに」
「高度成長期に心の教育を忘れたからだ」
いえほんの最近のことだって
「村山首相が謝罪をしなければ・・・」
「小泉首相が北朝鮮の金と安易に妥協しなければよかった」
そのような「・・・・すればよかったのに」「・・・・しなければよかったのに」という発言が気に入らないのです。
私が気に入らないだけですから気に入るという人がいてもいい。
ここは私のウェブサイトだから私の意見を書くというだけです。
会社で仕事をしていると、過去の失敗をいくら悔やんでもしかたありません。
いえ個人の生活でも「あの時、3−5じゃなくて2−5を買っておけば」と嘆いても後の祭り 
「5年前○○社の株を買っておけば300万はもうかってたのに」と言ってもバカにされるだけ
「こんな人と結婚するんじゃなかった」と悔やむなら人生やり直しなさい。

私たちは時間をさかのぼることができません。だから過去の出来事については十分検討し現在の決断と将来の計画に参考にすべきことではあっても、嘆いても悔やんでも、あるいは過去を非難してもいっこうに改善にならず、建設的なことではないのです。
ところで過去をあばき非難することが得意な国や民族もいるそうです。
サヨクの好きな中国や南北朝鮮なんかはそれが顕著なようです。
一方、西欧とかロシアなどは政治交渉の場で過去のエビデンスを提示して交渉を有利に進めるということはあっても政府・国民・メディアが一体となって特定の国に対して非難キャンペーンをするということはないようです。
 もちろん日本も、
あまり発散してもしょうがない。
man7.gif ハルノートについて考えましょう。
ハルノートを受け入れたら、アメリカ  を筆頭にする西欧が日本に対する圧力を弱めたのか?その後は友好関係を維持できたのかと考えなくてはならない。
当時の価値観である神の下にキリスト教白人がいて有色人を支配するという西欧白人至上主義において、日本が弱腰でいたら西欧諸国の意見に従う半植民地になってしまっただろうし、もちろん中国もアジアもアフリカ諸国も半世紀しても植民地のままにとどまったのではないだろうか?
もちろんどのような経過をたどっても独立運動がおきて現在と同様の世界になったという主張もあってよい。但し空想・推定であることには間違いない。
私が考えたことだって想像にしか過ぎない・・・・・かもしれない。
しかし、ハルノートを受け入れれば更なる妥協の連鎖となり徹底に次ぐ徹底となるだろうことは間違いない。

そこから何を学ぶか?
それはあなたが考えなければならない。考えていない人が多いのだが・・・
現在東アジアにおいて悪いことがあればすべて日本のせいらしい。
日本の首相が靖国に参拝するのが中国  や韓国  にいかなる悪影響を及ぼすのか私はわからん。両国のメディアは繰り返し過去の日本の悪行と現在の日本の傲慢さを報じている。
おっと、北朝鮮  を忘れていた。

私たちはハルノートから今の中国や韓国のとんでもない要求について考察を進めなくてはならない。 中国・韓国・北朝鮮のいわれのない要求を飲むことは更なる要求へとエスカレーションをもたらし日本はむしりとられるということを考えなくてはならないのだ。
ところであなたは仕事や勉学あるいは家庭生活で失敗したりうまくいかなかったことがありませんか?
★★ない!それはすばらしい。
もっともそれは要求水準が低すぎるせいかもしれませんね?
フィギュアスケートを見ていると分かります。より高度な技にチャレンジするから失敗するのです。安全を見込んで難度が低いことだけをしていれば決してミスをしません。
私は毎日が失敗の連続です。業務を進める上で法律を知らなくて頓挫してしまったとか、関係する部門にネゴするのが漏れてクレームが付いたとか・・・・私の人生は失敗の歴史です。 
ではどうするのですか?
私たちは今を生きています。決して昨日や明日を生きているわけではありません。
昨日のことは反省し再び同じ失敗をしないようにすることです。
失敗を反芻(はんすう)し嘆いても何もよくなりません。

ISO規格でいう是正処置とは「再発を防ぐこと」であって、不具合を責めたり、不具合を直すだけではないのです。失敗は行動や仕組みを完璧にしていくためのトライアルであると考えればよろしいのではないですか。


本日、成人式にあたって私の主張


後知恵で過去を断罪してはいけない。
歴史は今を生きる私たちの教科書なのである。
先人の批判ではなく、あなたが歴史よりうまくやってみせなくてはならない!



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moriguchi様からお便りを頂きました(2013.06.26)
あと知恵でものを言うな、を読ませていただきました
はじめまして、moriguchiと申します。
結果論からグチグチ批判をする方もいらっしゃると思いますが、後付であれば何とでも言えるんですよね。とはいえ、そうした、ある意味軽はずみな意見に気分を左右されることもありますので、この点は私自身で対策をとらなければなりませんけれど。情報も意見も、インターネット上では沢山ありますよね。その中で、主体的・能動的な取捨選択をするのはもちろんですが、何よりも自分でやってみなければ意味がないと思うのです。言うだけならば誰にでも出来ることですから。
くよくよと考え込む私の性分を何とかしたいものです(´〜`;

moriguchi様 お便りありがとうございます。
この駄文は、今をさかのぼることなんと9年半前に書いた古文書(?)です。
そんな古い文章をお読みいただいたことに、まずは感謝申し上げます。
ご覧のとおり、10年前は私も若く(?)熱く語っておりましたが、その後現実の仕事に流されて、その仕事の中での矛盾、理不尽、強い者の暴言などにこれまたカッカしまして、ISO認証の方に重点が移ってしまいました。
ともあれ私は過去12年もこのウェブサイトに言いたい放題を書いてきました。いったいいくつのコンテンツがあるのか、私自身も知らないのですが、1200か1300件あるようです。
人間、1200ものことを語れば、その中には間違いも言い過ぎも、いや後知恵で書いているものも多々あると思います。
ということは書いたのち、時が過ぎれば事実と違うもの、間違いが判明したもの、論理がおかしいことなどが判明すると思います。
では私の書いたものにそんな事例がいかほどあるのかとなりますが、幸いあまりないというのが私の実感です。ということは独創的なことではなく、私は分りきったことだけを書いているということになるのでしょう。
ところで最近、辛坊治郎氏がヨットで太平洋横断するぞと出港したとたんに難破して、自衛隊の海難救助隊に助けられました。それだけなら、横断できずに残念だったね、助かって良かったね、ということにおわるのでしょうけど、それだけでは終わりませんでした。それは辛坊治郎氏が今まで、自衛隊は無駄だと語っていたことがひとつ、もうひとつは海や山での遭難は自己責任だとテレビやブログで語っていたからです。
そして更にもうひとつの問題は、救助されてから辛坊治郎氏は自分のブログを閉じてしまったということがあります。これは間違いというカテゴリーではなく、不正直と言っていいだろうと思います。
つまり言いたい放題語っていて、ミスか不運かはともかく、一旦、自衛隊の助けを借りたら、今まで己が語っていたことをないものとしてしまうという根性が曲がっていると思うのです。いや私だけでなく、6月26日時点ネットでは辛坊治郎氏の不正直を叩く言葉があふれています。
正直言って私もその論に賛成なんですが、それはともかく、主張を変えるにしても変えないにしても、それは人それぞれですが、過去を否定どころか過去をないものにするってのは、どんなもんでしょうかねえ?
まして彼は自分でご立派なコメンテーターと自認されているわけで、あさましいと思いますね、正直
私はこのウェブサイトのいかなる評価も甘んじて(というか当たり前ですが)受けるつもりですし、今までも受けてますけどね
そんなバカな老人ですが、よろしくお願いします。
また気が向いたら書き込んでください。





ハル=ノート

日米交渉11月26日米側提案(1941年11月27日来電、第1192号、1193号)
合衆国及び日本国間協定の基礎概略

第1項 政策に関する相互宣言案
合衆国政府及び日本政府は共に太平洋の平和を欲し其の国策は太平洋地域全般に亙(わた)る永続的且つ広汎なる平和を目的とし、両国は右地域に於いて何等領土的企図を有せず、他国を脅威し又は隣接国に対し侵略的に武力を行使するの意図なく又その国策に於いては相互間及び一切の他国政府との間の関係の基礎たる左記根本諸原則を積極的に支持し且つ之を実際的に適用すべき旨宣明す。
  1. 一切の国家の領土保全及び主権の不可侵原則
  2. 他の諸国の国内問題に対する不干与の原則
  3. 通商上の機会及び待遇の平等を含む平等原則
  4. 紛争の防止及び平和的解決並びに平和的方法および手続に依る国際情勢改善の為国際協力及び国際調停遵拠の原則
日本国政府及び合衆国政府は慢性的政治不安定の根絶、頻繁なる経済的崩壊の防止及び平和の基礎設定の為め、相互間並びに他国家及び他国民との間の経済関係に於いて左記諸原則を積極的に支持し、且つ実際的に適用すべきことを合意せり
  1. 国際通商関係に於ける無差別待遇の原則
  2. 国際的経済協力及び過度の通商制限に現れたる極端なる国家主義撤廃の原則
  3. 一切の国家に依る無差別的なる原料物資獲得の原則
  4. 国際的商品協定の運用に関し消費国家及び民衆の利益の十分なる保護の原則
  5. 一切の国家の主要企業及び連続的発展に資し、且つ一切の国家の福祉に合致する貿易手続きによる支払いを許容せしむるが如き国際金融機構及び取極め樹立の原則
第2項
合衆国政府及び日本国政府の採るべき措置
合衆国政府及び日本国政府は左記の如き措置を採ることを提案す
  1. 合衆国政府及び日本国政府は英帝国支那、日本国、和蘭(オランダ)、蘇連邦、泰国、及び合衆国間多辺的不可侵条約の締結に努むべし
  2. 当国政府は米、英、支、日、蘭、及び泰政府間に各国政府が仏領印度支那の領土主権を尊重し、且つ印度支那の領土保全に対する脅威に対処するに必要且つ適当なりと看做(みな)さるべき措置を講ずるの目的を以って即時協議する旨誓約すべき協定の締結に努むべし
    斯かる協定は又協定締約国たる各国政府が印度支那との貿易若しくは経済関係に於いて特恵的待遇を求め、又は受けざるべく且つ各締約国の為仏領印度支那との貿易及び通商に於ける平等待遇を確保するが為尽力すべき旨規定すべきものとす
  3. 日本国政府は支那及び印度支那より一切の陸、海、空軍兵力及び警察力を撤収すべし
  4. 合衆国政府及び日本国政府は臨時に首都を重慶に置ける中華民国国民政府以外の支那に於ける如何なる政府、若しくは政権をも軍事的、経済的に支持せざるべし
  5. 両国政府は外国租界及び居留地内及び之に関連せる諸権益並びに1901年の団匪事件(義和団事件の事)議定書に依る諸権利を含む支那に在る一切の治外法権を放棄すべし
    両国政府は外国租界及び居留地に於ける諸権利並びに1901年の団匪事件議定書による諸権利を含む支那に於ける治外法権廃棄方に付き英国政府及び其の外の政府の同意を取り付くべく努力すべし
  6. 合衆国政府及び日本政府は互恵的最恵国待遇及び通障壁の低減並びに生糸を自由品目として据え置かんとする米側企図に基き合衆国及び日本国間に通商協定締結の為協議を開始すべし
  7. 合衆国政府及び日本国政府はそれぞれ合衆国に在る日本資金および日本国に在る米国資金に対する凍結措置を撤廃すべし
  8. 両国政府は円払い為替の安定に関する案に付き協定し右目的の為適当なる資金の割り当ては半額を日本国より半額を合衆国より給与せらるべきことを合意すべし
  9. 両国政府は其の何れかの一方が第三国と締結しおる如何なる協定も同国に依り本協定の根本目的即ち太平洋地域全般の平和確立及び保持に矛盾するが如く解釈せらるべきことを同意すべし
  10. 両国政府は他国政府をして本協定に規定せる基本的なる政治的経済的原則を遵守し、且つ之を実際的に適用せしむる為其の勢力を行使すべし