革新政党は存在しない

かって革新は灯、保守は闇にたとえられた。今でもそう表現する新聞社もある。
革新は善で保守は悪なのか？
革新政治家は正義で、保守系政治家は犯罪者か！
　おかしな話だ。
革新政党の首長がいれば、その自治体は明るくて、保守王国は黄泉（よみ）の国らしい。

読売新聞は保守系であるとは認識していたが、黄泉売新聞（よみうりしんぶん）だったのか？　

革新政党とは何か？
さまざまな考えがあり、いろいろな定義もあるだろう。
共産党や社民党は革新政党と名乗っても誰も異議を唱えない。彼らは革新政党らしい。

彼らの行動から想像すると確信政党かもしれない　

ところで民主党は革新政党なのか保守政党なのか？
この判断はつけがたく、党員でさえ分からないのではないか？　なにしろ共産党より左と言われた古（いにしえ）の社会党左派から、自民党の元総理大臣、中国様の家来から憲法改正武装論までいるわけで、その政治姿勢ははっきりしていない。
はっきりしているのはさまざまな主義主張があるごった煮政党であるということだけだ。革新政党とか保守政党という以前の、現体制への反対勢力連合というのが正しそうだ。
私がこどもの頃、学校のホームルームで多数意見に反対すると『共産党！』とか『社会党！』と呼ばれたが、そのうち会社や学校で反対意見を言う人は『民主党！』とやゆされるのかもしれない　

先日の『私は右翼であるか』でISO9000やISO14000は保守そのものであると語った。
そんなことを電車の中で考え続けていたら、すべての政治勢力は保守政党であり、革新政党というものは存在するはずがない、革新政党とは論理的に矛盾しているという結論に至ったのであります。
では本日のお題は『革新政党は存在しない』

革新とは『古くからの習慣・制度・状態・考え方などを新しく変えようとすること。特に、政治の分野で社会体制・政治組織を新しく変えること。また、変えようとする勢力』
保守とは『古くからの習慣・制度・考え方などを尊重し、急激な改革に反対すること』

過去より社会制度というのは多数あったし、同じ制度であっても運営の仕方や重点をどこに置くかの違いにより更に細分化される。そしていかなる時代と国においても自分たちが目指すもの（もちろん利権の場合もある）が異なる人々の間で権力闘争が生じるのは人間社会の定めである。
その権力闘争は中国や北朝鮮、あるいはかってのソ連のような密室と暗殺によるものもあるし、オープンで武力を使わない場合には民主政治と呼ばれる。

こんな表現は今私が思いついたことに過ぎない。

いずれにしても現行体制を維持しようとする人々が保守と呼ばれて、現行体制を変えようとする人々が革新と呼ばれる。そして法律で定める政党の要件を満たすと、保守政党とか革新政党と名乗ることになる。
Ａ体制からＢ体制に変えようとすることは革新と呼ばれるが、いったんＢ体制になってしまえば、革新勢力は保守勢力に変わる。そしてＡ体制を求める人々は保守から革新に立場を変える。

オイオイ、革新とはそんなちゃちなものなのか？
真に革新政党と呼ばれるには、当初の改革が完了したのちは、その構築した体制を破壊して、新たな改革を始めなくてはならない。それが革新政党というものである。

もちろん世界は広い。
常に現状を打破しようとして、政党を作っては壊し、壊しては作っている方もいる。

ご存じでしょう？　

今、革新政党と名乗りあるいは呼ばれているものは彼らが目指す体制があり、それが決して実現しないから革新を名乗っていられるのだろう。
ロシアのように革新（革命）が実現すれば、一瞬にして革新は保守に立場が変わってしまうのである。

ところで1917年の革命はなんだったのだろう？
ロシアにとって空白の７０年だったのだろうか？
日本人にとっては恐怖の７０年だったのだが、

よって論理的に革新政党というのは存在しない。
これはいかなる生物も組織も自己保存という大前提があるかぎり否定できない。
暫定組織とかプロジェクトというものは存在しうるし現実に存在している。また政策として革新を掲げることは論理的に矛盾はない。しかし、革新政党を名乗ることは論理的に破綻している。

「わたしたちはこの日本を改革し、より良い日本を作ります」と語っているが、決してその前提である選挙に勝利することはなく、よって「日本を改革することもなく、より良い日本を作る責任を負うことはない」ということなのである。

ゆえに『永遠に革新政党と名乗ることができる』のだ

本日の提案です。

今後、革新政党とか保守政党という言葉を使うのをやめたらどうでしょうか？
『私たちは革新政党ではありません。私有財産を禁じる共産党です。』とか
『私たちは環太平洋諸国と軍事同盟を結び経済発展を図る政党です』
とかいえば、誤解を招かないし、政権をとってからも同じ主張を継続することができますよ、
あるいは
『私たちは日本国民を犠牲にして北朝鮮に尽くすことを目的とする政党です。』といいましょう。

そう言えばそんな政党もありますね。

そしてもちろん、革新は灯であるわけがなく、保守は闇ではない。
長年放漫行政を続けた革新知事もいたし、基地反対闘争に明け暮れまともな仕事ができない革新市長もいる。
言葉は正しく使いたいものである。

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