ちらかし遺伝子 2004.12.31
ちらかし遺伝子というのを聞いたことがありますか?
利己的遺伝子(ふ、古い!)じゃあ、ありません。
space.gifご存じない?
実はこれ、私が今作った言葉ですので知らなくて当然です。 
では新学説、ちらかし遺伝子のお話を・・・

我が家でも、年末に大掃除をいたします。
大掃除といいましても、賃貸マンションの仮住まい、広いわけでもなく家財道具がたくさんあるわけではありません。いえ、ほんとうは狭い家で家財道具はほとんどないというのが正しい。
家内です
大晦日よ、
お掃除しなきゃ
家内は一生懸命に台所とか戸棚のお掃除なんてしますが、私は横着者ですから言われたことをするだけです。
障子貼りというのが年末大掃除の定番ですが、幸い我が家には障子が一枚もありません。
照明器具の傘の掃除といっても2個や3個では10分もあれば終わりです。
残念ながら神棚はありません。つけるところがありません。仏壇のお掃除といいましても、仏具を一つ一つ取り出して空拭きする程度。
わたしです
大晦日か、
困ったものだ
のこるは、本棚の片付けくらいでしょうか?
いつも申し上げておりますが、我が家には余分な空間はありません。一年間に読んだ本で印象に残らないのは捨てるということにあいなります。ところが、捨てるべきか捨てざるべきか?なんてハムレットのようなことを考えまして本を開き、そのまま読み始めたりしまして、ちょっとも仕事が進みません。
要するに、私は横着者で怠け者で横のものを縦にもしないという、屑でのろまなのであります。
<屑でのろま> というフレーズをご存じの方は・・・満35歳以上でしょう 

このような私も、会社では整理・整頓・清掃の鬼として仕事をしてきたのが不思議としか言いようがありません。
不要なものは捨てろ、物は直角・水平・平行に置け、清掃をしろ、と口癖のように・・・いえ、口癖でした・・・言っておりました。
整理・整頓・清掃を徹底しますと、不良が減り生産があがります。これは本当です。
掃除する暇もないなんておっしゃる方がいますが、掃除をすれば暇ができますよ。

昔、東北の山中にある電子品を組み立てている工場に見学に行って、きれいな工場だなあと驚きました。
私はへそ曲がりですから、工場見学しても天井や床しか見ません。すると床に甲虫の死骸があったんです。おどろいて外を見ると窓の外は雪。当然です・・・冬でしたから
窓の外は冬〜♪は小田和正、窓の外は雨〜♪はイルカ
・・・私はくだらない人間である 
この工場では夏から床掃除していないと気づきました。きれいなのは単に汚れないからであって、掃除しているからじゃなかったんです。一瞬にしてこの工場はアカンと思いましたね。後で聞きましたら生産性があがらず不良も多いと聞きました。
今でもあちこちに監査に行きますと、棚とかスイッチボックスの上を指でなぞり、指先にほこりがついていないかと眺めるのです・・・・いやみですね

現場ばかりじゃありません、事務所も同じです。机の上はいつもきれいさっぱりとしていなければなりません!
よくオフィスで、受け入れ箱だけでは足りなくて、机の上に書類を50センチも60センチも積み上げている方いますよね?それも一山では足りず二山も三山も築いている方もいます。そんな山の間の谷間で仕事をしているんです。
いつ崩れるのかと気が気ではありません。
年末の大掃除をしたら、積まれた書類の中からホチキスやCD-ROMどころか、半年前に紛失して情報漏えいだと大騒ぎしたノートパソコンが出てきたり、訪問者が持ってきたカビが生えた御菓子が生えてでてきたり・・・・
いえ、冗談ではなくそんな実例を見たことがあります。 

話が大幅にそれておりまして、なかなかちらかし遺伝子までたどり着きません。
かわいい娘じゃよ 結婚した娘は、家にいるときはそれはそれは散らかし放題、ゴミを捨てないのではないのですが、とにかく物を置くべきところに置かないのです。
洋服ダンスの戸ははみでた服がはさまっていてちゃんと閉じていない。テーブルの上には筆記用具、ピアス、化粧品、わけのわからない品々がそれはそれは・・・・
ラジカセの上には携帯電話とか充電器とかリモコンなどが積み重ねてあります。その様子はよくこどもの頃にした崩れないように最大どこまでずらして積み重ねられるかという風情です。そして、床にはCD、MD、ぬいぐるみ、脱いだ服、下着から本からとにかくカーペットが見えないくらいにものが広げてあります。小間物屋といったらいいのでしょうか?
小間物屋も今では死語か?
あまり言いたくない状況にも小間物を広げたといいましたが・・・
そしてご本人はそんな産業廃棄物置場みたいな中で、下着姿でヘッドホンをつけて煎餅をくわえて体を震わして、それは鬼気迫るものでありました。 
結婚してからは少しは整理整頓が習慣になったのでしょうか?
私は常々婿殿に不良品を渡したのではないかと気にしております。

私の息子も整理整頓とは無縁の人間でして、自宅にいたときから自分の部屋は散らかし放題、どこに何があるのか他人にはわかりません。しかし、自分はしっかりとわかっているんですね、
自慢の息子じゃ 必要となるとゲームソフトも、漫画本も、くつした、マージャンパイも、きわめてまれなことですが教科書だって一瞬にして乱雑な中から取り出すという不思議な能力を持っておりました。
社会人となった現在は遠くの街で一人暮らし、もちろんアパートは散らかし放題の足の踏み場もないような状況であります。私の家内は時々息子のアパートに行くのですが、行ってはじめにするのがお掃除であります。
なにしろ部屋に入っても足の踏み場も腰を下ろすところもありません。トイレに行こうとしてもトイレまで歩いていけないのです。まず散らかっている新聞紙、ペットボトル、DVD、テレビのリモコン、ビデオのリモコン、ゲーム機、本の類を種類ごとに分け、ゴミはゴミ袋、値打ちのありそうなものはまとめて積み上げるなどしてやっと持っていった荷物を置くところができるのです。
さてそしたら、お茶を飲もうとしても湯のみがどこにあるのか?きゅうすはどこか?見当もつきません。
先日行ったときは部屋中に衣類が広がっていたので、これから洗濯するのだと思い洗濯機に放り込み回したところ、帰宅した息子が言うのには、洗濯したけどしまうのが面倒だから部屋に広げておいたとのこと
部屋全体がたんすのようです。
家内が息子のところから帰ってきたら、すぐに息子から電話がかかってきました。
何事か?と思いますと
「お母さん、テレビのリモコンどこに置いたの?」というお問い合わせ・・・
家内はテレビの上に置いてきたとのこと
息子はいつも枕のそばにおいているので、少しでも移動するともう見つけることができないようです。


本年のまとめ


ああ! かわいそうなむすめよ、息子よ、
 おまえたちが整理整頓が苦手なのは
私からちらかし遺伝子が伝わったからに違いない。

許してくれ〜



でもと、続きます。
人間が持つ、整理整頓にかける熱情というのは、だれでも一定量ではないかと思うのです。
これを整理整頓エネルギー保存の法則といいます。
私も娘も息子も会社では一所懸命働いております。
space.gifそして、会社で品質を良くしよう、そのためには整理整頓をしよう、
144×118 space.gif売り上げを上げるには店をきれいにしよう、
space.gifお客様に気分良くしていただくためにきれいにしよう、
とあい努めているのです。
だから会社で整理整頓エネルギーが消費されてしまい、自宅ではもう掃除に費やす分がなくなってしまうのではないかと・・・
整理・整頓・清掃、俗に3Sなどと言われておりますが、
これをしっかりやれば、よい仕事ができます。
しっかりやらないと良い仕事は決してできません。
でも家庭までこれを徹底するのは、ちょっとつらいものがあります。


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